彼らの表現や欲求や要求を我々に解るように変換(翻訳)する作業。

2005-10-02 20:22:33 | 20XX年うつうの旅
前にも書いたが、自閉症児と密接に関わる仕事をしている。基礎知識が全くないので、経験を持った人が親切に教えてくれる。昨日はパワーポイントで作ったアニメーションで説明してもらった。凄く分かり易かったし、よっぽど、僕は勉強していない人だと思われていることも分かった。

それは外国旅行を模して、自閉症者の心の中を表したものだ。

①舞台はインド。

②そこを旅する太郎君。

③太郎君は腹が減ってカレー屋に入る。
*インドでカレー屋以外を見つけるのは結構大変、今は知らんけど。

④カレーを注文するとそれを左手で食べてしまう。
*まずは熱くて普通の日本人は手では食べられない。

⑤それを見ていたインド人激怒!
*インド人はそんなことでは怒らない。インド人の若者はナンを普通に両手でちぎって食べる。

⑥太郎君を「"#$%&@:%Dj;!!」って怒鳴りつける。

⑦太郎君はビックリして「"#$%&@:%Dj;!!」って、同じコトバを言ってしまう。
*確かにわけの分かんない時は繰り返してしまうが、語尾を上げることと「分かんないよぉ…」っていう表情を忘れてはいけない。

⑧インド人は注意を聞き入れてくれたと思いその場を立ち去る。
*語尾をあげないから理解したと、そりゃ思う。

⑨また、左手で食べる。(太郎君は左利き☆)
*今度は冷めたから平気だ。

⑩インド人また怒鳴りつける。

⑪太郎君は何で怒られたのかが分からないまま、パニックになってしまい、逃げる。


こんな感じだった。因みに「*」は僕の突っ込みで本筋には関係ない。

よく出来たいい話だと思う、自閉症者と接して疑問に思うことが全てこれで説明されているし、パニックに陥る必然性が分かる。「パニックを起こす時は何らかの原因が周りの状況に潜んでいる」ということを言いたかったみたいで、それを「見つけろ!ってか、感じろ!」ってのも言いたかったのだと思う。

やはり、我々のルールおよび文化とは違うものを持っているらしい。それを何とかコントロールしているのは「習慣付け」ってだけで、犬に芸を教えるのと変わりない。(犬からしてみれば「お手!」の動作なんか必要ない。)画や写真を使った支援方法も結局の所はツールでしかなくて、やはりこちらのルールを押し付ける意味合いが強い。う~ん、なかなか難しい。

彼らの表現や欲求や要求を我々に解るように変換(翻訳)する作業。

逆の場合もあるけど、多分…これでやっとスタート地点なんだ。(それにしてもこれには膨大な時間がかかるし、理解度の個人差もあるのでやっぱり病因を突き止めることが出来れば道が拓ける感じがする。)政策のことは知らないけど、重度の自閉症者を受け入れる社会整備は当分先の話だ。
だって、スゲー!始まったばかり臭いんだもの。


インドの後、支援方法のレクチャーを受けたが、やっぱり手探り感を拭い去ることは出来なかった。多分、僕が経験不足で勉強不足なだけなんだと思うけど、余りに広大で深淵で、照らす光も無くて、ホント!途方もない。

あっ、でも今思い出した。そう言えば?ある人が言ってたんだけど、
統合失調症の人が居辛い場所ってのは、健常者もなんだか居辛い場所なんだって

となると、とりあえず「快適さ」の垣根は多分ないんだよ。これもいい話だね。
まぁ…全然、自閉症とは関係ないかも知れんけど、関係がありそうな匂いはする。


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