HARUSYO'S WORLD 二宮春将の世界

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二宮春将の歴史小説 卑弥呼の恋人 第8回

2010-12-20 04:53:42 | 日記
「人はなぜ歳を取るのだろう」
 卑弥呼は自問自答したが答えはでなかった。
邪馬台国の最高権力者で欲しい物は何でも手に入る。だが、
「若さを保つ」
 この事だけは卑弥呼の力を持ってしてもどうする事もできなかった。
自分の国の十二、三歳の女の子の光り輝くような美しさを見るとき、自分の心の底にあせりを感じずにはおれなかったのだ。
 そんな時卑弥呼は自分自身を落ち着かせ自分に言い聞かすのだった。
「卑弥呼あなたはこの国の最高権力者、あなたがこの国でいやこの世で一番美しい」
 この儀式を行うと卑弥呼は心の平静を保てるのだ。
「若さを保って行くもの楽ではないが、国を繁栄させてゆくもの楽ではない」
 この事を卑弥呼はひしひしと感じるのである。
 だが、
「だれも助けてくれるものはいない」
 常に、
「孤独と戦っている」
 これが卑弥呼の真実だったのだ。 

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