内野さんの新しい舞台の情報を知りまず思いましたのが
「こう言った舞台待っていました!」
との感覚と感動であります。
ですが流石の私も、「M.バタフライ」の戯曲が実話を元に抗争されたもので
あると知り「マジすか」との驚きがありました。
女装した男性を完璧な女であることに、一切の疑いを持たなかったことについては、ま~そんな不思議なお話もあるのかも知れませんね~ぇ。
とも思うのですが、更に子供を授かりましたとの告白にすんなり
信じ込んだのは、私には大きな疑問でしかございませんでした。
内野さんは大阪で行われた「M.バタフライ」の取材会で
「ロマンティストで女性慣れしていない不思議なキャラクター
恋心、愛することの中に自分の幻想が入って来るのは
今の時代でも変わらないと思う。」
とおっしゃっています。
人とひととはどんなに近い距離にいたとしても、その人の心の中を
すべて知ることなんて出来ませんものね。
それは人類が言葉を修得してからずっと、そして此れからも永遠に続くのでしょうね。
その大いなる勘違いの中からある時は悲劇が誕生し、または喜劇になってしまう事があるのかも知れません。
おそらくストーリーは、フランス人外交官ガリマールの心情を追うかたちで
描かれて行くのでしょう。
ですが私と致しましては、京劇のスターであり中国共産党のスパイで
熱烈なる毛沢東崇拝者を演じるソン・リンリンは、そんなガリマールを
隣にいてどんな風に思っていたのか、とても知りたいでございます。
ただ怪しい蝋燭の灯りに惹きつけられた都合のいい「蛾」でしかなかったのか?
それとも男である自分に東洋の女性の神秘性をひたすら追い求めるガリマールの一途な思いに心が揺れるときがあったのか?
リンリンがその思いについて語ることは無いのかも知れませんが、ほんの一瞬でも彼自身の生身の人間としての声を所作の中で表現する時が、有るのか
無いのか個人的にもとても興味を持っております。
「M.バタフライ」の舞台は、此れまでの内野さんが演じられた「役」以上に観る側に体力と精神力を求めるものである様な予感がしております。
生半可な軽い気持ちで面白そうな芝居だから、ちょっくら見て来るわ
なんて軽い気持ちで劇場に足を運んだら、手痛いしっぺ返しをされるみたいな予感が大いにございます。
その為には上演期間が梅雨の季節と重なりますので、今まで以上に体調管理に気を配り、トレーニングに励まなければの思いを強くしておる今日この頃でございます。