はなみず君の「知っといて損は無い。」 月刊!山岳民族 2月号増刊

2005-09-22 00:34:28 | はなみず君でコラム
 やっては来なかった…。これって、僕は深く関わっていなかったから、何とも言えないし、勝利を喜ぶタイミングを逃したし、正直今でもピンと来ていない。でも、山に暮らす人間として嫌悪感を抱いたのは事実だ。理念を持たない施策を憂う気持ちがあったのも事実だ。

 以下、2005年月刊!山岳民族 2月号増刊

 

僕らの町に産廃業者がやってくる!
 
 今回、2月号に増刊する形でこれを取り上げたいと思う。雫石町に巨大な産廃処理施設ができるという噂を聞いてさ、山岳民族の考えをここに載せようと。『山を愛する者』として・・・。しかし、イキナリ、壁にぶつかった。我々は何も知らない!ダイオキシン?窒素酸化物?溶融炉?何なんだ!そりゃ?
 知らないで、騒ぐわけにはいかないので基礎的なことを学習した後に立場を明らかにしなければならない。始めから頓挫する形になってしまったが、賛成するにも反対するにも何も知らないで騒ぎたくはないからね。

溶融炉?これが出来るらしい。簡単に説明すれば「ゴミを高温高圧で焼き切って毒素を無くす焼却炉」である。事故などの可能性、危険性をここで扱うには調査が足りないので控える。「頭の良い人たちが、画期的!と思って開発したことに間違いはない」これは、十分に信用に値する。

ダイオキシン(炭素、酸素、水素、塩素を含む化合物)はこの処理によって、ほぼ完全に発生しなくなる。これについての注釈として、上記の元素を含めばいいのだから、ほぼ何を燃やしても発生するんだよね。そして、このダイオキシンっちゅうやつは体内に入ると排出、分解されないって代物です。「完全に焼いた!」って思ってもそこを生き残っちゃうやつだからなかなかしぶとい。ベトナム戦争時の枯葉剤に含まれていたって言うんだから、こんなの聞いちゃうとビビります。

窒素酸化物も発生する。これも、何を燃やしても出てしまうガスだ。急性なんとかで結構身体にも悪い。(東京都は条例で規制したからね)二次的に酸性雨、地球温暖化の話も出てくる。なかなか壮大な話だ。

 以上が、最低限必要な語句だと思う。マイナスイメージのコトバしか出てこなかったのは私の調査能力のせいで、紙面の関係もあることを了承していただきたい。
 まとめると、溶融炉は「焼却」から「溶融」へとゴミ処理を飛躍的に進歩させるモノらしいです。最終段階のゴミの体積が圧倒的に小さくなる。煙はフィルターに通して無害な煙しか出さない。(よく分かんないけど、そのフィルターも溶融炉で燃やすのかなぁ?)まぁ、画期的な代物だ。トラックに満載されたゴミが一握りのスラグと呼ばれる無害な物質になる。いいですね、近代的だ。そういうものらしい。

私も!そこそこ真剣に考えて、こう思ったね。

 大抵の場合、こういったものは危険であったり危険でなかったりするもんだ。不安材料は幾らでも挙げることが出来るし、出来ることでのメリットも同様に幾らでもある。これを、足し算引き算することはナンセンスだ。要は「住民が望んでいるか?」だと思う。もしくは「住民が許容できるか?」私は、大して税金を払っていない住民という身分で言わせて貰う。 「無くていいですよ」 冒険を求め、山に入り深い森を抜けビューポイントに立つ。その時、眼下には巨大建造物・・・。その時、我々は興醒めること間違いない。まぁ、それだけ?!まぁ…それだけです。
 

 自治を考える上での、行政側と住民の意見の食い違いがあることは健全だ。しかし、我々が恐れるのはコンセプトを持たない施策の未来だ。「施策の未来」これにすべて集約されているのではないかと思う。負の遺産というものは、後になって表に出るもので、その例を過去に挙げるときりがない。

 予想もしなかった事態は、出来る前の環境を悪い状況へ追い込み回復不能にしてきた。ここに敏感になることは住民として当然である。(だって、結果的に今より悪くなるんだからね)「予想もしなかった事態」っていうコトバはそういう意味も含まれている。この点の反論を聞いていないからここまで感情的になるのはおかしいですけども・・・。
 
 そんなことよりも「美しい景観を活かす方向」に歩みを向けた方がいい。反対運動に関わっている人達の中には「美しい雫石」に惚れ込んで遠くから移り住んできた人達が多いですよ。社会資源の見直しから始め、それらに付加価値を付け、町を活気付かせた例を近年多く見るでしょ?「帰って来たくなる街づくり、帰ってきたら気付かない間に居ついてしまう街づくりを目指そうよ!」って思う。
 人を呼んで活気のある町にするには『住民が確信を持って、そこに住んでいるか?』が大事で、それは目先の金銭より遥かに価値のあるものだ。住民が「確信」もしくは「優越感」を持つ為に何かした方がいいと思う。「了」


 
 

 何だか、もっと怖くなる日本がある。リズム感のいい人が大声で怒鳴るのに騙された感じがある先の総選挙を想ってです。上記の産廃問題で僕は知らないことを調べて考えた。幾ら陳腐でも僕の頭の中では問題は提起され、解決された。声を大きくした人は何かしらの責任(説明するだけでも…)を負うけども、水面下で進められたこの産廃誘致の話は知る人ぞ知る話になった。

 ヴィジョンを持たない首長は、何を仕事にしているんだろう?


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