県民投票の結果で、民意は基地新設についてNoを意思表示しました。
しかし、政府は工事の中止は全く考えておりません。
たとえ辺野古に基地ができても、米軍は以下の理由で普天間は返還されないことになっています。
稲田朋美防衛相(当時)は、平成29年6月15日の第193回参院外交防衛委員会で、
「米側との具体的な協議やその内容に基づく調整が整わないことがあれば返還条件が整わず、普天間飛行場の返還がなされない」と明言しています。
http://kokkai.ndl.go.jp/…/san…/193/0059/19306150059027a.html
答弁の根拠は、日米両政府が2013年4月に合意した「沖縄における在日米軍施設・区域に関する統合計画」で、同飛行場の「返還条件」として以下の8項目を列挙しています。
(1)海兵隊飛行場関連施設等のキャンプ・シュワブへの移設
(2)海兵隊の航空部隊・司令部機能及び関連施設のキャンプ・シュワブへの移設
(3)普天間飛行場の能力の代替に関連する、航空自衛隊新田原基地及び築城基地の緊急時の使用のための施設整備は、必要に応じ実施
(4)普天間飛行場代替施設では確保されない長い滑走路を用いた活動のための緊急時における民間施設の使用の改善
(5)地元住民の生活の質を損じかねない交通渋滞及び関連する諸問題の発生の回避
(6)隣接する水域の必要な調整の実施
(7)施設の完全な運用上の能力の取得
(8)KC-130飛行隊による岩国飛行場の本拠地化
https://www.mofa.go.jp/…/usa/hosho/pdfs/togo_20130405_jp.pdf
稲田朋美防衛相は民進党(当時)藤田幸久氏の質疑に「相手があることで、相手との調整ができなければ返還できない」と答弁しています。
つまりこの条件が揃わないと、普天間返還はされないと明言しているのです。そして特に4番目の条件がクリアされるかどうかについては明言を避けています。
今、政府は「普天間の危険除去」を掲げて、「普天間返還につながらないもの」を、国民の税金2兆円をかけて作ろうとしてます。
普天間の危険除去・普天間飛行場返還が大命題なら、なぜ「(4)普天間飛行場なみの長い滑走路」という一番重要な返還条件が語られないのでしょうか。
そもそも、普天間飛行場は2800m級の規模ですので、県内にその条件を満たす飛行場は、空自那覇基地と下地島空港の2か所しかありません。那覇基地を米軍と共用するつもりなのでしょうか。
政府は沖縄県にこの説明はしていません。仲井間知事が辺野古埋め立て承認した際には「条件」の説明は無かったと、県議会で報告されています。稲田防衛相が答弁した内容は「密約」ではないかという見方もあります。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/208873
普天間返還に結びつかない1800mの短い滑走路を、密約で2兆円掛けて作ることになる辺野古基地。
またこのことは承認撤回の大きな理由にもなり得るとも思うのですが、玉城知事は追及していません。