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上海電力など外資メガソーラーが日本に続々参入する背景…高値買い取り価格おいしい商売産経より

2014-10-02 15:40:43 | (英氏)原発・エネルギー問題
上海電力など外資メガソーラーが日本に続々参入する背景…高値買い取り価格おいしい商売、景観・自然破壊の懸念で地元トラブルも

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 日本のメガソーラー(大規模太陽光発電所)事業に、外資系企業の参入が相次いでいる。背景にあるのは、再生可能エネルギーで発電した電気の買い取りを電力会社に義務付けた「固定価格買い取り制度」(FIT)だ。買い取り価格が高く設定されているため長期にわたり確実に収益が見込まれる魅力が外資を呼び込むが、乱開発による自然破壊への懸念から地元とトラブルになることも少なくない。ただでさえ、原発停止で火力発電用燃料の輸入コストが増大するなか、FITが日本の国富流出を加速させかねない情勢だ。

村を訪れた男性

 「日本の買い取り価格は高く、しかも20年保証。だから投資している」

 2月、寒さ厳しい福島県西郷村を訪れた男性は、役場関係者に、そう話したという。

 男性は中国の電力会社、上海電力の幹部。上海電力は同村で発電規模7・65万キロワットの大規模太陽光発電所(メガソーラー)を建設する計画を打ち出している。もともと別の業者がゴルフ場開発を予定していたが頓挫(とんざ)し、塩漬けになっていた土地(59ヘクタール)という。

 上海電力は、西郷村だけでなく、栃木県や静岡県、大分県などでもメガソーラーを計画しているといわれる。すでに5月、大阪市住之江区のベイエリア、咲洲(さきしま)でメガソーラーを稼働させている。事業は平成45年10月までの予定だ。

外資の計画続々

 外国資本による日本でのメガソーラー計画が目白押しだ。米総合電機メーカー、ゼネラル・エレクトリック(GE)は平成30年度の稼働を目指し、岡山県瀬戸内市内の塩田跡地に国内最大級の約23万キロワットのメガソーラー計画を立てる。

 さらに、米ゴールドマン・サックス(茨城県、出力4万キロワット)▽ドイツのフォトボルト・デベロップメント・パートナーズ(PVDP、長崎県、43万キロワット)▽スペインのゲスタンプグループ(岩手県、約2万キロワット)など計画地は全国に広がる。

 相次ぐメガソーラー計画に対し、地元では建設時の雇用増大につながると期待の一方、外資系企業に広大な土地を買い占められることへの懸念も広がる。

 観光地として名高い大分県由布市では、外資系企業がメガソーラー建設用地を取得後に、景観への懸念から住民の反対運動に発展。市は1月、大規模な太陽光発電所を建設する際には届け出を必要とするなどの条例を制定し、市が知らない間にメガソーラーを進めることができないような仕組みをつくった。

 地元への説明が後回しとなり、すれ違いが起きた例もある。大分県宇佐市では一部報道などで中国系企業のメガソーラー計画が明るみになった。企業側からの接触はなく、現時点で具体的な動きはないというが、同市は「乱開発となるなら景観の観点から問題になるだろう」と警戒する。

 福島県西郷村では上海電力が土地を取得してからもしばらく所有者の変更に関する届け出がなかった。それを県が指摘し、あわてて2月に村に計画概要を説明したという。

 西郷村は「再生エネの利用が増えていくのならいいことだが、山林を次々と開発して自然破壊につながる場合、規制の議論も出てくる」と打ち明ける。

ノーリスクのおいしい商売

 「世界的にFIT見直しの流れが強まるなか、日本は唯一、おいしい市場になっている」

 外資の参入が相次ぐ背景について、エネルギー問題に詳しい常葉大経営学部の山本隆三教授は解説する。FITが始まった24年度の太陽光発電でつくった電力の買い取り価格は1キロワット時あたり42円(出力10キロワット以上)。当時のドイツやイタリアと比べると、約3倍以上だった。

 一方、「脱原発」を宣言したドイツ。FITの導入に伴い、この10年強で家庭用の電気料金が約2倍に跳ね上がった。高値での買い取りに参入事業者が増え、再生エネの購入電力量が急増。再生エネの導入コストとして家庭用の電気料金に上乗せされる「賦課金」が増え続けたためだ。

 日本でも買い取り価格を毎年見直し、徐々に下げられてはいるが、26年度は同34・5円と依然高水準。認定を受けると、その価格で最長20年間買い取ってくれることも魅力だ。

 エネルギー業界関係者は「他国と比べたらまだまだ高い。中国製の安価な太陽光パネルを設置してコストを抑えれば、確実にもうかる。ノーリスクに近い」と話す。

 発電コストの高さが再生エネ普及の壁になっているとして、買い取り価格の一部を利用者が負担し、事業者の参入意欲を高める仕組みにしたFIT。参入事業者が増えれば、スケールメリットで発電コストも下がる目算だったが、導入先進地の欧州では「普及しても発電コストが下がらないとはどういうことか」と否定的な議論が巻き起こっているという。

 山本教授は「日本でも電気料金が高騰する可能性がある。ドイツなどはFITではなく、技術開発で発電コストを下げようという方向に向かいつつある。再生エネの導入は方法をよく考える必要がある」と指摘する。

 FITをめぐっては、認定を受けながら発電を始めていない事業者が7割強あることも判明。経済産業省は、悪質な事例は認定取り消しを検討することも表明している。

日本でのメガソーラー事業を「おいしい商売」にしているのは、電気料金に上乗せされる家庭の負担だ。電力中央研究所の試算によると、これまで国に認定された再生エネ設備がすべて稼働した場合、家庭への電気料金の上乗せ額が現在の3倍程度に膨らみ、標準家庭の電気料金が1割程度上がる見込みだという。

 原発停止の影響で火力発電用燃料の輸入が高止まりしているが、外資系企業の相次ぐメガソーラー参入でも国富流出に拍車がかかる構図だ。家庭が負担増を強いられているだけに、本格的な見直しを検討する必要がありそうだ。


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