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不動産競売・債権届出・配当要求

2015年04月05日 | 裁判所
1 不動産競売事件において、買受人の代金納付等により配当財団が形成され、配当が実施されるときの債権者の資格としては下記のものが挙げ
られます(民事執行法第87条、担保不動産競売について準用)。
第二章 強制執行
 第二節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行
 第一款 不動産に対する強制執行
 第二目 強制競売
第三章 担保権の実行としての競売等
(不動産執行の規定の準用)
第188条  第44条の規定は不動産担保権の実行について、前章第二節第一款第二目(第81条を除く。)の規定は担保不動産競売について、
同款第三目の規定は担保不動産収益執行について準用する。
 ①差押債権者
 ②配当要求債権者
 ③交付要求債権者
 ④仮差押債権者
 ⑤担保権者
※民事執行法には次のとおり規定されています。そして、不動産に対する強制執行の規定は担保権の実行としての競売について、準用されています。

(配当等を受けるべき債権者の範囲)
第87条  売却代金の配当等を受けるべき債権者は、次に掲げる者とする。
一  差押債権者(配当要求の終期までに強制競売又は一般の先取特権の実行としての競売の申立てをした差押債権者に限る。)
二  配当要求の終期までに配当要求をした債権者
三  差押え(最初の強制競売の開始決定に係る差押えをいう。次号において同じ。)の登記前に登記された仮差押えの債権者
四  差押えの登記前に登記(民事保全法第53条第2項 に規定する仮処分による仮登記を含む。)がされた先取特権(第一号又は第二号に掲げる
債権者が有する一般の先取特権を除く。)、質権又は抵当権で売却により消滅するものを有する債権者(その抵当権に係る抵当証券の所持人を含む。)

2 前項第四号に掲げる債権者の権利が仮差押えの登記後に登記されたものである場合には、その債権者は、仮差押債権者が本案の訴訟において
敗訴し、又は仮差押えがその効力を失つたときに限り、配当等を受けることができる。

3 差押えに係る強制競売の手続が停止され、第47条第6項の規定による手続を続行する旨の裁判がある場合において、執行を停止された差押債権
者がその停止に係る訴訟等において敗訴したときは、差押えの登記後続行の裁判に係る差押えの登記前に登記された第1項第四号に規定する権利を
有する債権者は、配当等を受けることができる。

(開始決定及び配当要求の終期の公告等)
第49条  強制競売の開始決定に係る差押えの効力が生じた場合(その開始決定前に強制競売又は競売の開始決定がある場合を除く。)においては
、裁判所書記官は、物件明細書の作成までの手続に要する期間を考慮して、配当要求の終期を定めなければならない。

2  裁判所書記官は、配当要求の終期を定めたときは、開始決定がされた旨及び配当要求の終期を公告し、かつ、次に掲げるものに対し、債権
(利息その他の附帯の債権を含む。)の存否並びにその原因及び額を配当要求の終期までに執行裁判所に届け出るべき旨を催告しなければならない。
一  第87条第1項第3号に掲げる債権者
二  第87条第1項第4号に掲げる債権者(抵当証券の所持人にあつては、知れている所持人に限る。)
三  租税その他の公課を所管する官庁又は公署

3  裁判所書記官は、特に必要があると認めるときは、配当要求の終期を延期することができる。

4  裁判所書記官は、前項の規定により配当要求の終期を延期したときは、延期後の終期を公告しなければならない。

5  第1項又は第3項の規定による裁判所書記官の処分に対しては、執行裁判所に異議を申し立てることができる。

6  第10条第6項前段及び第9項の規定は、前項の規定による異議の申立てがあつた場合について準用する。



(催告を受けた者の債権の届出義務)

第50条  前条第2項の規定による催告を受けた同項第一号又は第二号に掲げる者は、配当要求の終期までに、その催告に係る事項について
届出をしなければならない。

2  前項の届出をした者は、その届出に係る債権の元本の額に変更があつたときは、その旨の届出をしなければならない。

3  前2項の規定により届出をすべき者は、故意又は過失により、その届出をしなかつたとき、又は不実の届出をしたときは、これによつて
生じた損害を賠償する責めに任ずる。



2 配当要求について

  配当要求とは、債権者が、配当等を受けるべき債権者の地位を取得するために、既に開始されている他の債権者が申し立てた競売手続に参
加して自己の債権の満 足を受けようとする手続です。しかし、誰でもこの手続に参加することができるわけではなく、配当要求をすることが
できる債権者は限定されています。 配当要求は、他の債権者が申し立てた競売手続に参加し、その手続上で配当等を受ける地位を取得するに
すぎないため、当該手続が取下げ又は取消しにより 終了した場合は配当要求も効力を失います。

3 配当要求をすることができる債権者

(1)執行力のある債務名義の正本を有する債権者
(2)差押えの登記後に登記をした仮差押債権者
(3)一般の先取特権を有することを証明した債権者

(配当要求)

第51条  第25条の規定により強制執行を実施することができる債務名義の正本(以下「執行力のある債務名義の正本」という。)を有する
債権者、強制競売の開始決定に係る差押えの登記後に登記された仮差押債権者及び第181条第1項各号に掲げる文書により一般の先取特権を
有することを証明した債権者は、配当要求をすることができる。

2  配当要求を却下する裁判に対しては、執行抗告をすることができる。

債権届出

2015年04月05日 | 裁判所
(配当等を受けるべき債権者の範囲)として、民事執行法第87条第1項第3号の規定により、『差押え(最初の強制競売の開始決定に係る差押えをいう。
次号において同じ。)の登記前に登記された仮差押えの債権者』である相談者ということから、執行裁判所から担保不動産の競売が開始されたので、
債権届出をしてくださいという連絡が来ました。

(開始決定及び配当要求の終期の公告等)

 民事執行法第49条第1項の規定によれば、『強制競売の開始決定に係る差押えの効力が生じた場合(その開始決定前に強制競売又は競売の開始決定
がある場合を除く。)においては、裁判所書記官は、物件明細書の作成までの手続に要する期間を考慮して、配当要求の終期を定めなければならない。

 同第2項の規定によれば、『裁判所書記官は、配当要求の終期を定めたときは、開始決定がされた旨及び配当要求の終期を公告し、かつ、次に掲げる
ものに対し、債権(利息その他の附帯 の債権を含む。)の存否並びにその原因及び額を配当要求の終期までに執行裁判所に届け出るべき旨を催告しな
ければならない。』

と規定があり、次に掲げるものとして

 同条同項第1号『第87条第1項第3号に掲げる債権者』の規定があった。

 以上のことから、

 仮差押債権者も配当等を受けるべき債権者に該当するところ、仮差押債権者も配当要求をすることができるということで、最初の債権届出を行った。

  しばらくしてから、再び配当要求期日を指定した執行裁判所からの連絡が来たので、同じように債権届出をしました。このとき、配当に預かれるか
どうか、抵当権者である機構が全部持っていくということがおおよそ見当がついていたので、裁判所に届出をする必要があるのかどうかを尋ねたところ、
義務ですから届出をしてくださいとの回答であった。

(催告を受けた者の債権の届出義務)

 民事執行第50条の規定によれば、『49条第2項の規定による催告を受けた同項1号又は第2号に掲げる者は、配当要求の終期までに、その催告に
係る事項について届出をしなければならない。

 同第2項の規定によれば、『前項の届出をした者は、その届出に係る債権の元本の額に変更があつたときは、その旨の届出をしなければならない。』

 同第3項の規定によれば、『前2項の規定により届出をすべき者は、故意又は過失により、その届出をしなかつたとき、又は不実の届出をしたときは、
これによつて生じた損害を賠償する責めに任ずる。』

 

 以上、裁判所のいうところの「義務ですから届出をする必要」があることが判明したので、再度、債権届出を行ったのである。

配当期日

2015年04月05日 | 裁判所
仮に、仮差押債権者に配当があった場合、(1)執行力ある債務名義の正本を有する債権者ではないため、執行裁判所はどうするのかを調べた。
(2)仮差押の執行をした債権者が「配当を受けるべき債権者」とされるのはなぜか?民事執行法第91条では、債権が仮差押債権者のものである
ときは供託しなければならないとしている。 そこで、要するに本案訴訟を提起して、判決(またはこれと同じ効果を有する書面)に執行文の
付与を受けて裁判所に証明すれば配当をしてくれることになるのである。

 本件の場合、本案訴訟を提起して、勝訴判決を得ても、債権の満足が受けられないと判断できたため、仮差押債権者として配当期日を待った。
案の定、配当の恩恵にあずかることができなかった。

 そこで、これからが大変になるのである。相談者に当初、本案を提起しないで仮差押命令を申し立てると、担保取消しが難しくなるということ
を説明しても、お金を返してくれないから、とりあえず、マンションの仮差押えをするんです、という・・・



(配当等の額の供託)

第91条  配当等を受けるべき債権者の債権について次に掲げる事由があるときは、裁判所書記官は、その配当等の額に相当する金銭を供託しなければならない。

一  停止条件付又は不確定期限付であるとき。

二  仮差押債権者の債権であるとき。

三  第39条第1項第七号又は第183条第1項第六号に掲げる文書が提出されているとき。

四  その債権に係る先取特権、質権又は抵当権(以下この項において「先取特権等」という。)の実行を一時禁止する裁判の正本が提出されているとき。

五  その債権に係る先取特権等につき仮登記又は民事保全法第53条第2項 に規定する仮処分による仮登記がされたものであるとき。

六  仮差押え又は執行停止に係る差押えの登記後に登記された先取特権等があるため配当額が定まらないとき。 七  配当異議の訴えが提起されたとき。

2  裁判所書記官は、配当等の受領のために執行裁判所に出頭しなかつた債権者(知れていない抵当証券の所持人を含む。)に対する配当等の額に相当する金銭を供託しなければならない。



(権利確定等に伴う配当等の実施)

第92条  前条第1項の規定による供託がされた場合において、その供託の事由が消滅したときは、執行裁判所は、供託金について配当等を実施しなければならない。

2  前項の規定により配当を実施すべき場合において、前条第1項第一号から第五号までに掲げる事由による供託に係る債権者若しくは同項第六号に掲げる事由
による供託に係る仮差押債権者若しくは執行を停止された差押債権者に対して配当を実施することができなくなつたとき、又は同項第七号に掲げる事由による供託
に係る債権者が債務者の提起した配当異議の訴えにおいて敗訴したときは、執行裁判所は、配当異議の申出をしなかつた債権者のためにも配当表を変更しなければならない。



 仮差押命令をかけてから1年6か月余り、取下げ、担保取消決定、公示送達申立て等を経て、供託原因消滅証明書を手にすることができ、無事、取戻しによる
供託金払渡請求ができたのです。

 その顛末は又、お知らせすることができるでしょう。

 

 ※簡裁代理権の資格を有している当事務所は、皆様のお悩みごとに真摯に対応できますので、何なりとご相談下さい!

31条業務

2014年11月30日 | 仕事
財産管理業務とは、司法書士法施行規則第31条第1号(以下、「規則第31条」という)に

「当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により、管財人、管理人その他これらに

類する地位に就き、他人の事業の経営、他人の財産の管理若しくは処分を行う業務又は

これらの業務を行う者を代理し、若しくは補助する業務」と定められている業務であります。

この業務は、他の法律により司法書士が行うことが禁止されていないため、慣習等により

司法書士も行っている業務として「附帯業務」とも言われています。

もっとも、規則第31条は

司法書士法人の業務範囲を定めた規定ですが、同条は司法書士法第29条の「法令等に

基づきすべての司法書士が行うことができるものとして法務省令で定める業務」を規定した

条文の構造から、もともと司法書士であれば行うことができるとされている業務ということに

なります。

この様な他人の事業の経営や他人の財産の管理若しくは処分を行う業務をすることができ

る旨を、法令で規定されている職業は、司法書士と弁護士のみとなります。

例えば、相続が発生した場合、相続登記は司法書士の本来業務ですが、被相続人名義に

なっている預貯金や株券等の有価証券の解約、配分、書換えなどの手続きは、相続人が行

うには煩雑で手間がかかります。また相続財産を預かって管理したり処分したりするには専

門的な法律知識と高度な倫理観が求められます。

司法書士は、近年成年後見制度により成年後見人等に就任して第三者の財産管理業務を

実践している実績があり、その信頼性は広く国民に認知されているところです。



司法書士法29条(司法書士法人の業務の範囲)

司法書士法人は、第3条第1項第1号から第5号までに規定する業務を行うほか、定款で定め

るところにより、次に掲げる業務を行うことができる。

一 法令等に基づきすべての司法書士が行うことができるものとして法務省令で定める業務

の全部又は一部

二 簡裁訴訟代理等関係業務

2 簡裁訴訟代理等関係業務は、社員のうちに第三条第二項に規定する司法書士がある司

法書士法人(司法書士会の会員であるものに限る。)に限り、行うことができる。



司法書士法施行規則第31条(司法書士法人の業務の範囲)

司法書士法第29条第1項第1号の法務省令で定める業務は、次の各号に掲げるものとする。

一 当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により、管財人、管理人その他これらに

類する地位に就き、他人の事業の経営、他人の財産の管理若しくは処分を行う業務又はこ

れ らの業務を行う者を代理し、若しくは補助する業務

二 当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により、後見人、保佐人、補助人、監督委

員その他これらに類する地位に就き、他人の法律行為について、代理、同意若しくは取消しを

行う業務又はこれらの業務を行う者を監督する業務

三 司法書士又は司法書士法人の業務に関連する講演会の開催、出版物の刊行その他の

教 育及び普及の業務

四 競争の導入による公共サービスの改革に関する法律(平成18年法律第51号)第33条の

2 第1項に規定する特定業務

五 司法書士法第3条第1項第1号から第5号まで及び前各号に掲げる業務に附帯し、又は密

接に関連する業務


具合的な相続財産の承継業務とは

不動産や預貯金、株式などに関する相続による名義変更、解約手続き、生命保険金・給付金請求

ただし、弁護士法第72条との関係から、事件性(紛争性)がないものに限られます。


司法書士は、上記に掲げる司法書士法第29条、及び司法書士法施行規則第31条の規定により

家庭裁判所により選任される相続財産管理人、不在財産管理人、遺言執行業務、31条第1項

第1号において、「当事者その他関係人の依頼」による(=委任契約に基づく)財産管理業務につ

き明記依頼による財産管理業務を行うことができます。

離婚訴訟

2014年11月24日 | 裁判所
離婚訴訟と言っても、すぐに裁判が起こせるのではない。
離婚について家事調停で解決ができない場合には、離婚訴訟
を起こすことになるのです。人事訴訟の代表的なものが
離婚訴訟です。

この裁判の上級裁判所はどこでしょうか?
それは、高等裁判所になります。
一般の三審制と若干の違いがありますので、
控訴する場合の管轄裁判所は注意を要します。

離婚の請求が認められる場合(離婚原因といいます)は、
民法770条第1項に規定があります。
 配偶者に不貞な行為があったとき
 配偶者から悪意で遺棄されたとき
 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
 配偶者が強度の精神病にかかり回復の見込みがないとき
 その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき
が離婚原因です。

ただし、民法770条2項では、こうした離婚原因が存在する場合
であっても、裁判所が、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と
認めるときは、離婚の請求を棄却することができることを定めています。
離婚原因がないと離婚が認められないことになります。
不貞行為のない多くの場合、「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」
があると評価されるか、ないと評価されるかによって、結論が分かれる
ことになります。

家庭裁判所の判決に不服があれば高等裁判所(神奈川県内の家庭裁判所
で第1審がある場合には、東京高等裁判所になります)に対して控訴するこ
とができ、等裁判所の判決に不服があれば最高裁判所に上告できることに
なっています。
しかし、高裁判所で主張できる理由は憲法違反などに限られていて、離婚に
関して言えばそういった理由が見つかることはほとんどないといっていいでしょう。