Dancing on the B-Road

サッカー中心だけどスポーツ全般。クルマやバイクも。好奇心の向くがままにツレヅレに、を目標にしております。

いすゞ株も売却。

2006-03-31 21:35:18 | 日々雑記
GMの株主さんの圧力も相当なものなのだろう,と想像します。


 たとえばダイムラー・クライスラーの株主総会で,シュレンプ会長が三菱自工の不祥事に関して株主から突き上げられたように。


 「不振を極める北米市場での立て直しを最優先に掲げよ」。
 「本体が弱体化しているのに,国際的な経営戦略を維持している場合か」。


 差詰め,こんな主張が多数派を形成しているのでしょう。それほどのキャッシュ・フローを生み出さない部分までを売却しています,私どもは北米に集中する所存です,というアピールをすることで株主さんの理解を得ようということかな,と感じるわけです。


 ということで,今回はこちらの記事(asahi.com)をもとに書いていこうと思います。


 思えば,いすゞとGMの関係はかなり長いですよね。


 まだ乗用車生産をしていた頃は,GMの世界戦略車種を作っていたように記憶しています。オペル・カデットとジェミニが同じだったりとか。いすゞのクルマがどこか欧州風味に感じたのは,北米のGM本体というよりも欧州GM(要するにオペルですね。)の影響が比較的強かったからかな,と思っています。


 最近では,欧州市場でしっかりとした市民権を得ているディーゼル・エンジンに関してさまざまなノウハウを持っていることで,GMグループが欧州市場でプレゼンスを確保するための後方支援部門を担当しているのかな,と思っていたのですが,今回の決定によってオペルも少なからず影響を受けることになるのではないでしょうか。


 ただ,視点を変えると違った見方もできるように思います。


 つまり,環境面からの要請でディーゼル再導入が「政策誘導」される可能性に備え,国内メイクスがディーゼル開発体制を再び整えようとしているならば,いすゞの存在は魅力的なディーゼル特化型COEに見えると思うのです。いすゞは乗用車生産から撤退してしまっていますから,商品面での直接的な協働効果は生み出しにくいでしょうけれど,研究開発領域などで大きな協働効果が見込める会社ではないか,と思うのです。


 欧州でのプレゼンスを一気に高めたい国内メイクスにとっては,ちょっとしたチャンスとして今回の売却話を見ているかも知れないなと思っています。ともすれば,新たな業界再編のきっかけを提供する話かも知れません。

品質と業界再編。

2006-03-31 12:23:18 | 日々雑記
あくまでも,個人的な感想ですが。


 「精妙さ」を感じたのは,基本的に初代のモデルだけですね。


 かの“LS”にせよエスティマにせよ,マーケティング面で可能性を感じた途端にクオリティが微妙に下がるというのが今までのパターンだったではないですか。それなのに,大所高所から「再編のキーワードは『品質』ではないか」と言われたところであまり感心できる話ではないです。


 ちょっと皮肉めいた話から入ってしまいましたが,先ほどのエントリとちょっと関わるようなこちらの記事(asahi.com)をもとにして書いていくことにします。


 どんな工業製品であっても,製造コストからは逃れられるものではありません。
 構成部品数がとても多いクルマにあっては,部品単価を下げるというのは価格面で大きな武器になりますから,一気にクオリティを引き上げるわけにはいかないかな?とは思うのです。


 しかし,視線を欧州に向けると,随分前から「品質向上」は商品力強化と直結していたように思います。その流れを決定付けたのが,フォルクスワーゲン・アウディグループだろうと私は思っています。いわゆる“パサート・ショック”と言われるものによって,Dセグメントにおける品質基準はジャンプアップしたと言って良いと思います。また,シングルフレーム・グリルを採用する以前,非常にクリーンな“バウハウス・テイスト”なデザインを採用していた頃のA6やA2などは高い品質感を誇っていました。その流れが各社に大きな影響を与え,Dセグメントだけでなくその上位セグメント,あるいはCセグメントやBセグメントなどに波及し,全体として品質感は一気に向上したわけです。その流れからは取り残された感が確かにあります。


 ですが,このきっかけをよく考えてみれば震源地は日本のはずです。


 初代レクサスLS400(セルシオ)です。高級車市場に割って入るために,本気になって開発をしてきたからか,強烈なインパクトを欧州メイクスに与えたことはよく知られています。メルセデスを迷わせたほどに。
 恐らくトヨタさんもどこかで自覚しておられるかも知れませんが,「攻め」の姿勢を取っているときと「守り」に入っているときとで明らかに品質感に差があるように思います。10系セルシオもトヨタ車的な文法(どこか操作系が煩雑)で仕立てられてはいましたが,気合いのようなものを感じもしました。しかし,20系ではある種の「歩留まり」が目につくように思います。その歩留まりをぶちこわすことができるならば,クオリティは引き上げられるはずです。


 また,見逃してはならないのが「見た目品質」です。


 スイッチのタッチなど“実際に感じられる”ものではないけれど,視覚からも品質感は受け取れます。そういう部分で,カーナビやテレマティクスなどいろいろな機能を詰め込もうとしている煩雑さは高級さ,あるいは高品質感という言葉とは対極に位置するように感じます。メルセデスやBMWがジョグ・ダイヤルを使い出したのは決して偶然ではないと思います。
 煩雑になった機能を整理統合するためには,統合制御技術の導入が最もわかりやすいでしょう。クルマにサーバを搭載するようなアイディアを積極的に投入すべき時期かも知れません。ちょっと前,トヨタとある大学が車載用OSの開発をはじめたとかいう話を耳にしましたが,恐らく統合制御を念頭に置いた動きでしょう。


 こう考えていくと,今後の業界再編にかかるキーワードは,ひとつには煩雑さを増す操作系をシンプルにするための「技術的な蓄積」になるのだろうと思います。また純然たるエンジニアリング面で言えばいすゞにせよ,スズキにせよ得意分野を持っていますし,その得意分野が決定的に欠けているメイクスもあります。これらの部分でまた動き出すものがあるのではないか,と私は見ています。

協働効果。

2006-03-29 21:28:19 | 日々雑記
数字が重要な指標なのは当然として。


 数字「だけ」が判断指標なのか,と。この数字のために,個性をなくしてしまえば,結果として数字は悪化するのではないでしょうか。


 今回は,こちらの記事(Yahoo!ニュース)をもとに,豊田と富士重工の資本提携について,メディアのひとたちとは大きく違った見方をしてみよう,と思います。


 それぞれの個性を生かしながらグループをまとめる。


 フォードにしても,GMにしてもなかなかできなかったことでしょう。端的に書いてしまえば,「大きすぎた」のだ,と思っています。数字「だけ」を追って,ブランドを大きくすることだけに注力しすぎていたのではないか,と。そのために,GMであったりフォード,その基礎体力を強化する方向に提携関係が使えなかったのではないか,と思うのです。


 そもそも,経済的な規模を拡大するのであれば,緩やかな提携ではなく,買収であったり合併を模索することも排除するべきではないでしょう。
 また,トヨタが持っている財務基盤を思えば,生産規模の拡大もそれほど難しいことではない,かも知れません。ですが,富士重工との生産面での提携からも透けて見えたように,トヨタ・グループとしての生産力は臨界点に達しつつある,と見ていいようです。
 それ以上に,商品体系を維持するために必要となる,技術的な基盤が弱くなる,その心配も出てきます。モデルライフが短くなっている状況では,技術的なジャンプアップが難しいし,ジャンプアップの前提である技術的な基盤の強化が追い付かなくなることも考えられます。今回の提携が意味あるものになるとすれば,生産上の問題とともに技術的な部分も指摘されるべきでしょう。


 にもかかわらず,富士重工はトヨタの車体メーカになる,などという見方をするメディアもあるようです。トヨタ車の生産を担当する,という側面もありますから,一概に否定はできないものの,一面的な見方に過ぎるかな,と思います。


 富士重工にとってもメリットがあるから,「提携」という形になったのではないか,と思うわけです。お互いの文化を尊重しながら,魅力的な商品を仕立てていく,そんな関係を構築できる,と考えているから,提携に踏み切ったのではないか,と。加えて書けば,自分たちが真っ向勝負を挑める分野に集中する,そのきっかけをこの提携で見出そうとしたのではないか,と思うのです。


 既存技術である程度の完成度を持っているものがすでにあるのならば,その技術を積極的に活用する。しかし,自らの個性に大きく関わるものに関しては万難を排してでも導入に向けて活動をしていく。ターボ・パラレル・ハイブリッド(TPH)に関してはTHSⅡ技術の供給を受けることで開発をキャンセルする一方で,シンメトリカルAWDの根幹を構成するボクサー・ディーゼルに関しては開発を継続,2007年中の市場投入を目指すというのは,アルファがかつてフィアットに対して行った一連の交渉とどこか相似形を描いているような感じがします。


 富士重工業のボスである竹中さんの「ブランドの独立性は守った上で、太く、長く続く関係を作る」というコメントは,提携関係のあるべき姿を示しているものだと私は評価しています。

フットボール・フリークの忠誠心。

2006-03-28 22:02:47 | サッカー版雑記
アンフィールドのピッチへと出ていくための通路。


 その頭上には,ある飾り板が嵌め込まれています。
 リヴァプールの選手たちはその飾り板に触れてからピッチへと出ていく,といいます。この飾り板を発案したのが,リヴァプールを短期間で強豪へと押し上げた監督,ビル・シャンクリーさんです。


 そのシャンクリーさんが残した言葉として,「フットボールとは生き死ににかかわる問題などではない。はるかに生き死によりも重要なものだ」というものが知られています。


 どうやら,イングランドのオトーサン(オニーサン)たちはシャンクリーさんの言葉に,どこか方向性が違うような気もしますが(と言うか,曲解しているような気もしますけど。)あやかっているようであります。【こぼれ話】英国人は妻よりサッカーのひいきチームに忠実 (時事通信) - goo ニュースという話を見る限りでは。


 まあ,どこかで共感できる話ではありますがね。


 フットボールが日常にしっかりと組み込まれてしまうと,どこかでマッチデイを中心にして日々の予定を組み立てるようなところがあります。突発的な事態は優先すべきものが多いような気がしますけれど,前々から予定が立てられるようなものならばできるだけマッチデイにぶつからないように工夫をしたり,してますからね。
 そういう部分では,どこかでイングランドのひとと似たようなメンタリティを私も持っているのかも知れません。


 この記事の締めくくりに,時事の記者さんは心理学者さんのコメントをひいています。「英国人男性がこれほどの忠誠心や自己犠牲の精神を妻に対しても示せば、離婚率は一夜にして半減するだろう」というものですが,これ,奥様だけに当てはまる話ではないと思いますよ。彼女さんであったり,あるいは友人だったり。


 冒頭にシャンクリーさんの言葉を引き合いに出しましたが,あまりシャンクリーさんの言葉を使いすぎると周囲のひとたちの目線は液化窒素を使っているのかと思うほど冷え冷えしてくる可能性もありますので,ご注意を。

桃田さんの見たセブリング。

2006-03-27 21:14:20 | レーシング版雑記
特徴的なサーキット,であります。


 アメリカにあるサーキットは,どこもなかなかに特徴的ですが,なかでも特徴的ではないかな,と思います。もともとは飛行場だったところをレース・トラックに転用しているからか,各ターンにバンク(と言いますか,カント)がついていないのがひとつの特徴で,なおかつIMSA-GTPの頃からちょっとバンピーな印象があるサーキットだったように記憶しています。


 ですので,桃田さんのコラム(webCG)はちょっとした驚きでありました。


 スポーツ・プロトタイプにディーゼル・ターボを持ち込んだアウディR10が本格的な実戦参加の場として選び,恐らく同時にル・マン24時間耐久へ向けたテスト・ベッドとして選択したのだろうALMS第1戦,セブリング12時間でポディウムの中央を奪取したことはオートスポーツ(web版)などでも扱われていますが,個人的な興味は実際どういうライドなのか,あるいはどういうサウンドを響かせているのか,という点にありました。


 桃田さんのコラムを読む限り,サウンドに関してはほぼ予想通りであります。


 また,プレス・キットから私が気になっていた部分に関しての推理を披露されていました。恐らく,アウディにとってはちょっとしたタマでしょうからここでハッキリと桃田さんの推理は書きませんが,ドライヴァにとってはストレスの溜まらない回転数だなという感じがします。それゆえ,間違いなくハイ・ギアードなギアボックスであることも見えてきました。


 で,驚きだったのはアウディのコーナリング・マナーであります。


 スキール音もなければ,バンピーなサーフェスを何事もなかったかのように通過できる,優れた路面追従性が桃田さんによってリポートされています。タイア・サプライヤーであるミシュランがいい仕事をしているということは言うまでもなく,シャシー剛性がかなりしっかりしているからメカニカル・グリップを徹底して高める方向性でセッティングができているのでしょう。アウディ・スポルトとヨースト・レーシングが短期間にかなりのレベルにまでR10を煮詰めてきたのだろうことが想像できます。


 「静かで,バカッ速い」と桃田さんはアウディR10を表現されています。


 恐らく,それだけインパクトのある速さと静かさだったのだと思います。いままでレーシング・マシンは,甲高いエグゾースト・ノートが魅力として認識される部分がありました。その常識を大きく覆すものがある。
 しかしよく考えてみれば,高回転を維持するのは実際にドライブしている人間にストレスを与えることにもなるように思えますから,アウディの技術的なアプローチはある意味,耐久を突き詰めていくと「必然」だったのかな,と感じます。


 クワトロに匹敵する,あるいはそれ以上の衝撃を与えるデビュー・ウィンだと表現して良いのではないでしょうか。

サインツ選手、フォルクスワーゲンと契約。

2006-03-25 21:25:02 | レーシング版雑記
トゥアレグの開発速度が上がるのではないでしょうか。


 もともと,レース・トラックを主戦場としていただけに,マシン・セッティングに対する要求は相当に厳しいと聞きます。セリカをトップ・コンテンダーへと押し上げたのは,彼の高いセッティング能力も大きな要素だっただろう,と思っています。


 WRCのトップ・ドライヴァであったカルロス・サインツ選手。


 彼は今季のダカール・ラリーにレース・トゥアレグで参戦したわけですが,なかなかのインパクトを残したのではないか,と思っています。トップタイムを叩き出すなど,トゥアレグの能力はある程度実証されています。ただ,その能力を安定して発揮できるか,と言えば,まだその状態ではないようにも思います。そんな位置関係を三菱は示した,とも言えるわけです。


 この実戦を通じて得られたものを,開発へと反映させる。


 そんな循環が重要だ,と,恐らくフォルクスワーゲンの担当さんは思ったのではないでしょうか。チームの総合力を引き上げ,マシン開発を進めるためには,しっかりとインフォメーションを開発スタッフや実戦部隊にフィードバックしてくれるドライヴァが継続的に参戦してくれることが望ましい,と。


 そして,サインツ選手がVWの挑戦を魅力的に感じ,2006年FIAクロスカントリーラリー・ワールドカップへフル参戦すべくVWサイドと契約を締結したという記事をオートスポーツさんで見つけました(詳細記事は登録制になっておりますので,トップページをご紹介しておきます。)。


 セブリングを制したアウディR10を筆頭に,欧州メイクスは積極的にディーゼル・エンジンをレーシングの世界に持ち込んでいます。トゥアレグも,ディーゼル・エンジンを使ってレイドを制覇することをイメージして製作されたマシンです。
 しかし,技術規則面でいかに有利だとしても,チームが実戦を戦う経験を持っていなければ,そして開発体制がしっかりとしたものでなければ,なかなかポディウムの中央に立つことはできないでしょう。アウディがデビュー・ウィンを飾れたのは,レース・オペレートを実際に担当しているヨースト・レーシングの持っている知識,経験が短期間でR10、と言いますか,アウディ側に落とし込まれたからだろうと思っています。


 同じことがトゥアレグにも言えるのではないか,と。


 レイドに対する経験が豊かなチームと組んでいるのであれば開発速度は一気に上がるでしょうし,あまり深くないチームであるならば今回のフル参戦は間違いなく経験値を上昇させることになると思います。
 いずれにせよ,来季のダカールは面白いことになってくれるかな?と(かなり気が早いのですが)期待しています。

鈴鹿から駿河小山へ。

2006-03-24 18:16:29 | レーシング版雑記
実績を重視すれば,変更という選択肢はありません。


 しかしながら,ほぼ新設に近い大改装によって現代的なサーキットへと生まれ変わったということと「東京により近い」ということが評価要因になったのでしょうか。


 こちらのプレス・リリース(FSW.TVオフィシャル)をもとにちょっと短めに書いていこうかなと思います。


 リリースにもあるように,FISCOはさまざまなカテゴリのレースを開催してきました。ですが,どちらかと言えばオープン・ホイーラーよりもスポーツ・プロトタイプと強く結び付くサーキットであるような感じがしています。確かにフォーミュラ1の開催実績もあることは承知していますが,正直言うとあまり記憶がありません。むしろ,WEC・イン・ジャパンの頃のイメージが強かったりします。


 一方で,フォーミュラと言うとやはり鈴鹿のイメージが強いですね。


 ターボ・エンジンが使われていた頃からフォーミュラの世界に戻ったホンダ。彼らがエンジン・サプライヤーとして勇名を馳せた時期と,CXが放映権を取得しF1に深くコミットしはじめた時期はかなり重なります。そして,そのホンダのホーム・グラウンドである鈴鹿サーキットはだいたい最終戦の舞台としてフィックスされていたために,いろいろなドラマが生まれていった。そんなサーキットがカレンダーから外れるということに寂しさを感じないではないですが,イギリスやドイツのように「持ち回り制」にするのも一策なのではないかな,と思っています。

間もなく開幕。

2006-03-23 19:48:26 | スポーツ版雑記
なかなか野球ではリーグ戦がどういう位置付けか,はっきりしないところがありましたが。

 ワールド・ベースボールクラシック(WBC)によって,リーグ戦が再認識されればいいな,と私は思っています。なぜならば,トップクラスの選手を育てる環境を提供しているのがリーグ戦だと思うからです。

 リーグの持っている実力が最終的には代表チームの実力として反映される。裏返せば,単に代表チームは「最強チーム」というだけではなく,リーグ戦の権威を背負っている存在でもあると思っています。とあるTV局は「絶対に負けられない戦いが・・・」というようなキャッチフレーズを使っていましたが,その意味するところはリーグを作り上げているさまざまなひとたちの思いを背負う,その重さが負けられないという意識として働くということなのではないか,と感じます。フットボールであろうとも,ラグビー・フットボールでも変わるところのないことですが,野球もそんな枠組みになりつつある,ということがうれしい限りです。

 さらに言うならば,代表チームに選ばれるような実力を持った選手を育てるのは,ボールパークに実際に足を運んでくれるひとたちの目だろうと思っています。長き伝統を持ったチームを,そして我が地元の誇りを背負ってくれているチームを応援したいと思うひとたちの目は,厳しくも優しいはずです。そして,そんなひとたちの目によって,リーグ戦は面白いものとなっていくのだろうと思います。

 強い代表チームを作る。
 MLBでも十分以上の活躍ができる選手を育てる。
 すべての原点は,リーグ戦にあるはずです。そして,そんなリーグ戦が再び帰ってきます。パシフィックでは今週土曜日,セントラルではその1週間後。WBCによっていつものリーグ戦がちょっと違った姿に見えてくるのではないでしょうか。

Unbelievable, Incredible, Brilliant!

2006-03-21 20:21:06 | スポーツ版雑記
言葉を費やすのは後回しにします。


 いまの私の,そして多くのひとたちの気持ちを代弁してくれているのは,恐らくリヴァプールがビッグイヤーを高く掲げたときのトニー・ブレアのコメントだろうと思います。


 いちどは地獄の淵に叩き落とされるか,というところにまで追い詰められる。にわかには信じられないことが起こるも,僅差での敗戦が失点率というインデックスを有利なものとし,最終戦のアヤによってセミ・ファイナル進出を果たす。これもまた信じがたいことではあるけれど,同時に素晴らしいことでもあった。そして,セミ・ファイナルで完全に流れを取り戻すのみならず,さらなる勢いを乗せていった。その結果として,シルヴァーウェアを戴く。


 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)におけるジャパン・チームの戦いぶりを見れば,ブレアのコメント以外に思いつくタイトルはありませんでした。


 今回の活躍で,クーパース・タウンにはエキップメントが展示されるとか。


 「頂点に立った」という証がホール・オブ・フェイムに刻み込まれる。何とも言えない感慨があります。


 最後に,ブレアが付け加えたコメントを私も彼らに向けて。


 “The whole country is very proud of you.”

FIFAとIBAF。

2006-03-20 17:21:38 | スポーツ版雑記
FIFAの立場をごく大ざっぱに書けば,各国に設置されているFA(サッカー協会),そして各大陸にある大陸連盟を統括する立場であります。


 何となくパワフルな感じがしますが,実際にパワフルであります。


 FIFAの持っているチカラは,いわゆるポリティクスの部分においても,エコノミクスの面においても相当なものであるように思います。
 ただ,昔からパワフルであり続けてきたのか,と考えるとそうでもないような感じがします。フットボールが高い商品性を持ったエンターテイメントだと認知され,一方でスポーツが商業化の傾向に足を踏み入れた時期,つまり1980年代中盤あたりから変化が段階的にはじまったのではないか,と思います。
 もちろん,その変化を加速させたのは,フットボールが世界的にプレーされている競技であるという事実でしょう。イングランドの人間が旧植民地などにボールを持ち込み,競技を伝える。その競技が地域性を帯びながら発展していく。その繰り返しの中から競技人口が増加し,いわゆる「市場規模」が大きくなっていったのだろうと思うわけです。そんな恵まれた条件にあるからか,ワールドカップの舞台においてもフットボール・ビジネスは非常に活発です。パートナー契約は莫大な金額が動きますし,契約を締結した会社の権益を守るために最大限の努力をFIFAサイドは払っています。


 対して野球の世界ですが。


 確かに国際野球連盟(IBAF)があるにはありますが,基本的にパワフルな組織ではありません。MLBがローカルであることに対してそれほどの危機感を持っていなかったためか,協力的な態度を見せてこなかったからです。
 本来ならばWBCのような国際大会はIBAFが主催すべきなのですが,実際にはMLBが主催団体となっています。いわゆるスジ論を言えば,大会形式などの問題以前に本質的な大問題を抱えていると言わざるを得ないような感じがするわけです。


 細かいことからも,IBAFがコミットしていない弊害を指摘することができます。最も分かりやすいところではアンパイアの問題です。


 そもそも,アメリカがフィールドに立っているゲームで同じアメリカンのアンパイアがゲームをコントロールしている。フットボールの世界ならば,あり得ない話です。本来ならば,IBAFに協力を仰いで各参加国に対してアンパイア候補をリストアップしてもらい,トレーニング・キャンプなどを経てアンパイアを選出するというプロセスが必要なはずですし,実際のゲームをジャッジングするのは第三国の国籍を持つアンパイアに限定されると思うわけです。早急な是正が求められるポイントだろうと思います。
 また,どこまでが予選ラウンドで,どこからが決勝トーナメントの扱いになるのかという部分が不明確であるために,「○勝○敗したにもかかわらず・・・」などという議論が出てきてしまう。また,野球の世界ではある程度ゲーム数がないと本来的な実力差が見えてこないようにも感じます。単純なトーナメントではなく,“全5戦中3勝”とか,“全3戦中2勝”などという形で決勝トーナメントを戦っていく方が面白いようにも感じます。
 加えて,今回大会でも問題にしている方が多かった,「たすき掛け」をまったく無視したちょっとアバウトなトーナメント・ドロー。いろいろなひとに注目してもらいたいのならば,トーナメント・ドローをしっかりと大会期間中にオープンな状況で実施することで対戦相手を決めていくなどのやり方だってある。やれることは多いように感じます。


 ただ,いろいろな問題があるにせよ,野球の世界にも「権威ある国際大会」があって然るべきだと思うし,そういう魅力的な大会を作り上げていくことで,さらなる国際化をしていく必要があるだろうと思います。MLBのエゴだけでなく,いろいろな参加国の意見を積極的に吸い上げられる形が模索されるべきだと思うし,その過程でIBAFが果たせる役割はかなり大きいように感じています。