、江夏正敏の「闘魂一喝!」
「わかりやすい年金の話(5)犯罪的“賦課方式”と年金崩壊」
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前回のメルマガで「いかにして日本の公的年金が賦課方式に変化してきたか」を検証しました。
今回は「賦課方式で、今後の公的年金を支えることができるか」を考えてみます。
公的年金制度の基礎の部分です。
●賦課方式は「ねずみ講」。
厚生労働省は、「年金は世代間の助け合いの仕組み」と国民に説明していますが、嘘を隠すための美辞麗句です。
現在の公的年金は「現役世代の払った保険料は、その瞬間に高齢者への年金給付として充てられ、煙のように消えていく」という制度になっています。
これを「修正積立方式」と厚労省は称していますが、これこそ「賦課方式」です。
この賦課方式は、「ねずみ講」と同じ構造で、世間では詐欺商法と認定され、民間が行えば捕まります。
「ねずみ講」は、どうして犯罪なのでしょうか。それは、会員がずっと増え続けるという前提で成り立つ仕組みだからです。
会員がずっと増え続けるならば、世界中の70億人が会員になった段階で、破綻します。
(現実には、世界人類全員が会員にならないので、それ以前で破綻しますが)
公的年金制度も、同じように人口が増え続けることが前提なのです。そのようなことは現実的にはあり得ません。
ですから、理論上成り立たないので、それを実行したら犯罪と認定されるのです。
これを国家単位で行っているので、巨大な詐欺システムと言っても良いでしょう。
●政府による消費増税の嘘。
日本は、この賦課方式という元凶に、少子高齢化という最悪の事態が迫っているのです。
この状況で政府は「社会保障を安心にするために、国民の皆様のために消費税を上げます」と説明しているので、
幸福実現党は「国民の善意につけ込んだ嘘は許さない」と意見を申し上げているのです。
(この辺のことは前回のメルマガで指摘しました)
●賦課方式の問題点。
もう少し、賦課方式の危機的状況を見てみましょう。
年金問題の基本的なところなので、ここはご理解していただきたいところです。頑張って読んでください。細かい前提は省きます。
イメージを共有しましょう。高齢者1人を支えるために、現役世代が何人必要かというイメージです。
1950年は現役世代12人で1人の高齢者を支えていました。
1960年は11人で1人。
1970年は10人で1人。
1980年は7.5人で1人。
1994年は5人で1人。
2000年は4人で1人。
2008年は3人で1人。
2023年には2人で1人。
そして、ピークは2072年になり、1.17人で1人。ほぼ1人が1人になります。
その後、ピークを過ぎれば下ると思いがちですが、そうはなりません。
2100年を超えても、1.2人に1人という割合で高原状態が続いていくのです。
●今後100年以上、超高負担社会が続く。
ですから、今後、日本が突入する少子高齢化社会は、現状の制度のままでは戦慄すべき状況が待っているのです。
今の制度のままでは、消費増税など序の口で、「超高負担社会」が続いていきます。
厚生労働省が「安心社会」と言っているのを聞くにつれ、私はそらぞらしい気分になってしまいます。
●消費増税は「焼け石に水」。
マスコミなどは、「社会保障費は年間1兆円の増加ペースで大変だ」と報道していますが、これは税金で賄っている社会保障関係費のことです。
しかし、地方の税金や保険料本体を含めると、年間3~4兆円規模で増加しています。
消費税を5%増税すれば、13.5兆円の増収と言われていますが、増税で賄える期間は3~4年程度です。
ですから消費増税は「焼け石に水」なのです。
●信じられない国民負担率。
さらに、このままの制度で行くと、国民負担率がどの程度になるのでしょうか。
国民負担率とは、「私たちの給料のうち、何%を税や保険料に取られるか」という数字です。
2025年で49.1%
2050年で71.6%
2075年で81.2%
これは、給料の7割、8割が保険料や税金で国に徴収されることを意味します。
ここまで来ると、私なら外国へ逃げ出すでしょう。
●世代間不公平額は1億円!?
その上、社会保障の世代間不公平は拡大しています。
ざっくり言うと、「祖父母の世代はプラス5000万円をもらい、孫の世代はマイナス5000万円で生涯賃金から持ち出しとなり、両者の間に1億円の格差が生じている」のです。
いずれ、若者が社会保障の保険料を払わなくなる事態が来るでしょう。
場合によっては「老人よ、早く死ね」という風潮や、「老人自殺」が蔓延することも考えられます。
●諸外国があきれる日本の社会保障制度。
東南アジアなどの諸外国は、日本の社会保障制度を学びに来るそうですが、
一様に「そもそもなぜ、将来、少子高齢化が急速に進むとわかっていたのに、財政的に維持不可能な制度を作ったのか?」と疑問を呈します。
そして、日本の事例を「反面教師」として学ぶか、「学べることはあまりない」とガッカリして帰るのです。
そのように見られているにもかかわらず、「さらに拡大、さらに充実を」と声高に叫ぶ大きな勢力が日本にはあります。
●年金崩壊は間違いなく来る。
とにかく、現状の制度のままだと、年金崩壊、社会保障の破綻が来ます。
何らかの抜本的改革を急ぐ必要があります。
次回のメルマガからは、その改革案を提示できればと思います。
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2、編集後記
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7月8日に行われた大川隆法党総裁の「繁栄への大戦略」講演で、
「大きな政府は必ず、国民の堕落を招く」という提言がありました。
それは、「国民一人一人の魂修行としては不十分であるから」です。
そして、「大きな政府に頼るのではなく、皆様方一人一人が、人間としての質を上げ、
皆様方の協力する力が、ネットワークが、組織が大きな大きな流れをつくって、
国を高め、この国を平和と繁栄する国にすることができる」のです。
老後を全て国に依存することは危険です。
国民一人一人が自立する国家へと改革することを目指してまいります。
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◆ 江夏正敏(えなつまさとし)プロフィール
1967年10月20日生まれ。
福岡県出身。東筑高校、大阪大学工学部を経て、宗教法人幸福の科学に奉職。
広報局長、人事局長、未来ユートピア政治研究会代表、政務本部参謀総長、
HS政経塾・塾長等を歴任。
幸福実現党幹事長・総務会長を経て、現在、政務調査会長。
http://enatsu-masatoshi.com/profile
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◇本メルマガは自由に転送、転載いただいて結構です。
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江夏正敏(幸福実現党・政務調査会長)
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「わかりやすい年金の話(5)犯罪的“賦課方式”と年金崩壊」
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前回のメルマガで「いかにして日本の公的年金が賦課方式に変化してきたか」を検証しました。
今回は「賦課方式で、今後の公的年金を支えることができるか」を考えてみます。
公的年金制度の基礎の部分です。
●賦課方式は「ねずみ講」。
厚生労働省は、「年金は世代間の助け合いの仕組み」と国民に説明していますが、嘘を隠すための美辞麗句です。
現在の公的年金は「現役世代の払った保険料は、その瞬間に高齢者への年金給付として充てられ、煙のように消えていく」という制度になっています。
これを「修正積立方式」と厚労省は称していますが、これこそ「賦課方式」です。
この賦課方式は、「ねずみ講」と同じ構造で、世間では詐欺商法と認定され、民間が行えば捕まります。
「ねずみ講」は、どうして犯罪なのでしょうか。それは、会員がずっと増え続けるという前提で成り立つ仕組みだからです。
会員がずっと増え続けるならば、世界中の70億人が会員になった段階で、破綻します。
(現実には、世界人類全員が会員にならないので、それ以前で破綻しますが)
公的年金制度も、同じように人口が増え続けることが前提なのです。そのようなことは現実的にはあり得ません。
ですから、理論上成り立たないので、それを実行したら犯罪と認定されるのです。
これを国家単位で行っているので、巨大な詐欺システムと言っても良いでしょう。
●政府による消費増税の嘘。
日本は、この賦課方式という元凶に、少子高齢化という最悪の事態が迫っているのです。
この状況で政府は「社会保障を安心にするために、国民の皆様のために消費税を上げます」と説明しているので、
幸福実現党は「国民の善意につけ込んだ嘘は許さない」と意見を申し上げているのです。
(この辺のことは前回のメルマガで指摘しました)
●賦課方式の問題点。
もう少し、賦課方式の危機的状況を見てみましょう。
年金問題の基本的なところなので、ここはご理解していただきたいところです。頑張って読んでください。細かい前提は省きます。
イメージを共有しましょう。高齢者1人を支えるために、現役世代が何人必要かというイメージです。
1950年は現役世代12人で1人の高齢者を支えていました。
1960年は11人で1人。
1970年は10人で1人。
1980年は7.5人で1人。
1994年は5人で1人。
2000年は4人で1人。
2008年は3人で1人。
2023年には2人で1人。
そして、ピークは2072年になり、1.17人で1人。ほぼ1人が1人になります。
その後、ピークを過ぎれば下ると思いがちですが、そうはなりません。
2100年を超えても、1.2人に1人という割合で高原状態が続いていくのです。
●今後100年以上、超高負担社会が続く。
ですから、今後、日本が突入する少子高齢化社会は、現状の制度のままでは戦慄すべき状況が待っているのです。
今の制度のままでは、消費増税など序の口で、「超高負担社会」が続いていきます。
厚生労働省が「安心社会」と言っているのを聞くにつれ、私はそらぞらしい気分になってしまいます。
●消費増税は「焼け石に水」。
マスコミなどは、「社会保障費は年間1兆円の増加ペースで大変だ」と報道していますが、これは税金で賄っている社会保障関係費のことです。
しかし、地方の税金や保険料本体を含めると、年間3~4兆円規模で増加しています。
消費税を5%増税すれば、13.5兆円の増収と言われていますが、増税で賄える期間は3~4年程度です。
ですから消費増税は「焼け石に水」なのです。
●信じられない国民負担率。
さらに、このままの制度で行くと、国民負担率がどの程度になるのでしょうか。
国民負担率とは、「私たちの給料のうち、何%を税や保険料に取られるか」という数字です。
2025年で49.1%
2050年で71.6%
2075年で81.2%
これは、給料の7割、8割が保険料や税金で国に徴収されることを意味します。
ここまで来ると、私なら外国へ逃げ出すでしょう。
●世代間不公平額は1億円!?
その上、社会保障の世代間不公平は拡大しています。
ざっくり言うと、「祖父母の世代はプラス5000万円をもらい、孫の世代はマイナス5000万円で生涯賃金から持ち出しとなり、両者の間に1億円の格差が生じている」のです。
いずれ、若者が社会保障の保険料を払わなくなる事態が来るでしょう。
場合によっては「老人よ、早く死ね」という風潮や、「老人自殺」が蔓延することも考えられます。
●諸外国があきれる日本の社会保障制度。
東南アジアなどの諸外国は、日本の社会保障制度を学びに来るそうですが、
一様に「そもそもなぜ、将来、少子高齢化が急速に進むとわかっていたのに、財政的に維持不可能な制度を作ったのか?」と疑問を呈します。
そして、日本の事例を「反面教師」として学ぶか、「学べることはあまりない」とガッカリして帰るのです。
そのように見られているにもかかわらず、「さらに拡大、さらに充実を」と声高に叫ぶ大きな勢力が日本にはあります。
●年金崩壊は間違いなく来る。
とにかく、現状の制度のままだと、年金崩壊、社会保障の破綻が来ます。
何らかの抜本的改革を急ぐ必要があります。
次回のメルマガからは、その改革案を提示できればと思います。
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2、編集後記
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7月8日に行われた大川隆法党総裁の「繁栄への大戦略」講演で、
「大きな政府は必ず、国民の堕落を招く」という提言がありました。
それは、「国民一人一人の魂修行としては不十分であるから」です。
そして、「大きな政府に頼るのではなく、皆様方一人一人が、人間としての質を上げ、
皆様方の協力する力が、ネットワークが、組織が大きな大きな流れをつくって、
国を高め、この国を平和と繁栄する国にすることができる」のです。
老後を全て国に依存することは危険です。
国民一人一人が自立する国家へと改革することを目指してまいります。
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◆ 江夏正敏(えなつまさとし)プロフィール
1967年10月20日生まれ。
福岡県出身。東筑高校、大阪大学工学部を経て、宗教法人幸福の科学に奉職。
広報局長、人事局長、未来ユートピア政治研究会代表、政務本部参謀総長、
HS政経塾・塾長等を歴任。
幸福実現党幹事長・総務会長を経て、現在、政務調査会長。
http://enatsu-masatoshi.com/profile
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◆ 発行元 ◆
江夏正敏(幸福実現党・政務調査会長)
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