はぐれ書評: 「平面いぬ。」乙一

2005-10-04 00:36:05 | 散らかって、活字中毒
インドの話を模して自閉症の解説をしてくれた人が「乙一マニア」です。
小説の話でお互い盛り上がり、そんな話になりました。

彼が貸してくれたのが『夏と花火と私の死体』と言って乙一の処女作、『GOTH』を甘くしたようなミステリー?でした。因みに、僕は『ZOO』とかは雑誌で知ってはいたんですけど読んではいなかったんですね。

僕が乙一を知ったのは、確かCUTのインタビュー記事だったと思います。
いやぁ!今、思い出してもそれは衝撃だった。

彼が参考にしたのはハリウッドのシナリオの書き方だったと言うのですよ。
エイリアンでは当初は最後の脱出シーンはなかったらしいんですね。ところが、監督は「テンポが悪くなるから」って、脱出シーンを入れたんですって。テンポだってテンポ。ビックリです。んで、文章にもリズムがあるんじゃねーか?って思って、それを参考に書き始めた。仕舞いには「才能なんて要らない…努力だ」って仰っていました。カッコイイですね、決して皮肉でもなんでもなくて。

映画を参考に小説を書くなんて、革新的じゃないですかぁ?新人作家のアイデアとしては群を抜いているでしょう。

興奮しました…。そして、寂しい気持ちになりました。

そうそう、『平面いぬ。』
これは短編は4作入っている非常に読み易い作品です。

夏と花火…は、面白かったけどGOTHって最近のを読んでいたから、ドキドキはしなかった。ビックリもしなかったし、「ほぉーお」って感心もしなかった。

そんなところに、我が家に転がり込んだ『平面いぬ。』
これ、良かったですねぇ…。「良かった」とか、文芸好きみたいで良くないですね。ここは素直に「面白かった!」ってことにします。

僕は妄想が8年もの間続く『はじめ』が面白くて面白くて、何だか自分が若返った気になりました。そういえば、幼少期は妄想はちゃんと映像になっていました。アニメのヒーローには30秒位では変身できましたし、南を彼女にすることも30秒で出来ましたし、北斗百裂拳も30秒位でマスター出来ました。原子力潜水艦で太平洋艦隊から離脱することも出来たし、自分の妄想ではさ。

多分、男の子は妄想を少しずつ消して大人になるんですかね?それとも、人間が?それとも、女の子も?その後、妥協っていうテクニックを身に付けるんですかね?テクニックを習得出来ず、そうはなっていないけどね。

でも、30秒でラオウにはなれなくはなった。



書評って…。これじゃ、日記じゃん!日記。

まぁ、皆さん読んでみて印税いれてやってください。


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6 コメント

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乙一!!! (ババニワババデ)
2005-10-04 21:13:40
即反応です。私も彼の作品には心打たれた一人です。今は『暗いところで待ち合わせ』を読み始めていますが、無駄に忙しいこともありなかなか進んでいません。

が、期待が大きい分にそこそこ先が見えると・・悔しく思うのは彼の『GOTH』が傑作だからでしょうか。

女の子も妄想に生きているのではないでしょうか。私としては銀河の息子に会える気がして奥羽山脈を行ったり来たり・・・。

いや、人間さまざまな人がいてるんですがね。先日の『何のために(誰のために)生きるか・・。』といった人がいました。これも自分とは違う考え方の一つだと思わないと職業的にだめじゃないのかと考えることができました。

否定的に訴えたことに少々反省です。

生まれつきガサツな為、男心や女心が分からずに成長し困っている三十路前です。

女の友達がほしいところです。

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誰がために鐘は鳴る。 (hanamizu)
2005-10-05 22:40:02
まぁ、ナルシストなんでしょうね。薄いナルシスト。一期舎さんもナルシストだけど、方向がいいですよね。最短距離でナルシストって感じで。僕みたいに自分を貶めて貶めて、一周して!エクソシストって、感じですよね。
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徹底できれば力技! (いちごや)
2005-10-06 22:15:27
いやあ、もう酸素供給量が間に合わないくらいの短距離ナルシストの一期舎です。

ナルシストを徹底しようとしているうちに、そうでないものと区別が付かなくなってきて・・・。いつの間にか社会生活を平気で営んでいるから不思議です。

どうにか世間様にご迷惑を掛けない用にと気遣いながら生活していますが、なかなかそれも難しく、今わしに出来るのは迷惑かけつつもそれと気づかれないように演出することだけです。



ところで乙一って知りません。

すんません不勉強で。今度貸してください。読んでみます。
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待っていました。 (hanamizu)
2005-10-06 22:28:11
酸素の心配はありません。貴方が住んでいる地は何よりも酸素に恵まれています。思う存分酸素を吸い込み、思う存分二酸化炭素を吐き出してください。確か、税金はかからなかったと思います。ちょいとマニアなhanamizu

ですので、訳の分からない話も出てきます。ちょいとマニアな一期舎さんも、薦めたいものが沢山あるはずです。乙一も貸しますし、何か貸してください。ちょいとマニアが増えることを期待して、まだまだ続けるつもりですのでご安心を。



PS:そちらに預けてあったギターを勝手に弾いて…弦を飛ばしてしまいました。古かったので僕の過失は認められません。



が!気が重いので、近日中に交換に参上します。
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ドラゴンスクリュー (マッチョドラゴン)
2005-10-14 23:44:00
どうも、私も乙一に魅せられた男です。

私は「夏と花火と私の死体」がたまらんです。だってタイトルが「夏と花火と私の死体」ですよ。。「酒と泪と男と女」よりセクシャルで、「部屋とYシャツと私」よりバイオレットで、「ドラゴンスクリューとドラゴンスクリューで四の字固め」のように膝の痛みが伝わってきそうなタイトルなんですよ。さてさて

「GOTH」と「夏花」を比較すると、「GOTH」は武藤のドラゴンスクリューのように華麗ですよね。それに比べると「夏花」は藤波さんのドラゴンスクリュー的に写るかもしれません。藤波さんが必死に僕の足に巻き付いて回っちゃってるから、一緒に倒れなきゃマズイよね、、ってな感じですかね。

けど、あの水田に隠れる感じとか、暗やみを必死こいて逃げる感じなんか、子どもの頃のイッぱいイッぱいな毎日を思いだしちゃうんすよ。小さな頭から産まれた妄想、その妄想から産まれた大義、大義実行のために頑張っちゃうんだよねぇ、小さな体で。おイッチニおイッチニって。藤波さんのドラゴンスクリューのように。まぁ、実際に効くのは「武藤のドラゴンスクリュー」なんでしょうね。
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おもしょい。 (hanamizu)
2005-10-15 07:43:04
う~ん…おもしょいですね。確かに息遣いは「夏と花火と私の死体とファンキーなリズムと変な髪形とナイスなヒップ」に感じますね。懸命さも伝わりますし。クールな描写はこの時から全開で、確かな非凡さを感じます。おもしょかったです。
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