測ってみなけりゃわからない 測ってみたけどわからない 

素人なりに学び測り考えたことを綴る
旧 α線と鉄板
野ざらし鉄板がα線を出していた
鉄錆からはPuも微量検出された

松葉から Ag110m

2013年01月31日 | 雑感
[3/11 資料が削除・更新されたためリンクを削除・追加、その件に関して追記]
[21:18 誤記訂正と文言挿入]
ときどき文部科学省の調査結果を見ているが、今日久しぶりに覗いてみると、
丁度今日公表された調査結果があったので見てみた。

環境試料の測定結果(平成24年1月1日~平成25年1月31日までの測定結果) (資料が削除されたためリンクを削除)

環境試料の測定結果(平成24年1月1日~平成25年3月11日までの測定結果) (資料が更新されたためリンクを追加)

今回の測定結果は植物は松葉ばかり。注意書きの部分に”環境試料の測定は「雑草」から、「松葉」に変更”との記載がある。
松葉の2年生葉、3年生葉からAg110mが検出されている。1年生葉からは検出されていない。

採集地点は
・双葉郡浪江町赤宇木椚平
・相馬市原町区馬場字五台山
の2か所。

陸土はそのうちの相馬市原町区馬場字五台山のもののみをわざわざ取り寄せて調査していて、その全ての検体からAg110mが検出されている。陸土はAg110mを狙って調査したのではないか。

セシウム比でみれば松葉 39.0/2000 陸土 24/21400 (いずれも2012年12月)だから松の方がAg110mを良く保存しているといえようか。

Ag110m の半減期は250日。事故からもうすぐ2年。まだ3半減期たっていないが1/8およそ一桁落ち。銀の挙動をしるなら松葉か。
チェルノブイリではAg110mが検出された結果もあるが継続的な調査はなかったとの記述を見たことがある。
福島第一原発事故では調べられている核種の中では銀の挙動がセシウム比でみるともっともばらついているとのこと。
おそらくAg110mの挙動を調べるのに今後松葉が注目されるのではないか。松葉が濃縮するというのではなく、状況をよく保存しているということで。

かつてクモでAg110mを調べていた方がいたと記憶するが、松を食害する蛾の幼虫などで調査するのも手かも知れない。
スズメガの幼虫でそんなのがいたはず。少ししらべたらクロスズメの幼虫がそうらしい。もっとも大量発生していなければ
面倒なので生体濃縮事態が興味の対象でなければそんなことはしないか。松の葉を直接調べた方が手っ取り早いだろう。

話しはずれるが、自分はいわき市のヨウ素被曝を見積もるのならば樹木のI129を調べるのが有効ではないかと考えている。
海のストロンチウムはオオハネモ、海のウランはタコの鰓心臓、昔からの知見のようだが、なぜ、今回は未だにそのような
測定が公表されないのだろう。

もともと松葉は線量が高いことが知られていたが、Ag110mも高いというのは今回初めて知った。
土よりも松葉、しかも1年生葉でなく2年生葉、3年生葉からAg110mが検出されるのならば、それは呼吸によるものだろうか。
PuやCm,Uなどはどうなのだろう。私が測定を依頼した専門家も土だけでなく落ち葉も調べておられるが、松葉はどうだろう。

自分は当初銀の挙動がPuと似るのではないかと予想し、いわき市の鉄錆の調査依頼をしたときにAg110mも調べて下さるようお願いしたが、
その試料からはAg110mのγスペクトルは見えなかった。銀はセシウム比でみれば南方にも比較的多く流れたようだが、
今回公表された調査結果においていわき市平梅本の松葉からはAg110mは検出されていない。絶対値が小さかったか。
もっともいわきを測定するなら平梅本でなく海岸の松林の方が良いように思う。

[追記 3/11]
「環境試料の測定結果(平成24年1月1日~平成25年1月31日までの測定結果)」の資料がリンク切れになっているのに気付いたので文部科学省に電話をした。原子力規制委員会のページにあるのではないかといわれたので、そちらを探したが見つからなかった。再度電話し、今度はこちらの説明でなんとか資料を発掘していただけたが、見つけていただいた資料は何と本日公表のものだった。自分が問い合わせをしている間に公表されたようだ。なんともすごいタイミングで電話をかけたものだ。













Np239 と Np237 吸入摂取時の実効線量係数の違いについて(昨日の議論は何が誤っているのか)

2013年01月30日 | 雑感
Np239 は、その娘核種のPu239 と比べて吸入摂取時の実効線量係数が、5桁も小さいことの理由が昨日はわからなかった。
Np239は半減期 2.36日(2.33日との記述もみかけた)と比較的短いので、その娘核種のPu239 と大体同じくらいの害が
ありそうなものと思ってしまっていた。

Np237 の吸入摂取時の実効線量係数が気になった。Puと比較してどうなのか。もしこれもPuと比較して低いのならば、
Np固有の挙動が原因かもしれない、そう思った。

Np237の吸入摂取時の実効線量係数を探すのに手間取ったが、Pu239 と桁は同じだった。
・害は放射線の数に比例すると仮定
・ベクレル数は単位時間あたりの放射線の数
・実効線量係数はベクレル数あたりの害の大きさのようなもの
・Np237の半減期は2.144x10^6年
・Pu239の半減期は2.41x10^4年
・長半減期核種なら人間の生存時間によるベクレル数の減少は無視できる
・Np237とPu239の実効線量係数の桁が等しいのは妥当

Np239とPu239の吸入摂取時の実効線量係数についての昨日の考え
・Np239は2.4日で半減する。24日たてば1/2^10=1/1024で3桁も小さくなる。ほぼ全量がPu239になる。
・Np239はPu239と同量ならば害は同程度かそれ以上
この議論に間違いはないが、同量は原子数での話。ここから
・Np239とPu239の実効線量係数はほぼ同じ
とするのは誤謬。ベクレル数が揃っていない。
・原子数が同じならベクレル数は半減期の逆数に比例
これを考慮にいれていなかった。
・原子数同一なら (Np239のベクレル数):(Pu239のベクレル数)=(2.41x10^4x365):2.4およそ 4x10^6:1
Np239のβ線の被曝をどう見積もるのかを除けば、5桁どころか6桁違ってもおかしくない。

「ネプツニウム239は娘核種のプルトニウム239より圧倒的に半減期が短いので娘核種を過剰に心配することはなさそう」
は妥当な判断だったのだ。これを書いたときは感覚的に明らかだったのだろう。現在はその頃に比べて頭が錆びついているのだろう。
原子数とベクレル数の取り違えは、感覚が鈍れば、ありがちな間違いとなるだろう。

昨日の記事は馬鹿さ加減の記録、保存版。
ほとんど読者がいないとはいえ、このご時世で重大な誤りを人目にさらしたことをお詫びする。



Np 239 と Pu239 の吸入被曝の見積もり [誤りあり]

2013年01月29日 | 雑感
[23:51 訂正 いわき23.72uSv/hの時刻を4時に]
[1/30 誤字訂正]
[1/30 訂正のための追記あり]
下記内容には大きな誤りがある。Np239 の娘核種のPu239 の半減期をNp239 と同等に見積もってしまっている。
極めて初歩的な間違いだ。自分のおかした誤りの記述として記録。
-----------------------------------------------------------------------------------------------------------
最近、南方に流れたヨウ素131を心配する声も聞こえてくるようになった。
逆にヨウ素被曝は心配ないとする声も聞こえるが、その根拠はセシウム比を利用しての試算のものもあり、説得力が無いように思う。

そんな情報に接するうちに、Np239 のことが気になりだした。

かつて2011年の5月、大気中にネプツニウムが観測されたという情報を目にしたことがある。自分も話題にしたので
自分の書いた記事を見直してみた。

・アメリカのデータへのリンクは切れていた。
・「ネプツニウム239は娘核種のプルトニウム239より圧倒的に半減期が短いので娘核種を過剰に心配することはなさそう」と
 書いていたが、今思うに、もし大気中にあったのが事実なら心配に値する。どうして心配することはなさそうと書いたのか思い出せない。

かつてNp239のことを専門家に伺ったところ、ある方は「5月にネプツニウムが大気中にあることが想像できない」と言われた。
別のある方は「ネプツはプロでも間違うで」と言われた。γスペクトルでネプツニウムを観測したというデータのあるものは、
セシウムのサムピークを誤読している可能性があり、実際にそう誤読したのではないかと思われるデータがあるのだという。
その件がどう決着がついたのか、自分は知らない。

話しを戻す。Np239 は本当に心配ないのか。
そもそもNp239の放出量の試算値は娘核種のPu239のそれより4桁大きい
吸入摂取の実効線量係数は逆に5桁小さいが、半減期の短いNp239が大気中に漂う間にPu239に変わっていくのだから、
Pu239の吸入被曝はNp239からの寄与も見積もらねばならぬだろう。

2号機ベント3月15日0時、いわき23.72uSv/h が3月15日4時。 放射性物質は4時間かかって原発からいわきに到着したとする。
Np239 の半減期 2.4日。
4時間/2.4日=4/(24x2.4)=1/(6x2.4)=1/(1.2x12)=1/14.4 だからNp239の半減期の1/14.4の時間が経過。
(1/2)^(1/14.4)=0.95
Np239の95パーセントはそのままで残り5パーセントはPu239になっている。[追記 粒子数としては正しい]
1パーセントは2桁落ち。
Np239はPu239より4桁大きい放出だったので、Np239の娘のPu239は、放出されたPu239よりも2桁大きい。
いわきでのPu239の吸入被曝はNp239由来が支配的ということになる。
ではPu239とI131の吸入被曝を比べてみよう。

I131はガス状、粒子状があることが知られ、Np239はおそらく粒子状だろうが、挙動に差はないという
乱暴な仮定をする。さらに、面倒なのでI131はいわき到着まで減らないものとする。


放出量の試算値
Np239が7.1x10^{13}Bq。
I131が1.4x10^{17}Bq。

Np239はI131より4桁小さい量が放出され、4時間かかってその2桁落ちた量がPu239になっていわきに到着。
I131より6桁小さい量のPu239を吸うことになる。

吸入による実効線量係数

Pu239が1.2x10^{-4}。
I131が7.4x10^{-9}。

I131よりも、5桁大きい実行線量係数を、6桁少ない量にかけて、1桁小さいPu239の吸入被曝となるのがいわきの場合。[誤り 更にNpとPuの半減期の違いによる考慮をすべき]

到着まで8時間とすれば0.95x0.95で約0.9。Np239の1割がPu239。I131より5桁小さい量のPu239を吸うことになる。
以下いわきの場合と同様にすれば吸入被曝はI131とPu239と同等。
吸入に関して言えば、ヨウ素131の被曝に対してPu239の被曝は無視できない大きさと見るべきかもしれない。
計算間違いや勘違いがあるかもしれないので後で見直すつもり。[勘違いがあった]


計算違いがあれば馬鹿さ加減の記録。
計算違いがなくても Np239 を心配すること無さそうとのかつての判断ミスの記録となる。
[追記 勘違いによる馬鹿さ加減の記録となった]

霧箱予備実験失敗

2013年01月29日 | 雑感
1月25日(記載は1月29日)

薬局で無水アルコールが手に入ったので霧箱の予備実験を行ってみることにした。
ドライアイスはまだ手に入れる段取りがついていない。
隙間時間で作業をするにはドライアイスを保存する必要があり、
そのためのいいアイディアがないので、真剣に入手方法を検討する気にならない。
ドライアイスを使用するのは蒸気の温度を下げて飽和蒸気をつくることだと
理解したので、逆に十分温度の高い蒸気をそこそこの低温にさらせば飽和蒸気を
作れるのではないかと考えた。朝晩の冷え込みを利用して鉄板を冷やし、
熱湯で無水アルコールを温め蒸気を作り、箱の中に入れた冷やした鉄板近辺に
飽和蒸気ができるのではないかと考えた。対流はあるだろうし、鉄板に結露するだろうし、
うまくいかないだろうと思ったが、現在あるもので試してみようという衝動を
おさえられなかった。
 箱の中に無水アルコールで湿らせたティッシュを置き、袋に入れた無水アルコールを
熱湯につけ、袋の口を箱に開けた穴に通してアルコール蒸気を箱に導く。
箱の上面を覆うラップフィルムの一部は蒸気で曇る。鉄板もうっすら湿った状態に
なった。そうなる前にα線の軌跡が確認できることを期待したが駄目だった。
飽和蒸気にならぬうちに蒸気が鉄板に触れて結露するのだろう。
鉄板を線源と冷却源の双方に利用できないかと考えたがやはり筋が悪すぎた。

線源を変えて、袋にいれたいわきの土にしてみたが、
β線の軌跡も観察できなかった。飽和蒸気がうまくできていないのだろう。

次は塩化カルシウムと氷で冷却してみようか。
それに失敗したらドライアイスの入手を考えるか。

いわき市の野ざらし鉄板のα線測定

2013年01月24日 | α線カウント
1月24日 晴れ 

今日は ALOKA TCS-232B スケーラーモード6秒でいわき市にあった野ざらし鉄板の
α線測定を100回行うことにした。

長くなるがその経緯を説明する。

随分前からInspector+ でα線を検知したといえるかどうかを判定しうるかどうかを
身近にあるいわき市と高知県の野ざらし鉄板で検証に取り組んでいる。
数か月前は単純に紙による遮蔽で差をとって3σ法でいいと思っていた。

ところがある方が紙による遮蔽では結構βが遮蔽されてしまうと教えて下さった。
自分は全くの不勉強でそれを十分認識していなかった。
そこでどうすれば良いか方向性を見出すために色々思いつく実験を行った。

まずお手軽に室内で測れるいわき市の鉄板では10分程度のカウントでは
カウント数が大きく、誤差も結構影響を及ぼしそうだったが、この分なら
高知県の鉄板ならβやらγやら少なそうだから10分程度のカウントで
うまくいくのではないかと予想した。

しかし、高知県の鉄板でも、あまりはっきりとした差が出なかった。

そこで計測を繰り返したときに値がどの程度ばらつくのかが気になり、
Inspector+で10分間のタイマーモードを16回、20回と試してみた。
ばらつきは大きく、ポアソン分布とは言えないような状況だった。
測定誤差が入り込んでいると判断した。

数日前にも書いたが、計測中に何の気なしにネットを調べているうちに
ラザフォードがPo210から出るα線をZnSシンチレーターで発光させ
その数を2600回ほど数えた
ことを知った。

そこで、ラザフォードを偲ぶと同時に、なんとなくでよいので、
短時間におけるα線の検出回数はポアソン分布とわかるような測定をしてみようと
思い立ったのである。

今日は主たるα核種がPo210ではないかと考えているいわき市にあった野ざらし鉄板を
ZnSシンチレーター搭載の ALOKA TCS-232B を利用してα線測定することにした。
スケーラーモード6秒を100回繰り返し、カウント回数の度数を記録。その分布が
ポアソン分布に近いものになるかどうか。

6秒間でのカウント回数 度数
0 16
1 32
2 28
3 10
4 10
5 3
6 1

平均1.79 分散 1.85

平均1.79のポアソン分布の確率分布をオンラインで調べると
0 0.1669601697
1 0.2988587037
2 0.26747854
3 0.1595955288
4 0.07141899912
5 0.02556800168
6 0.00762778717

確率分布に100をかけて整数値に直した理論値(合計を100にはしなかった)と
測定値を比較すれば

値 測定値 理論値
0 16 17
1 32 30
2 28 27
3 10 16
4 10  7
5 3  3
6 1 1

3回の頻度が少ないが大体あっている。
今回の結果ならポアソン分布でよかろうという気がする。
本当は更に試行を重ねて検証すべきだが
ラザフォードのように2600回とかやる気はない。

以前、いわきにおいてTCS-222でα線計測していた時に、何日間か測定中にたまたまそばにいた人が
いて、「カウントが大きい日はピピッと続けて音がすることが多いですね」
と言った。親子ともども短半減期の核種を含む降雨後などはそうなるだろう。
今回の計測でにらめっこしているとやはり「ピピッ」「ピピッ」と2回ずつカウントするようなことが
結構あり、印象に残った。するとPo210 だけでなく短半減期核種もあるのだろう。

ドライアイスとアルコールを入手して霧箱実験のようなこともしてみたい。
松葉状の軌跡も観察できると思う。
それとも18cpmでは線源としては弱いだろうか。

Sr と U

2013年01月23日 | 雑感
1月23日 [17:04 文言訂正]

久しぶりに放射性核種の生体濃縮について調べてみた。
オオハネモという藻類はSrを取り込むらしい。
タコの鰓心臓は U を取り込むらしい。

オオハネモは茨城には多いらしい。Sr を調査したりはしていないのだろうか。オオハネモは
福島県では見つかっていないのだろうか。

福島県産のタコは食用として流通しているので一定量捕獲されているのだろうが、事前に鰓心臓を
取り分けて調査するなどしていないのだろうか。
いずれの疑問も自分はネット上で回答を見つけることは出来なかった。

緊急性は高くないかも知れぬが調査の意味はあるように思う。

ヨウ素129も土壌は調べているようだが、樹木の移行などは調べられているのだろうか。
もっと早く調査が行われ公表されていいように思う。

この難局にあって知を集結することが必要と思うが、十分には集結していないように思う。

原発事故時の注水をコンクリポンプ車で行うのは一個人のアイディアだった
ことを時々思い出す。

いわき市の野ざらし鉄板のα線測定

2013年01月23日 | α線カウント
1月23日 曇り 15時半過ぎから薄日さす

天気があまり良くなく、外の測定にあまり気のりがしない。
雨は降っていないが降雨後の影響を調べるにはむしろ計測の
良い機会ということはわかってはいるのだが。
室内での測定をすることにした。

いわき市野ざらし鉄板
Inspector+ タイマーモード10分 密着 
3688,3815,3649,3751,3775,
3750,3748,3878,3748,3840,
3788,3716,3767,3791,3951,
3773,3663,3854,3952,3792,

標本数 20
平均    3784.45
標本分散 6305.2475

ポアソン分布にしてはどうも分散が大きすぎる気がする。
昨日の計測値と合わせるとさらにひどくなる。
10分間に3800程度の数を数えるのだから計測の誤差が入り込んで当たり前か。
ポアソン分布を考えるにしては平均を大きく取りすぎていて
測定器の誤差も含めてしまっているということだろうか。
これも自分の馬鹿さ加減の記録となろうか。

時間がとれたらラザフォードを偲んでZnSでPo210と思われるα線を測定してみようか。
1分間20カウント程度だから6秒で2カウント程度。
6秒のスケーラーモードで繰り返し測定すればよいか。

いわき市の野ざらし鉄板のα線測定

2013年01月22日 | α線カウント
1月22日 曇り時々雨

昨日、高知県の野ざらし鉄板を久しぶりに測定した。
いわき市の野ざらし鉄板に比べ格段に格段にβ汚染は少ないと
考えられるので、Inspector+による測定で、密着と紙一枚による
遮蔽では明確に差がでるのではないかと予想したが、自分の予想よりは
差が出なかった。距離による遮蔽では外れ値と思えるものもあった。

今日、再測定を考えたが天気が悪い。そこで、室内でできる測定をすることにした。
特にアイディアも浮かばなかったので、いわき市の野ざらし鉄板の測定を何度も
繰り返してみようと思った。

いわき市野ざらし鉄板
Inspector+ タイマーモード10分 密着 
3879,3741,3749,3629,3715,
3659,3606,3640,3697,3618,
3625,3608,3648,3609,3742,
3587

平均 3672
√(平均)60.59702963
標本分散 5581.375
不偏分散 5953.466667

ポアソン分布では平均と分散が一致するが分散大き目のように思う。
ポアソン分布に従う分布から抽出した標本のの標本分散なり不偏分散の分布が
知られているかどうかは知らない。仕方がないので少ない標本数を大きいとみなし、
いくつかの仮定を積み上げ、数字遊びに過ぎないことは承知の上で、少し計算してみる。
大きいとは言えない標本数16を無理やり十分大として平均3672のポアソン分布を
近似的に平均3672分散3672の正規分布とみなす。
母平均は既知であるので、
(偏差)^2 /(母分散) は自由度が標本数16のカイ二乗分布に従うとみる。
オンラインで使えるカイ二乗分布の確率計算のページ
自由度16のカイ二乗分布の下側累積95%点を求めると 26.3
(偏差)^2 /(母分散)=16x5581.3/3672=24.31971678
であるから、大きいとはいえ、ぎりぎり下側95%には収まっている。

「放射線 ポアソン分布」で検索をかけてみたら、
ラザフォードがPo210から放出されるα線をZnSシンチレータにより発光する回数を計測したとの記述があるページ

を見つけた。時間を計測しながら顕微鏡を使って数えたらしい。退屈と思える計測に時間をかけて取り組んだ偉人に
しばし思いを馳せた。いわき市の野ざらし鉄板上の主たるα核種はPo210であろう。
上記ページを見つけとき、今日はZnSシンチ搭載のALOKA TCS-232B による測定をしていなかったことを少し残念に思った。

高知県の鉄板等のα線測定

2013年01月21日 | α線カウント
1月21日 曇り

外で小一時間測定した。

高知県の野ざらし鉄板

ALOKA TCS-232B
密着      183/10min
コピー用紙1枚   2/10min
約10mm 浮かし  74/10min

Inspector+
密着      699/10min
コピー用紙1枚 640/10min, 637/10min
約10mm浮かし  684/10min,
約20mm浮かし  703/10min,
バックグラウンド(約1m浮かし)  470/10min

バックグラウンド Horiba Radi1100
0.059-0.077uSv/h

・Inspector+ の密着と紙1枚遮蔽はもう少し明確な差が出ると
 予想していたがそうはならなかった。
・約20mm浮かしは外れ値か。

いわきの野ざらし鉄板
Inspector+
密着 4025/10min


いわき市の野ざらし鉄板のα線測定

2013年01月20日 | α線カウント
1月20日 晴 

α線の空気による遮蔽あるいは距離による減衰の測定を試みている。
狙いはInspector+でα線を検知したと判断できる測定法の確立。

自分が測定している鉄板の主たるα核種は自然由来のPo210であろうというのが
現在の自分の結論ではあるが、
・微量とはいえ鉄錆からPuも検出され、α核種について
 十分な調査が行われているとは言い難い状況
・Po210も身近にあって嬉しい核種ではない
ということから、高価なZnSシンチ測定器でなくてもα核種の存在可能性について
ある程度のことがわかることは意味のあることであろう。

ALOKA TCS-232B 約1cm(後ほど測定)浮かし 469/10min
ALOKA TCS-232B 密着    1109/10min

割り箸の太さ程度の距離ではそれほど減らないという感覚だったが
1cm程度の距離をおけば半減ということか。

明日は出来れば高知の鉄板を測定したい。
現在はいわき市にあった野ざらし鉄板を測定しているが、
これは現在屋内に置いてあるという理由が大きい。
その気になれば仕事の片手間に測定できる。
屋外にある鉄板ではそうはいかない。高知県でみつけたα線を
検出する鉄板は部屋に持ってこれないものばかり。
高知県は2011年4月西日本で1番セシウムが降ったとされるが、
TA100Uでは今のところ明確なピークを見つけられない。
高知県の鉄板はβ汚染されていないとみて良いだろう。
だとすると高知県の鉄板の方が遮蔽による明確な差が
でるであろう。Inspector+ で密着、トレーシングペーパーによる遮蔽、
1cmか2cmの浮かし計測を各10分計測ぐらいはやってみたい。
時間がとれるか。

いわき市の野ざらし鉄板のα線測定

2013年01月18日 | α線カウント
1月18日 晴 [計測中のものについては後ほど追記予定][13:19 誤記修正、追記]

このところα線とβ線の遮蔽の切り分けに取り組んでいる。[追記]
今日は空気による遮蔽を試そうと思う。鉄板は無限平面ではないので
距離による減衰の影響は無視できないとは思う。

ALOKA TCS-232B で2-3cm 浮かしで数分試したら数カウントしたので、
とりあえず5cm 程度の浮かし計測をすることにした。
その距離を稼ぐ手頃なものとして梱包用テープ2巻を利用することにした。
鉄板にコピー用紙を少し離して置き、それぞれの上に梱包用テープ1巻を置き、
更にそれぞれの上にコピー用紙を置き、測定器を乗せる。

TCS-232Bは検出部の有効面積が減るがInspector+は減らないようにした。


ALOKA TCS-232B スケーラーモード
空気 50mm程度(後ほど計測)で遮蔽 1/10min

通常、密着測定で20/1min程度だからα線は十分遮蔽出来ているとみてよいだろう。

Inspector+ではコピー用紙でもトレーシングペーパーでもアルミ箔でも1枚遮蔽なら
18-19k/h 程度。α線は遮蔽できているとみなしてよいがβ線も一部遮蔽されているのか
そしてさらに制動放射をしているのだかはわからない。βを測れるTCS-362があれば
少しは面白い計測ができそうに思うが今は仕方ない。

今までの計測で制動放射があるか今回の計測では距離による減衰があるかすれば
Inspector+による測定値は18-19k/hよりも小さくなるはず。果たしてどうなるか。

Inspector+ カウントモード
空気 50mm程度(後ほど計測)で遮蔽 11.22k/h

とんでもなく小さくなった。バックグランドを計測してみることにする。

Inspector+ カウントモード
汚染は無いと思われる机上に直置き 1619/h

別の場所で再度バックグラウンド計測。

Inspector+ カウントモード
汚染は無いと思われる机上先程と別の場所に直置き 1813/h

Inspector+ カウントモード
空気 20mm程度(後ほど計測)で遮蔽 18.07k/h ※下駄には2つの消しゴムを利用


ALOKA TCS-232B スケーラーモード
空気 20mm程度(後ほど計測)で遮蔽 198/60min


いわき市の野ざらし鉄板のα線測定

2013年01月17日 | α線カウント
1月17日 曇り [計測中の測定は追記予定]

この数日は紙による遮蔽を試していた。
今日はアルミホイルによる遮蔽を試そうと思う。

Inspector+ カウントモード
いわき市の野ざらし鉄板を高知県の室内に置いたもの 

アルミホイル1枚で遮蔽 18.91k/h
アルミホイル2枚で遮蔽 18.65k/h
アルミホイル4枚で遮蔽 15.81k/h

アルミホイル2枚で遮蔽 17.86k/h
アルミホイル1枚で遮蔽 18.07k/h

●アルミホイル1枚遮蔽の結果を見た感想

今までの計測では遮蔽なしで20-22k/hであるということ、
ガラスバッジ測定でβがXγの3倍程度ということがわかっていることから
アルミホイル1枚遮蔽では結構値が落ちるものと予想していたが、
自分の予想よりもはるかに高かった。

そもそもアルミホイル1枚程度ではβはあまり遮蔽できないのかも知れないが、
どの程度遮蔽されるのかは勉強不足で知らない。それとも「制動放射」だか
何だか忘れたがアルミホイルにあたった放射線が新たな放射線を生んでいるのかも
知れない。お勉強は後ですることにしてとりあえず計測続行。

にわか勉強。
「透過力は弱く、通常は数 mm のアルミ板や 1 cm 程度のプラスチック板で十分遮蔽できる。ただし、ベータ粒子が遮蔽物によって減速する際には制動放射によりX線が発生するため、その発生したX線についての遮蔽も必要となる。遮蔽物に使われる物質の原子番号が大きくなるほど制動放射が強くなることから、ベータ線の遮蔽にはプラスティックなどの低原子番号の物質を使い、そこで発生したX線を鉛などの高原子番号の物質で遮蔽する、という二段構えの遮蔽を行う。」
以前 EL-25 で原発事故前の非汚染水から結構な値の放射能が検出されたときに遮蔽についてにわか勉強したのだが、忘れていた。自分の馬鹿さ加減も記録として残しておく。

そもそも厚みが足りていないので、方針を変えねばならない。

●アルミホイル2枚遮蔽の結果を見て

アルミホイル1枚遮蔽の結果を見て、にわか勉強をしたら、方針が間違っていそうだから計測中のアルミホイル2枚遮蔽の実験をやめようかと思ったが、やめなくて良かった。紙1枚とアルミホイル1枚の遮蔽の結果がほぼ同じなのに、紙2枚とアルミホイル2枚では紙2枚の方が遮蔽効果が高かった。正直驚いた。これも自分の馬鹿さ加減の記録となるのだろうか。とりやめるつもりだったアルミホイル4枚遮蔽も遂行。

●アルミホイル4枚遮蔽の結果を見て

アルミホイル2枚遮蔽を再計測すべきように思い、実行。

●アルミホイル2枚遮蔽再計測の結果を見て

時間的に最後となる計測をアルミホイル2枚遮蔽と1枚遮蔽のどちらにするか少し迷った末に1枚遮蔽に着手。

ヨウ素129

2013年01月16日 | 雑感
[記憶に頼って勢いで記述した。出典等については追記予定。]
[1/17,1/20ミスタイプ修正]

先日、NHKで消えたヨウ素131を追う番組があった。
3月15日原発南方に流れたヨウ素は雨などがなかったので通過したようだ。
これにどうせまるのか。

原発事故などで環境にばらまかれる放射性物質はガス状と粒子状とあるらしい。
ガス状のものは特に捕捉が難しいようだ。

そのことと関連するかもしれないデータがある。
文部科学省のダストサンプリングで3月18日(だったか)半減期の短いヨウ素132が検出されているのに
ヨウ素131が検出されていないデータがある。3月18日の福島市などのダストサンプリングのデータ。
ヨウ素131が検出されていないのに、それよりも半減期が短いヨウ素132が検出されている。
このことを説明する自分なりの仮説はこうだ。
ヨウ素132は粒子状でヨウ素131はガス状であったとし、なおかつ、そのときのダストサンプリングは
ガス状のものを補足しにくいものであった。ヨウ素132の親核種はテルル132で、
これはガス状になりにくいようだから、この仮説はあり得るように思う。

話しがずれたので戻す。通過したヨウ素131をどう見積もるか。
仮に補足されにくいガス状のものだったらどう追うのか。
自分なりに考えていたアイディアがあった。

素人考えだが、通過したヨウ素131に迫る切り札は、ヨウ素129と植物。

文部科学省は半減期が1570万年のヨウ素129の調査をしている。
ガス状のヨウ素も植物に呼吸によって取り込まれているかもしれない。
東京農業大学 林隆久教授によれば、「ヨウ素は植物の細胞壁糖鎖キシログルカンに結合」
するそうなので、ヨウ素129は地面には残らなくても植物に残っている可能性がある。
呼吸による被曝を見積もるのにも丁度良さそうだ。

このようなことが番組で示されるのかと思ったのだが予想は外れた。

文部科学省によるヨウ素129の調査は2月に公表予定とのこと。森林なども調査していれば、
消えたヨウ素131に迫れるのではないかと期待している。

様々な核種のマップが精密になれば、汚染のタイミングや、
様々な核種の分布の予想に役立つように思う。


専門家に調査していただいたいわき市の鉄錆から検出されたPuは微量だったが、
Pu238/Pu239+240=0.8で原発由来と考えるのが妥当とのことだった。
これは3月15日とみるべきか3月21日とみるべきか。

鉄錆近辺の土壌、文部科学省調査でヨウ素がセシウム比で高かった土壌の調査も
依頼していてその結果を心待ちにしているが、まだ先になろうから、
その前に新たなヨウ素マップを見て考察を深めたいものと考えている。

核種の考察をしていると、南岸低気圧が来ていて大雪を心配した3月14日の夜や
心配していた雨が降った3月21日のこと、異常と思えるデータを測定したときのことなどを
思い出して具合が悪くなる時がある。数日前の南岸低気圧とヨウ素のことを
考えていたら具合が悪くなった。これを書いた1月16日は勢いのままに書ききることができた。








いわき市の野ざらし鉄板のα線測定

2013年01月16日 | α線カウント
1月16日 晴れ [日付を間違っていたのを訂正]

このところ紙による遮蔽の厚さを変えて放射線を測定している。
β線も紙による遮蔽が無視できない場合があるとの指摘を検証しようと
してのこと。まずは厚さを変えてどの程度測定値が変わるかみようと
思い、単純に紙を1,2,4枚挟んでみた。

正直なところ、紙4枚挟んだだけでカウントが半分になるとは思っていなかった。
βかどうかはわからぬが紙でも遮蔽の厚さが随分影響する可能性は確かにある。
ただし、単に紙の上に測定器を乗せているだけなので、遮蔽の厚さだけでなく、
距離も数値の変化に影響を与えている可能性がある。

そこで今日は計測部については遮蔽せずに、紙4枚の厚さで下駄をはかせて
浮かす測定もしてみようと思う。

きちんと比較をしたことはないが、ALOKA TCS-222 による測定では、
割り箸によって浮かし計測をした場合、密着の半分になったなど
ということはなかった。

Inspector+ の浮かし計測は素通し計測とそう変わらぬ値になると
予想する。


Inspector+ カウントモード
いわき市の野ざらし鉄板を高知県の室内に置いたもの 

 浮かし 21.21k/h
==================


予想通り紙4枚分の浮かし計測は密着の測定とそう変わらぬ値になった。
そう結論づけるには何度も計測を行うべきだろうが、その手間が惜しい。
当初の測定予定だった、遮蔽無と紙4枚遮蔽はやめることにし、
紙を薄くする方向で測定する。今までは単に紙と書いていたものは
コピー用紙であった。トレーシングペーパーで遮蔽してみる。

まずは予備実験。

ALOKA TCS-232B スケーラーモード
いわき市の野ざらし鉄板を高知県の室内に置いたもの 
(数日前のTCS-232Bの測定、本日のInspector+の測定と
 同一鉄板だが測定位置は異なる)
トレペ一枚で遮蔽 2/10min

先日の測定値は

1167/60min (遮蔽無)
9/60min (紙一枚で遮蔽) 

であり、そのときの紙一枚遮蔽の測定値を一分換算にすると
9/60min=0.15/1min なので、今回のトレペ1枚で遮蔽は
α線を遮蔽できていると見ても良いだろう。

これも何度も計測すべきだが、今は測定の方向性を考えている段階なので
よしとする。

Inspector+ カウントモード
いわき市の野ざらし鉄板を高知県の室内に置いたもの 
トレーシングペーパー1枚で遮蔽 18.58k/h
トレーシングペーパー2枚で遮蔽 14.30k/h

ALOKA TCS-232B スケーラーモード
いわき市の野ざらし鉄板を高知県の室内に置いたもの
(数日前のTCS-232Bの測定、本日のInspector+の測定と
 同一鉄板だが測定位置は異なる)

トレペ一枚で遮蔽  9/60min  
遮蔽無      910/60min