9月17日、18日の二日間に渡って、地元浦安マリーナを拠点にミニトン関東選手権が開催された。
1日目にインショアレース3レース。2日目には東京ディズニーシー沖から海ほたる周辺海域に設置された回航ブイで折り返すショートオフショアレースを1レース。合計4レースで勝敗を決める。参加艇は5艇。多いか少ないかは価値観の問題だ。あくまでも関東選手権を懸けた大会である。すなわち選手権保持者である隼チームが関東選手権を防衛するか奪取されるか、それだけの大会だ。充実した賞品や参加艇への手厚いサポートが売りのオープンヨットレースとは違う趣旨の大会であることを忘れてはいけない。
さて、南の風12m/sで関東選手権のインショアレース第1レースを迎えた。
レース海面に向かう途中、ヘビージェノアでいくか、No.3ジブでいくか判断に迷っているうちにどんどん風速が上がってくる。
最終的にスタートはNo.3ジブで行くことを決定。アンダーパワーになったらセイルチェンジすることにした。(結果的にチェンジの必要はなかったのだが)
第1レース
安定した強風の中、スタートラインはほぼイーブンに設定されている。すでにオーバーパワーなのでドライブモードで走りやすい風下スタートを選択。ちょうどラインセンターから艇団の左位置を確保。フリーウォーターは余裕で取れたのだが、スタート前のバウアップのタイミングがやや遅れた。しまったと思ったらさすが強豪ぞろい、ラインにあわせてきれいにバウアップした艇が2艇。半艇身ほど遅れをとってしまった。クローズホールドではNo.3ジブのバーバーホラーのセッティングが悪く、ジブシートの引き込みがうまくいかない。今年からチームに参加したメイントリマーのH田さんもこれほどの風の中で隼では帆走したことがなく私とのコンビネーションもうまく合わない、徐々に風上艇に走り負けてしまう。ポートにタッキングし、バーバーホーラの位置を修正したが強風域では他艇とのクローズホールドのスピード差はほとんどなく、追いつくことが出来ない。さらにフリー帆走中にスピンポールが破損し、スピン展開ができなくなる。残念ながら着順3位、修正3位となる。
第2レース
若干風速があがってきた。メインハリを上げなおし、ジブのバーバーホーラもトリムを合わせてスタートラインに向かう。風下位置で走り負けたので、風上位置を狙う。うまく位置取りができ、バウアップのタイミングもあった。全艇を半艇身ほどリードしてスタート。第1上マークはトップで回航。スピンポールが破損したので、ジブ帆走でサーフィングを試みる。後続艇がスピンをあげるのに手間取っているうちにいくらかリードをとるもつかの間。スピンアップした後続艇が猛追していくる。途中一段と風と波が強まりあちこちでブローチング、スピントラブル、半沈、落水者…まさにサバイバルとなる。第2上マークまでトップ回航。なんとかトップを取りたいとフィニッシュラインに向けサーフィングに集中するが、後続艇がスピンアップし猛追。抜き去られた。着順2位、修正2位となる。あとで聞いたのだが、このとき1位をとったSPRAY艇もスピンポールを破損していたそうだ。あの強風とうねりの中、ポールの代わりにクルーがガイを持ち続けていたとのこと。ガッツだ。今回我々が防衛に失敗した理由のひとつに隼チームにここまでの執念がなかったこともあげれられると思う。
第3レース
強風のまま風は安定している。第2レース同様風上位置を狙う。ハンドリングを少し誤り風上にルームをあけてしまったところSPRAY艇が風上位置に入ってきた。クルーへのジブシートの引き込みタイミングの指示が少し遅れ、加速が遅れる。やはり皆うまい。自分がミスをすると如実にわかる。風下艇団には先行したが、SPRAY艇にやや遅れた。そのまま下先行できず、レイラインに達してしまう。ポートでレイラインをSPRAY艇にカバーされる位置で帆走。2位で第1上マークを回航。スピンアップしているSPRAY艇に置いていかれる。後ろからマニジュ艇がスピンアップして猛追してくる、下マークまで回航時に4位まで落ちる。やはりスピンなしは厳しい。下マークは団子状態での回航、クローズで挽回を図る。第2上マークまでに挽回し、2位で回航する。フィニッシュまでサーフィングに集中。着順2位は守り切ったが、修正で3位になる。
第4レース(ショートオフショアレース)
初日の成績が3-2-3で暫定2位。トップはSPRAY艇1-1-1。残るレースは1レース。いくら体育会系人間の私でも、逆転優勝が数字の上では難しいことぐらいは理解できる。しかし、自力での逆転は無理でも可能性がゼロではない以上、選手権防衛をあきらめるわけにはいかない。レースコースはスバルザカップでなんども走ったコースだ。つい2ヶ月前に真剣勝負をしたばかりの海面だ。レース海面に到着すると7月のスバルザカップとほぼ同じ風速、風向。前回は艇団の右に位置取りし、南西よりから入るブローで高さを稼ぐ作戦で成功した。同じイメージをもって艇団の右側位置でスタート。最終レースということもあり、全艇積極的なスタートとなる。スタート後、音響1声とX旗があがる。自艇はクリアしたと思ったが、すぐに誰も戻らない。一番右側(風上)は自分だ。万一失格すれば逆転優勝の道はなくなる。チェントロ艇、SPRAY艇が戻る。X旗が下りない。これはまずいと戻ろうとするとX旗が下りた。体制を立て直し、クローズに専念。ブローで上らせ、高さを稼ぐ。ねらい通りにGPSメーターが示す進路がマークに向いていく。左に位置する艇団との高さの差が徐々に開いてくる。ちょうどいいタイミングで千葉港から本船がレース海面を横切ってくる。左にいた他艇がポートに返して回避行動をとる、期せずして他艇をカバーできる位置が取れた。その後は他艇を先行する位置でカバーし、ドライブモードで前に出すことに専念。回航マークをトップ回航。あとはランニングで一気に浦安沖へ。最後の最後でスモールボートクラスのステラ艇とファーストホーム争いとなる。あと0.5マイル先だったら抜かれていたと思うがなんとかトップでラインを切る。修正でも1位をとれた。
以上、レースレポートの速報版である。残念ながら選手権防衛に失敗したが、最終レースで一矢報いることができた成果は大きい。
今回の選手権大会で感じたこと、考えたこと、鍛える話はまた後日。