本日2月26日の朝ドラ「おちょやん」は、本当に神回でございました。
此れから私が、まどろっこしいドラマ紹介をするに及ばずであるのは
充分に承知しておるのですが、一応定番としてちょこちょこっとお話させてください。
千代ちゃんと幼い頃分かれたまま、行方知らずになっていたヨシヲと再会します。
千代ちゃんはとても喜び歓迎するのですが、ヨシヲの周りには何やら不穏な空気が漂っています。
そんな時「鶴亀家庭劇」の上演を中止しなければ、劇場に火をつける。
との脅迫電話が掛かって来ます。
どうもヨシヲは、そんな連中の仲間であるみたいです。
千代はそんな仲間とは、縁切りをしろと訴えるのですが
離れて暮らした時間が大きな隔たりとなってしまって
ヨシヲの心には届きません。
ヨシヲはひとり劇場に向かいマッチで火を付けようとします。
その時老婆(実はアドリブ王の千之助さん)がその火を吹き消します。
千代と一平が駆け付け、この悪事はとっくに露見していると伝えます。
それから千代はヨシヲの為にお粥をつくり、一緒に暮らしていた頃の
思い出話をします。
千代はヨシヲに
私は、あんたを助けられへんかったけど、いつもあんたに助けられたんよと
感謝の思いを伝えますが、ヨシヲの気持ちを変える事は出来ませんでした。
千代の元から立ち去ろうとするヨシヲに、お母ちゃんの形見を手渡します。
いつか必ず返しに来るんやでと、その時にはとびっきりの喜劇見せたる。
との言葉と共に。
ヨシヲは、楽しみやなと言葉を返します。
千代は
「誰が何と言おうとも、あんたはうちの自慢の弟や」
との言葉でヨシヲを旅立たせます。
ヨシヲの躰には既に入れ墨があります。
幾ら本人が真っ当な暮らしをしようとしても
その入れ墨により、入り口の処で排除される様な事も何度かあるのでしょう。
その度に「あんたはうちの自慢の弟や」の千代の言葉が
大きな支えとなるだろうと、私は思います。
そして堅実な暮らしを営んでいるすがたを、千代に見せるために
喜劇を観に来る時が必ず訪れると信じております。
もしも「おちょやん」が昭和の朝ドラであったならば
たぶん岡安の女将さんの篠原涼子さんが、素早く事情を察し
信頼できる人にヨシヲのこれまで歩んで来た道のりと、そうしなければ
仕方がなかった事情、そしてヨシヲは本当に心根の真っ直ぐな子だと保証し
此れからの身の振り方を見守ってくれと託す人がいる様な気がするのですが
バブル崩壊から30年以上経った今でも、一般市民の生活は停滞したままの今
そんなお話の展開になったとしても、ドラマを見ている側からすれば
お伽話としてしか受け取れない時代になっているのでしょうね。
「おちょやん」は、大阪制作のドラマですから
地に足の着いた市民の目線で描いた「ワクワク」「ハラハラ」「胸キュンキュン」そしてちょっぴり涙の人間模様を毎朝見せて下さるのを楽しみにしております。