Dancing on the B-Road

サッカー中心だけどスポーツ全般。クルマやバイクも。好奇心の向くがままにツレヅレに、を目標にしております。

NSX復活。

2015-01-16 17:27:33 | クルマ生活版日々雑記
長期間欠けていた,「旗艦」が戻ってきた。


 けれど,心中複雑な部分がないか,と問われれば,やはり心中複雑なものがあるのは確かです。
 何で,日本が開発の主導権を取れなかったのか,と。
 その反面で,(ホンダに限らず,ですけれど)海外に拠点を置くメーカの現地法人は「アンテナ感度」が高い,と感じるのも確かです。モータースポーツにせよ,市販車の開発にせよ,本社が見落としているような部分でもしっかりと見ているし,カタチにする能力も相当に高い。今回のモデルに関しては,北米あってこそ,のカタチであるように感じます。





 こちらの記事をもとに,デトロイト・ショーで発表された“アキュラNSX”について書いていこう,と思います。


 今回はまず,数字の話からはじめよう,と思います。


 4430mm×1810mm×1170(1160)mmに対して,4470mm×1940mm×1215mm。1989年に発表されたNSXとのディメンションを比較してみたわけですが,意外な部分と,なるほどな部分があるように思います。まずは意外な部分であります。1989年に発表されたモデルと比較して,それほど新型は全長が長くはなっていないこと,です。むしろ,視覚的には短くしているのではないか,と感じさせるものがあるように思います。それだけ,フェンダー・フレアなどに代表される各デザイン要素が「力感(あるいは量感)」を意識させるものへと変化した,ということではないか,と思います。と同時に,なるほど,と思わせるのが全幅の拡大,であります。前後方向の車軸間距離と左右方向の距離,この比率がスポーツカーの運動性能,その鍵となる要素なのだそうですが,恐らく今回のNSXは直進安定性に軸足を置くディメンション,というよりも,コーナリング性能により強く意識を振り向けたディメンションを採用してきているのではないか,と見ています。


 そして,運動性能という側面でメカニカルな部分を見てみると,前輪の駆動方式とバッテリ搭載位置がもうひとつの大きな鍵となるのかな,と感じます。


 この記事をまとめたエディターさんによると,今回のNSX,そのフロントには左右の前輪を駆動するために独立したモータ(加えて,駆動力と制動力を独立して制御する,トルク・ベクタリング機構)が搭載されているのだとか。ホンダとしては,環境性能面「だけ」に意識を振り向けたハイブリッド・システムを搭載した,というよりも,モータの特性をどのようにスポーツ・ドライビングへと結びつけるか,という視点からハイブリッド・システムを「調律」して,NSXへと持ち込んだようです。もともと,物理的な特性面で見ればミッドシップ・レイアウトは優位性を持つ,とされますが,反面で必ずしもドライヴァのミスに対して寛容とは言いかねるディメンションでもあるか,と思います。しっかりと減速させて,「踏んで曲がる」前提を作ることができるならば,ミッドシップの持っている重量配分が駆動力へとしっかりつながってくれますが,高い速度で飛び込んでしまって踏める余地が小さくなってしまうと,スピンを喫する可能性が高くなる,と聞き及んでいます。重心位置が低ければ,その場でクルッと回ってくれるそうですが,重心位置が高くなっていると,重量物があるのは後ろ,ですから,その重量物が振り子のようになって,リア・セクションから外に膨らんでしまうことになるのだとか。
 そんな事態に陥ることを,今回のNSXはフロントの駆動形式と,ハイブリッド・システムを構成する重要な要素であるバッテリ,その搭載位置によって最大限回避しよう,としているのではないかな,と思うわけです。


 最後に。北米での販売開始時期は夏頃だとか。なかなかにインパクトのあるプライス・タグを掲げるモデルでありますが,ぜひとも日本市場,そして欧州でもその存在感を存分に示せるような体制を整えていただきたい,と思うところです。

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