Dancing on the B-Road

サッカー中心だけどスポーツ全般。クルマやバイクも。好奇心の向くがままにツレヅレに、を目標にしております。

SI-DRIVEのことなど。

2006-05-30 19:03:31 | クルマ生活版日々雑記
出力特性を,手もとでコントロールする。


 単純に,性能を最大限に引き出すというだけでなく,安全に性能を使えるようにする,あるいは取り立てて意識せずとも燃費に優しい運転ができるということを考えると,こういうシステムはまさに,「目からウロコ」であります。


 ということで,今回は富士重さんがレガシイに投入した新機構,“スバル・インテリジェント・ドライブシステム(SI-DRIVE)”のことについて書いていこうかな,と思います。


 考えてみれば,エンジン特性を積極的に変化させることなど造作もなかったわけです。そもそも,ヒューエル・デリバリーが電子制御されている時点で,エンジンの吹け上がり方などの「味」に関する部分がコンピュータに委ねられたとも考えられるのですから。


 ここでちょっと考えておきたいことが。


 特性を変化させるとなると,性能を最大限に引き出す方向「だけに」頭が向いてしまって,エンジン特性を穏やかな方向性へと変化させるという方向にはなかなかいかないものであります。特に,クルマ好きやクルマの設計・開発に携わるひとは性能を引き出す方向だけに意識が向きがちでもあります。


 でも,よく考えてみればクルマ好きのひとばかりがハイ・パフォーマンスなクルマに乗るわけではありません。オトーサンが買ったはいいけれど,普段そのクルマに乗る奥さまがストレスを感じながら乗るというのも不幸な話だし,免許取り立ての息子さん,あるいは娘さんが乗り出すとパワーにビックリしてしまうかも知れません。そんなときに,穏やかな特性へと変化させる仕掛けがあれば,確かに便利でしょう。
 その意味で,マイナー・チェンジを果たしたレガシイを紹介しているこちらの記事(DrivingFuturre),そこで見た


例えば運転に不慣れな奥さんや子供がドライブする時に、SI-DRIVEをインテリジェントモードに切り替えるといった使い分けが可能になる。そうすると、エンジンパワーの余剰分を抑えた走りが可能になるため、「クルマが速すぎる」といった感覚を回避できるというわけだ。


というエディターさんの説明にはハッとさせられたわけです。


 正直言えば,最初はエンジン特性を変化させる,という部分を表面的に見るとあまり意味があるようには思えなかったのです。ですが,エディターさんの解説を読んだ後によく考えてみると,運転するひとに優しく,結果的に環境にも優しいシステムだと気が付いた。案外,これからのクルマには装備されそうなアイディアかなと思ったりします。

日立台のことなど。

2006-05-28 15:33:13 | サッカー版雑記
典型的な,シューボックス。


 と言っても,クレイヴン・コテッジのような屋根が架かっている部分は少ないし,アップトン・パークのような防風板も見当たらないですけどね。プレミアシップを戦うクラブ,というよりも,2部リーグや3部リーグを戦うクラブの本拠地はこんな感じだな,と思わせる競技場です。


 もちろん,私としては柏というクラブを追いかけているわけではありませんし,それほど身近な競技場ではありませんが,個人的には好きなタイプの競技場です。今回はサッカーの話,ではありますが,器の話を書いていこうと思います。


 ラグビー・フットボールでの使用を前提としていないピッチサイズだからでしょう,すべてが必要以上にコンパクトな感じがします。当然,リーグ戦では必要な看板掲出スペースもギリギリならば,ボール・パーソンが動き回るスペースもギリギリのものしかありません。
 また,ピッチから各スタンドまでの距離がいまの設計ではあり得ないほどに近い。風向きがちょっと変わると,天然芝の香りが直接顔に当たるような感じは,西が丘や大宮公園など,ちょっと昔の設計の球技場にやはり多かったな,という感じですね。


 また,ちょっとした懐かしさを感じるのがスタンドの形状でしょうか。


 ゴール裏は“スタンド”というよりも“テラス”と言う方が相応しい風情を持っているし,スクエアなスタンド配置が数字以上のコンパクトさと,臨場感を感じさせてくれます。


 確かに機能面だけを言えば,最新鋭の競技場に劣る部分もあるのかも知れません。ですが,この球技場が持っている雰囲気は何物にも代えがたいものがあるように感じます。柏の葉という総合型競技場があるだけに,なかなか大規模な改装というのは難しいのでしょう。ただ,柏の葉はいろいろな条件を詰め込むだけ詰め込んだうえで,できるだけコストを抑えた結果として導き出された「最大公約数的な」競技場,という感じがするし,何よりフットボールを身近に感じられるような雰囲気ではないのも確かです。
 できることならば,いまの雰囲気を残したままに観客収容数を増やす方向を考えてもらいたいな,と思う場所です。

ベルマーレから考える「百年構想」。

2006-05-25 21:23:39 | サッカー版雑記
親会社が揺らぐと,クラブが大きく揺らぐ。


 フリューゲルスが消滅したときも,親会社の存在を否応なく意識しましたが,今回の事態を見てもやはり,Jはまだまだ親会社の存在が大きくて,なかなか「広く薄い」サポート体制にはなりきれていない,ということを感じます。


 サッカーという競技が認知されてきている,というのは確かでしょう。
 でも,なかなかサッカーという競技を「支える」基盤にはつながっていかない。プロモーション効果が低い,と評価されているのかも知れませんが,なかなかスポンサーを獲得できないケースがあるし,そうなるとどうしても親会社からの支援が重要な要素になってしまう。


 ピッチを中心としながらテニス,ベースボールなどあらゆる競技へと広がっていく。地域に根ざした総合型スポーツクラブが作られることで,決して学校では教えてくれないこと,そして縦と横のつながりを作れる機会を地域社会に対して提供していく。そんなJリーグが掲げる「理念」は魅力的なのだけれど,その理念を現実へと近付ける,その段階で厳しい壁が見えている,という感じでしょうか。


 フットボール・クラブ,彼らが本拠を置く地域自治体とその地域に住んでいるひとたち。この三者のバランスがちょっと崩れただけで,恐らく「百年構想」は実現から程遠くなってしまうと思われるからです。
 たとえば,すべてをフットボール・クラブという民間企業に依存することはできないはずです。総合型スポーツクラブを目指すとして,土地取得にはじまり,スポンサー企業との交渉や地元自治体との折衝など,あらゆる壁が待ち受けていることは明らかだからです。
 反対に,すべてを地域自治体に頼るというのもあり方として間違っているでしょう。上手に地域に住んでいるひとたちの協力を取り付け,理解をもらいながら,自治体とクラブが良好な関係を保ちつつ「ステップ・バイ・ステップ」で進めていく。そんなものだろうと思っています。


 しかし,そんな理想が試されるような事態が進んでいるようです。
 まずは,こちらのサイトを訪れてみてください。何を感じられるでしょうか。


 ベルマーレは,その出身母体とも言うべきフジタ,その経営危機の余波を真正面からかぶった形だと思います。彼らが練習拠点として使用してきた大神グラウンドがもともとフジタが所有するグラウンドであったことから,経営健全化のために売却されることとなり,「タイムリミット」が設定された状態でベルマーレが使うことになってしまった。


 縁があって平塚市をホーム・タウンとするクラブが,窮地に立っている。そのときに,平塚市がクラブに対してできることは意外にある,と思うのです。


 恐らく,ひとそれぞれに思うところは異なるでしょう。たとえば,営利社団法人に対して,地方公共団体が何らかの支援をする必要性があるのか,と思われるかも知れません。


 知れませんが,Jクラブは地域に対して「閉じている」存在ではない,と思っています。自己完結性を持った組織,というよりは,地域とのかかわりの中で活動する営利社団法人である,と思っています。もちろん,利益を追求する必要はあるけれど,その利益を中に,というよりは,地域に対して還元していく,そんな組織ではないか,と。


 みんなが集うことのできるスポーツ・クラブがある将来,というものを思い浮かべながら,どういう方向性が良い落とし所なのか,それぞれに考えてみてほしいと思うのです。

インテグラ、生産終了へ。

2006-05-24 22:05:54 | クルマ生活版日々雑記
朝から正直,ビックリしました。


 読売新聞の朝刊を読んでいると,こんな記事が目にいきなり飛び込んできたのですから。とは言え,記者さんが指摘しているように,セリカもディスコンになるご時世ですから,「時間の問題」だったのかも知れませんね。

 ということで,今回はインテグラの話を書いてみよう,と思います。


 確か,“VTEC”を最初に投入したモデルがインテグラだった,と思います。
 いまでこそ,各メイクスが当然のように組み込んでいる「可変バルブ・タイミング」機構でありますが,そのご先祖さまはインテグラに搭載されたエンジンであります。当時としては常識を超える(ある意味,バイク並みの)最高回転数を実現しているエンジンですから,投入当初はシャシーの安定性を最優先課題にしたのでしょう。スポーツ性を徹底してアピールするのであれば,最初からシビックに投入するところだと思いますしね。


 メカ・フリークの私としては当然,興味をひかれたわけですが,同時にカムカバー形状があまりにスマートになってしまったことにちょっとだけもったいなさを感じていたように記憶しています。それまでのホンダDOHCはフォーミュラ1のターボ・エンジンのカムカバーを直接イメージさせるような形状をしていましたし,その塗色も単純なブラックではなく,なかなか魅力的なものだったからです。


 その後,やはりインパクトを受けたのは“タイプR”でしょうか。


 「エンジンを買う」という表現が相応しいかのようなクルマだったように記憶していますし,いまのクルマでは主流となっている「リラックス」というキーワードからは最も離れた位置にある,常にファイティング・ポーズをとることを要求するような「硬派」なクルマだな,と感じておりました。これはこれで,確かに魅力的なクルマではありました。


 ただ,あまりに先鋭化してしまったために「タイプR」以外の印象があまりにも薄くなってしまったことも指摘すべきかな,と思います。ミドルウェイト,というよりもちょっと小さな,手頃なクーペが「武闘派」のイメージだけで固定されてしまった,という側面もあるな,と思うわけです。
 また,ホンダさん自体のラインアップが全体的に上方移行してしまっているし,もともとインテグラが守っていたポジションがほかの車種で十分にカバーされてしまう。そして,北米市場では“セクレタリー・カー”と表現される,手頃なサイズの「クーペ」市場がシュリンクしてしまっているということも今回の決定に影響してしまったのかなと。


 ホンダさんのいまのイメージは,どちらかと言えば「ミニバンを上手に仕立ててくるメーカ」というものでしょうか。パフォーマンスを前面に押し出した商品構成というよりも,パッケージングを商品性の中核に据えていると言うべきでしょう。マーケットの動向を見ればミニバンが主流になるのは仕方ないことですし,あまりに収益性の低い車種の生産ラインを残しておく必然性が薄いことも確かです。
 とは言え,ホンダさんがいままでレーシング・フィールドで培ってきた技術を端的に表現できるのは,スポーティなモデルだろうとも感じています。いつか,革新的な技術を引っさげてスポーティなモデルがかえってくることを期待したいものです。

松田監督解任に思うこと。

2006-05-23 19:46:58 | サッカー版雑記
始まりがあれば,終わりもある。


 ただ,しあわせな終わり方だけがあるとは限らない。むしろ,しあわせな終わり方を経験できるケースはめったにない。そんな世界かな,と思います。


 継続的にチームを率いることができれば,チームは安定する,かも知れません。けれど,継続的にチームを率いるための前提には,やはり「結果」という要素が求められます。その結果が出ていない(勝ち点3を積み上げられていない),となると,プロフェッショナルである以上,解任はあり得ることです。


 ゴルフ・クラブの本数になぞらえて,自ら率いてきたフットボール・クラブの数(それはつまり,辞任であったり解任であったりを経験してきた回数に等しいわけですが)を説明していた監督もいるくらいですから。
 ただ,問題になるのは「クラブ・サイドがどういうビジョンを描いているのか」ということかな,と思います。


 タイトルからお分かりかとは思いますが,福岡が松田監督解任、後任は未定(日刊スポーツ)という記事をもとに書いていこうかと思います。


 松田監督は今季で4シーズン目とのことですが,アウトサイダーの目線ではチーム構築に関して決定的な破綻を生じているようには思えませんでした。ディビジョン1復帰直後のシーズンですし,攻撃面よりも守備組織面の整備を比較的強く意識していたような感じがしていたわけです。12節を終了して,2点以上の失点を喫したのは3ゲーム,そのうち1回だけが4失点という状況ですから,勝てないのではなく「勝ちきれない」ような部分があるのかな,と。そういう部分で「風を吹かせないと」ということを考えたのかも知れません。


 しかしですね。


 高い守備意識は攻撃を支える重要な要素です。勝手な想像ですが,松田監督はディビジョン1で戦うための基盤整備にリーグ戦序盤を費やした,という見方もできるのではないでしょうか。確かに勝ち点を拾えていないことは消極評価の要因となりますが,決定的な要因かといえば疑問が残ります。


 恐らく,監督交代によってチームは若干の停滞を強いられる,と思います。


 後任の監督が,松田監督と同じ戦い方を狙う,とは思いにくい。基盤を引き継ぐ,という言葉があるとしても,です。新たな戦い方が浸透するまで,それなりの時間が必要だと思うわけです。この強烈な「カンフル剤」でショックを起こすのか,それともジャンプアップを果たすのか。クラブ・サイドの迅速な行動と決断が求められる話かな,と思います。

ポルシェ、総合優勝(ALMS第3戦)。

2006-05-22 20:04:04 | レーシング版雑記
技術規則を,徹底的に読み込むこと。


 「勝てる」マシンを作るための基礎,であります。
 ありますが,読み込んだ結果の結論を,そのままマシン製作に反映できるか,となると話が別になってきます。理論的には正解であっても,政策的に違う結論に基づくマシン製作が必要になる,その可能性もあるからです。


 この「政策的な部分」も含めて,ポルシェは結論の導き方が巧みである,という印象です。


 今回は,ALMSに参戦しているポルシェについて書いていこう,と思います。


 ポルシェが,ALMSに参戦する。しかも,LMP1クラスではなくLMP2クラスに参戦する。カスタマーへのマシン供給を視野に入れての判断,とのことでしたが,この決断の基礎には,LMP2であってもLMP1に相当するポテンシャルを落とし込むことができる,という読みがあったのではないか,と見ています。
 また,レース・オペレーション経験が豊富なペンスキー・レーシングをパートナーに指名しているという部分からも,ポルシェの本気度は十分に感じられました。LMP2クラスでの優勝も時間の問題だろう。そんな感じで見ていました。


 ただ,2006シーズンは初戦・セブリング12時間耐久でクラス2位,第2戦のヒューストンではクラス3位に入っているものの,そのポテンシャルを100%引き出せているような感じはありませんでした。また,総合順位を考えるとポルシェのプライドが許すような位置ではないことも,ちょっと気になりはじめていたわけです。


 しかし,第3戦のミド・オハイオにおいて,いよいよ本領を発揮してきたようであります。ALMSのオフィシャル・サイトにアップされたニュース(英語)を斜め読みしますと,LMP2クラスでの優勝を飾ったばかりか,LMP1クラスを従えての総合優勝を1,2フィニッシュというこれ以上ない形で成し遂げたのであります。


 LMP1クラスでのトップ・コンテンダーであるアウディは,第1戦ですさまじいインパクトを残したR10を恐らくはル・マン24時間耐久に向けて熟成しているのか,ヒューストンにはいままでの成功作であるR8を持ち込んできていました。
 ただ,R8はさすがに第一線の戦闘力を維持しているとは言いがたかったようです。ドライヴァのアラン・マクニッシュ選手は,金曜日と土曜日のセッションからポルシェに対抗するのはかなり難しいだろうことと,実際にマシン・バランスがあまり良くなく,LMP1クラスでの優位を保つという意識に傾かざるを得なかったことをインタビューに答えてコメントしています。実際,ブッチ・ライツィンガー選手が駆るローラが背後に迫っていたようで,なかなか厄介なレースをしていたような感じです。


 それ以上に,ポルシェの開発がいよいよ軌道に乗ったという感じでしょうか。ラップタイムを見ても,ポルシェ勢だけがかなり良いタイムを出していたようでありますから,そのタイムをコンスタントに出し続けることができていたということではないでしょうか。
 ル・マン本戦に向けて,新たな役者が現われたな(というか,もうひとりの真打が遅れてやって来たな)という感じであります。

阪神の交流戦用ジャージ。

2006-05-19 20:40:20 | スポーツ版雑記
ちょっと考えてみますに。


 アメリカでは“クラシック”がキーワードだと思うのです。


 ボールパークも汎用性を第一義に考えたドーム球場(ですので,人工芝であります。)から,ルーフを備えるとしても可動式,基本的にはルーフが解放された状態で,天然芝をしっかりと敷き詰めた球場へとシフトしています。クラシックな感じのする外観でもありますね。コンクリートではなくて,レンガ調の仕立て方だったりして。ユニフォームの着こなしに関しても,ソックスを外側に出したクラシック・スタイルが(まだまだ少数派であるにせよ)復権の兆しを見せています。


 その流れを日本でも最近では見られるようになったような。


 いまは,交流戦が行われているわけですが,阪神の「交流戦スペシャル」,私はかなり気に入っております。確か昨季も同様の企画があったように記憶しておりますが,なかなか評判が良かったのだとか。となれば,今季も同様に,ということでこのようなニュース・リリース(阪神オフィシャル)が出され,実際に交流戦で使用されているわけであります。


 このリリースにもあるように,今回復刻されたユニフォームは岡田監督が入団した当時に阪神が使っていたデザインを忠実に再現しているモノであります。私の記憶が確かならば,当時のブルー・ユニフォームはプルオーバー・スタイルだったかと思いますが,今回復刻されたのは通常のスタイルに変更を受けているようですね。


 それにしても,最近のプロフェッショナルではあまり使っていない淡いブルーのユニフォーム,あらためて見ると新鮮な感じがします。


 阪神は長い歴史を誇ることのできる,数少ないチームのひとつです。その歴史に対する敬意という面からも,そしてファン・サービスという面からもすごく良い企画であるように思います。
 そうなってくると,今度は千葉ロッテのようなサード・ジャージも期待してしまいますね。

S&RT、正規導入へ。

2006-05-19 17:02:55 | クルマ生活版日々雑記
“オートカー”誌を読まれているひとですと,特段の驚きがあるわけではないのかなとも思います。


 不思議なことに,埼玉県北部は“エンスー”色の強いショップが多いのですが,新車ディーラもその例外ではありません。もともとはクライスラーの正規ディーラであったこちらの販売店は,いわゆる“メーカーチューンド・モデル”を専門に扱うディーラへといつの間にか変わっていたわけです。そこの広告,後ろの方に載っておりますですな。ですから,クライスラー・ジャパンがアンテナ・ショップ的な位置付けで富士クライスラーさんに話を持ち込んだのかな,と思っていたわけです。


 ですが。今回のDrivingFutureさんの記事を読むと,「正規導入」という言葉が目につきます。


 もともとアメリカ車自体が日本市場では少数派になっていますし,そのメーカー・チューンド・モデルともなればさらなる少数派であります。となれば,日本市場に持ち込めるロット数は多く見込めない。その対策として,導入初期にはパラレル扱いにしたのかな?とも思います。


 パラレルかどうかは別として(と言いますか,魅力的なモデルが導入されれば,パラレルも何もないでしょうに,というホンネもあります。),S&RTディビジョンはなかなか魅力的なクルマをそろえています。アメリカ本国では警察車両としても使用されているダッジ・マグナム,一時は日本市場に導入されていたクライスラー・ネオン,あるいはメルセデスとのコラボレーションから生まれたクロスファイアなどをベースに高性能なクルマを仕立てている。言ってみればAMGやアルピナのような位置付けのディビジョンであります。
 今回,正規導入されるというのは300Cをベースにした高性能モデル,SRT8であります。これ,以前にここで紹介したことがあるのであまり深くは書きませんが,なかなか魅力的なヨーロッパ車に対するオルタナティブかなと思います。


 ただでさえ少数派に属しているアメリカ車,しかもそのアメリカ車にあってさらに主流派とは言いかねるクライスラーのスペシャル・モデルですから,一般受けするかどうかは難しいところです。
 ですが,こういうクルマもフツーに売られることで,日本の道が華やかになるのかな,と思ったりします。せっかくですから,正規導入が見送られているダッジ・ディビジョンのクルマも入れてくれれば良いのに,とアメ車フリークとしては感じています。

ホントのサプライズ。

2006-05-17 18:05:09 | サッカー版雑記
もうちょっとだけ,代表選手関連で引っ張ってみます。


 「サプライズ」。


 岡田武史さんのメンバー発表以来,「メンバーに選ばれて当然のひとが選ばれないこと」だったり,「誰がどう見ても当落線上にはいなさそうなひとが入ること」をそう呼んでいるように,メディアの動きを見ていると感じます。
 ですが,岡田武史さんが代表を率いていた時もそうでしたし,グレン・ホドル時代,あるいはスヴェン・ゴラン・エリクソンが現在率いているイングランド代表チームなどの中を見れば,ホントのサプライズが見えてくるように私には感じられるのです。


 恐らく即座にご理解いただけたのではないでしょうか。


 「キャップ」とか実績,過去の代表チームへの貢献度ではなく,将来の代表チームの主軸になりうる可能性を秘めた選手をノミネートしていたのが,これらのチームです。
 フランス・ワールドカップ決勝トーナメント(セカンド・ラウンド)1回戦。アルゼンチンを相手に衝撃的なプレーを見せたマイケル・オーウェン選手のように,実際に活躍してくれればサイコーですが,それだけではない波及効果も考えられます。“同世代へのインパクト”です。日本だとジュニア・ユース,ユース,そしてオリンピック代表と階段を着実にのぼっていくことでフル代表へと歩を進めるというイメージが強いような気がしますが,実際にはそんなことはない。リーグ戦でインパクトのあるプレーを続け,代表チームに対しても刺激を与えられるような存在ならば,選ばれる可能性があると思うのです。また,選ばれなければならないとも。


 そのためのスカウティングであるべきなのです。


 いまの日本代表に関して言えば,代表の将来にインパクトを与えることのできる選手を積極的にスカウティングの中から見いだしていく,という感じではなかった気がします。むしろ,自分がこれ,と感じた選手のコンディションを確認するためだけにスカウティングを利用していたように思う。“ファミリー”であることを重視するということをどこかで聞いたこともありますし,そういう立ち位置で代表チームを作り上げようとしていたのだと思います。そういう観点から見れば,代表チーム構築に関するロジックは確かに首尾一貫していたとも感じます。それゆえ,「サプライズ」が起こりにくかったのだろうと思うわけです。


 ・・・岡田さんの頃のようなサプライズは今回起きなかったわけですけど。


 当時の小野選手のように「規格外」な選手がでてくると,気の早い話ですが次期監督は“サプライズ”を用意するかもな,と海外のメンバー選出を見ていて思ったりします。

スコッド決定に寄せて。

2006-05-15 21:39:50 | サッカー版雑記
いよいよ決まりました。


 総じて,サプライズは「ない」と言ってしまっていい,と思います。


 だからと言って,今回選ばれなかった選手が,代表選手として選ばれるためには何かが足らない,などということは決してないと思っています。あくまでも,監督が狙うサッカー,そのサッカーを描き出すために最適だ,と思う選手たちが選ばれただけのことで,この狙うサッカーは監督が替わればいかようにも変わるもの(必要とされる選手も,当然に変わるもの)だと思うからです。


 それはともかくも。チームにフレッシュな戦力をプラスすることで刺激を与えることよりも,現実主義的にトーナメントを戦い抜くべく「パッケージ」の安定感を選択したからだと思っているからです。であれば,事前に予想されていたよりも,バランス感覚に基づいた人選,という評価でもいい,と思います。


 ただ,やはり触れておかねばならないのは,いろいろと賑やかであったFWの人選でしょうか。


 ちょっと遠回りになりますが。


 チームというのは,100%理性で構築できるものではない,と感じる部分があります。こういう言い方はまずいかも知れませんが,組み合わせ方によって1+1が限りなく4に近付いたり,逆に2を大きく下回ってしまう「生き物」のような感じがするのです。
 そういう部分から考えると,テクニックやスキルだけでなく「ハート」を強く感じることのできる選手は間違いなくチームにいい影響を与えると思うのです。ボックス付近で決定的な仕事のできるFWも必要ならば,縦に鋭く切り込んでいけるスピードとテクニックを持ったFWももちろん必要でしょう。ただ,これらのタレントを持ってしても埋めきれない部分を埋めるのは,アグレッシブさを前面に押し出した,ボールをどこまでも追いかけていくフットボーラーだろうと思います。
 攻撃をいい形で終わることができなければ,最悪のケースではゲームの主導権を相手に渡してしまうことになります。そんな,ともすればよどんでしまった流れを引き戻すのは,「ハート」を押し出したプレーだろうと。そんなプレーをしていた選手が必要不可欠なタレントであることは,ドーハの頃を思い出せば何となく納得できるはずです。


 ・・・ともかく。これでユニットができあがったことになります。


 戦術的なイメージを選ばれた選手すべてが共有できるだけの時間は残っているはずです。確認すべきポイントをおさえていくだけのことで,持てるポテンシャルはより引き出しやすくなるはずです。コーチング・スタッフを含めて,イロイロな話し合いが(怒号が含まれていようとも)されることでまとまっていってほしい。そう感じます。