⑤Saints in Christianity Art
クロイスターズ美術館・ボッパルトの部屋にあるステンド・グラス。
これは、15世紀頃に造られたドイツのカルメル会教団にあったもので、そこに
描かれた3人の人物は、、左から聖セルヴァティウス、聖母マリア、聖ランバート
とされています。(マリア以外はドイツに縁のある聖人。)
聖人とはカソリックなどの宗派で、教皇によって列聖された人物のこと
と、まぁ、そこにある解説文で、作品の中に描かれた人が誰ということ位は
すぐに解るのですが、その人が一体どんな人?と興味をもった方は、、
是非、昨日ご紹介した本を片手に宗教絵画を扱う美術館へ。(笑)
今日は、、本を持参して観賞するクロイスターズ美術館をレポートします。
①東方三博士の礼拝
3人の人種が異なる男性の姿。これは、、キリスト教絵画の中でも、良く見かける
場面。例えばNYの冬の風物詩ラジオ・シティ・ホールの『クリスマス・スペキュ
タクラー』のラストシーンにも登場する彼等は、未来のユダヤの王が生れたという
星の知らせを受けた、3人の占星術師(一説)とされています。
この三博士を見かけたら、、早速、先程の本を索引!
すると、、このようなことが書かれているのです。
3人の名前は、左からメルキオール、ガスパール、バルタザール。彼らが聖母に
抱かれたキリストに差し出したのは、黄金と没薬と乳香。彼らの内バルタザールは
黒人。またこの本以外でみてみると、彼等はそれぞれ青年・老人・壮年であるとも。
…ということで、3人の男性、一人は黒人。それぞれの手に何かを持ち、
年齢も三段階・・・ということを抑えると、、以後彼らの姿を見つけた時、、
ああ、この人たちはキリストが生れた時に、拝み(マギの礼拝)に行った人達
なんだなーと、わかっちゃう訳なんです。
こんな風に、、サクサクと他の作品を見てみると以下の通り。
②聖マグダラのマリア
「ダ・ヴィンチ・コード」でも話題の人、、マグダラのマリア。
彼女であるが為の決まり事は、、長い髪と香油壷を持っていること。
自分の今までの行いを悔恨し、キリストの足に落とした涙を長い髪で拭い、
その足に香油を塗った・・というエピソードから、香油壷と長い髪が
彼女の持物とされています。(一説)
③聖クリストフォロス
ある日、巨人クリストフォロスは遍歴の杖を持ち、小さな子供を背負って川を渡り
ます。しかし、次第にその肩の上の子供が重たく感じ、子供を改めて見てみると、
それはキリストだった、、というエピソードを持つ聖人。
なんとも、、わかりやすい彫刻!(笑)
④聖マルガリタ(アンティオキアの)
異教の僧の娘だったマルガリタは、キリストを信仰していたためある結婚を拒絶。
その後悪魔の竜に飲み込まれた彼女は、手にした十字架で竜の腹を割き、
飛び出したというお話。(なので、産婦からの信仰を多くもつ)
クロイスターズの彼女の彫刻は腕部分が欠損していますが、おそらくは十字架を
持っていたということが推測できるかと。足元には当然、竜の姿。
⑤聖ロクス
ローマ巡礼中にペストにかかった彼が死に掛けた時、、天使が現れ、犬がパンを
運んできて一命をとりとめる・・というエピソードを持つロクス/ROCK。
(そこから伝染病に対する守護聖人に)
足元には、、かならずパンをくわえた犬。
ということで、こんな風に、そこに書かれた聖人の名前から、本を通してある程度
のことを知ることが出来るというのも、、私が時折楽しむ美術館の観賞スタイル。
こうやって一つずつ決まり事を持ったキリスト教絵画を読み解いていくと、、
近所のワンちゃんの名前が「ロック」だったら、、ああ、あの聖人ロクス/ロック
から名前をとったのね~と、暮しに溶込んだキリスト教にまつわることを、
昨日の話同様に、知ることが出来るんです♪
日本のアンティーク・古い美術作品を辿れば、
やっぱり仏教美術にまつわる物が多く出てきますよね。
それは、西洋アンティークも同じこと。
住宅地の片隅のガレージセールに並んだジャンクの様な品々でも、そこに何らか
の宗教的ルーツを見出すことは、決して難しいことではなかったり・・・。(笑)
「物に歴史あり」
今回の特集は、、まさにその一言を言いたいが為のもの。(笑)
次回は、ようやく私がNYのフリーマーケットで、初めて手に入れたコレクティ
ブルズとクロイスターズで見つけたそのルーツの関係をご紹介させていただきます。
西洋絵画の主題物語〈1〉聖書編 美術出版社 このアイテムの詳細を見る |
明日は晴れたらフリマ点景です♪
+++
“雑貨・インテリアの人気ブログランキング”へ
↑難しいお話が続いてしまいました。楽しい雑貨の情報は是非こちらで♪
本日のNY: 最高22℃・最低12℃予想・湿度43%(1:00pm)
■写真の無断転載禁止■The ban on reproduction of a photograph in this blog.■