「高子の景観を詠う漢詩を訪ねて」
なんですが、漢詩は難しい!
・・・ので、純粋に歩きを楽しむべく。
土曜日は仕事なので・・・
個人的にシルバーウィークの休日は4日間。
その初日の9月20日。
週末ごとに天気が悪く、山歩きから4週間程遠ざかっていたので鍛え直し!?
福島市のお隣の伊達市保原町高子地区で開かれる「第4回秋のぶどう収穫祭 高子二十境巡り」に初参加♪
受付会場は高子沼。
その駐車場に到着、残り1台分となったスペースになんとか駐車。
静かな高子沼の水面。
この青空と雲を映していますが・・・
振り向けば曇り空。
そんな天気。
受付開始時間の9時まで残り約40分。
ヘラブナ釣りの方々の邪魔にならないように、静かに高子沼をとりあえず1周してウォーミングアップ。
水草が沢山浮いていますが、ヒシ(菱)かもしれないな。
以前、高子沼グリーンランドという遊園地があって・・・
中学生や高校生の頃は、何回か遊びに来ていたもんです。
それがいつの間にか閉園。
その後は心霊スポットみたいな感じになっていたようですが、今はソーラーパネルがズラリ。
15分程で1周完了。
あらら、早くも受付が始まってる!
高子二十境巡りコースマップと小冊子を頂き・・・
6kmコース(緑)と8kmコース(赤)を選べますが、ここは8kmコースで。
「高子二十境」は・・・
江戸時代、この地に住んでいた熊阪覇陵が特に気に入った二十の場所に名を付け、
漢詩(五言絶句)を詠んだことから始まります。
息子の台州、孫の盤谷もこれに唱和。
父子三代で詠んだ漢詩は60題となりました。
台州は覇陵亡き後、父を慕いこの60の漢詩に、
後に偉大な日本画家となる若き谷文晃の挿絵を付けて「永慕編」と題して江戸で出版。
これが現代の私たちに継承されているのです。
待ち時間は秋っぽくなってきた映る空を眺めて。
「高子陂」 覇陵
春陂千萬頃
幾客得魚歸
高子知誰子
空留一釣磯
春陂千萬頃
幾ばくぞ客魚を得て帰る
高子知ぬ誰が子ぞ
空しく一釣磯を留む
広々とした春の高子沼。
釣り人が帰っていく。
どれだけの魚を釣ったのだろうか。
高子と名がついているが誰がつけたかは知らない。
いまはもう、釣る人は一人もいない。
波うちぎわが、静かにたたずんでいる。
・・・漢詩にふれるのは何時以来 (?_?)
空に七色♪
これは幻日ではなく、ハロの一部だと思うんです。
挨拶の後・・・
高子二十境「高子陂(こうしひ)」出発 9:10
主要地方道県道4号福島保原線に長々と続く参加者の大行列。
車道を横断するべく押しボタン信号機にて、行列が分断されてちょうど良い。
これで周りに気兼ねすることなく写真が撮れます。
ここから坂道。
葡萄棚を眺めながら。
これから向かう丘稜を草地の向こうに眺めながら。
半田山と雲を被った南蔵王の南屏風岳と不忘山。
後ほど向かう高子ヵ岡舘跡など、背後に広がる景色を惜しみつつ坂道を上り切れば・・・
高子二十境「走馬嶺(そうまれい)」 9:30
「走馬嶺」 盤谷
南登走馬嶺
北望王孫路
王孫猶未歸
惆悵攀桂樹
南のかた走馬嶺に登り
北に王孫の路を望む
王孫猶をいまだ歸らず
惆悵として桂樹を攀ず
南の走馬嶺に登る。
北の方の王孫が歩く道を望むように眺めた。
帰りを待ち続けている王孫は、まだ、帰ってはこない。
月の世界に生える桂の樹を採るくらいに難しいのはわかっているが、
悲しみ恨んで、その帰りを待っている。
・・・いやはや (~_~;)
走馬嶺からすぐに愚公谷開拓完成記念の石碑と水神様の石祠がある・・・
高子二十境「愚公谷(ぐこうこく・ぐこうや)」 9:33
「愚公谷」 台州
獨往愚公谷
已無適俗韻
逢人便回避
恐到齋桓間
獨往す愚公谷
已に俗に適うの韻べ無く
人に逢うては便ち回避す
恐らくは斉桓の問いに到らさんことを
独り、愚公谷に行く。
私は、俗世間に適う性格ではない。
もう、おもねる必要はない。
途中で人に逢えばすぐに避けてしまう。
逢った人は、斉の桓公の問いのように
「おい、鬼神を見なかったかと」言われるかもしれない。
・・・以下省略 (^^ゞ
農道というか山道というか・・・下って、いったん車道に出たらここがコースの分かれ道。
6kmコースは高子団地へ、8kmコースは次の「返照原」へ。
通ってきた葡萄畑と草地が遠くなりました。
保安林内の送電線巡視路は・・・
緩やかなアップダウンがある歩きやすい山道。
例外なくいろんなキノコがわらわら、限がないのでこの1本だけ。
分岐から・・・
高子二十境「返照原(へんしょうげん)」 9:57
付近に咲いていたこの花は?
分岐に戻り・・・
146.1mピーク 10:10
三等三角点「内山」
保原の町並み。
ホツツジ。
三角点峰を過ぎると短いもののやや急な下り。
ぬかるんでいれば滑りやすそうな場所にはトラロープが設置。
柿畑から東側を眺めれば、霊山とか御幸山とか・・・天井山の鉄塔も。
だいぶ遅れてしまいましたが、追い付きました。
高子二十境「玉兎巖(ぎょくとがん)」 10:20
オケラ(朮)
鳥居と石祠の後ろ側から下ってきました。
崖に架けられた鉄階段を下り・・・
受円寺付近に咲いていたヒガンバナ。
コスモスはまだ咲き始めたばかり。
阿武隈急行の・・・
上保原駅 10:30
タイミング良く♪
続きます。