ポリフォニー・デジタルさんの作品を思い浮かべる方も多いでしょう。
と言いますか,圧倒的に多いのではないでしょうか。
けれど,今回のカテゴリは,クルマであります。
前回に引き続き,ちょっとばかり古いクルマの話をしてみよう,と思います。
では,いつものように歴史の針を巻き戻してみることにします。個人的に,国産車のビンティッジ・イヤーだと思っている1989年,その2年前がY31型が発表された年,であります。この時期の日産は,クラウンと真っ向勝負,ではなくて,ちょっと違う個性でクラウンと勝負しようと考えはじめたのではないか,と思っています。現在,クラウンはアスリートとロイヤルという,2つのモデル・レンジを用意していますが,この2つの異なる個性という基本発想は,日産がトヨタに対抗する手段として持ち込んだものでもあるのです。いまでこそ,クラウンは個性を強く訴求する方向性ですが,かつてのクラウンはかなり保守的だった,という記憶があります。たとえば,デザインでチャレンジを仕掛けたとしても,その次のモデルではその反動か,手堅いデザインを採用してくる,などという印象が残っています。
手堅いクラウンに対して,どのような個性を打ち出すか。
おそらく,商品開発の出発点はこのようなアイディアだったのではないかな,と思います。そこで日産がキーワードとして持ち出したのは,“スポーツ性”でした。もともとのセドリックでありグロリアが表現してきた部分を踏襲する路線は,430型から設定されたグレード・ネームを使った“ブロアム”レンジが受け持つ。新たにスポーツ性を表現する,つまりは想定顧客層を変えたモデル・レンジを,“グランツーリスモ”としたのです。この商品戦略,相当程度に成功したようです。日産が解釈するクラウン,ではなくて,セドリック,あるいはグロリア独自の個性として,市場に受け入れられたように思うのです。実際,このモデルレンジはY33型まで用意されます。
では,このモデルレンジがなぜ,フェードアウトすることになったのか。
セドリックとグロリア,それぞれに個性を与えよう,という判断があったから,のようです。セドリックには,“ブロアム”が受け持っていた商品イメージを与え,グロリアには“グランツーリスモ”が受け持ってきたイメージを落とし込む。なるほど,と思う話ではあるのですが,Y34型は必ずしも商業的に成功したとは言いがたいものがあります。
日産のモデル・レンジで,セドリックを引き継ぐのはフーガ,でありましょう。ディメンションを見ると,ちょっと上方移行しているように思いますが,そのフーガを見ると,“ブロアム”を受け継ぐ“VIP”というグレードが用意されてはいるものの,“GT”というグレード・ネームを中心としていることからも“グランツーリスモ”の血統にあるものと思います。日産の大型車,その個性を決定づけたグレードが,“グランツーリスモ”であった,という見方も決してアンフェアではない,と個人的には思っています。
と言いますか,圧倒的に多いのではないでしょうか。
けれど,今回のカテゴリは,クルマであります。
前回に引き続き,ちょっとばかり古いクルマの話をしてみよう,と思います。
では,いつものように歴史の針を巻き戻してみることにします。個人的に,国産車のビンティッジ・イヤーだと思っている1989年,その2年前がY31型が発表された年,であります。この時期の日産は,クラウンと真っ向勝負,ではなくて,ちょっと違う個性でクラウンと勝負しようと考えはじめたのではないか,と思っています。現在,クラウンはアスリートとロイヤルという,2つのモデル・レンジを用意していますが,この2つの異なる個性という基本発想は,日産がトヨタに対抗する手段として持ち込んだものでもあるのです。いまでこそ,クラウンは個性を強く訴求する方向性ですが,かつてのクラウンはかなり保守的だった,という記憶があります。たとえば,デザインでチャレンジを仕掛けたとしても,その次のモデルではその反動か,手堅いデザインを採用してくる,などという印象が残っています。
手堅いクラウンに対して,どのような個性を打ち出すか。
おそらく,商品開発の出発点はこのようなアイディアだったのではないかな,と思います。そこで日産がキーワードとして持ち出したのは,“スポーツ性”でした。もともとのセドリックでありグロリアが表現してきた部分を踏襲する路線は,430型から設定されたグレード・ネームを使った“ブロアム”レンジが受け持つ。新たにスポーツ性を表現する,つまりは想定顧客層を変えたモデル・レンジを,“グランツーリスモ”としたのです。この商品戦略,相当程度に成功したようです。日産が解釈するクラウン,ではなくて,セドリック,あるいはグロリア独自の個性として,市場に受け入れられたように思うのです。実際,このモデルレンジはY33型まで用意されます。
では,このモデルレンジがなぜ,フェードアウトすることになったのか。
セドリックとグロリア,それぞれに個性を与えよう,という判断があったから,のようです。セドリックには,“ブロアム”が受け持っていた商品イメージを与え,グロリアには“グランツーリスモ”が受け持ってきたイメージを落とし込む。なるほど,と思う話ではあるのですが,Y34型は必ずしも商業的に成功したとは言いがたいものがあります。
日産のモデル・レンジで,セドリックを引き継ぐのはフーガ,でありましょう。ディメンションを見ると,ちょっと上方移行しているように思いますが,そのフーガを見ると,“ブロアム”を受け継ぐ“VIP”というグレードが用意されてはいるものの,“GT”というグレード・ネームを中心としていることからも“グランツーリスモ”の血統にあるものと思います。日産の大型車,その個性を決定づけたグレードが,“グランツーリスモ”であった,という見方も決してアンフェアではない,と個人的には思っています。