僕は慎重にチューナーをまわしながら、秘密の放送局を探す。毎日周波数が変わるので、見つけ出すのは難しい。激しい雨音の向こうからようやく話し声が聞こえてきた。僕の目当ては天気予告のコーナーだ。
「××さんからのお手紙です。『最近、土曜日は雨ばかりですが、手を抜いているんじゃないですか』」
「心外だなあ」
「次のおハガキです。『来週の日曜は彼女とデートなので、絶対ぜったい晴れにしてください!』」
「雷雨です。お気をつけください」
「では、あしたの天気予告をお願いします」
「午前中は晴れ。夕方から三十パーセントの確率で雨を降らせるかも」
「なお気まぐれにより天気は変わるのでご了承ください。それではまたあした」
最近分かってきたことだが、神様はちょっとかわいそうな若い女の子のお願いなら聞いてくれる。僕はしたためたハガキで紙ヒコーキを作った。それを窓から空に向けて飛ばす。
来週の日曜日こそは晴れるだろうか。
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「超々短編広場」掲載分
なぜ若い女の子のお願いだけ聞くのかと言うと、500文字の心臓の競作「駄神」の時に考えた作品だからです。
「××さんからのお手紙です。『最近、土曜日は雨ばかりですが、手を抜いているんじゃないですか』」
「心外だなあ」
「次のおハガキです。『来週の日曜は彼女とデートなので、絶対ぜったい晴れにしてください!』」
「雷雨です。お気をつけください」
「では、あしたの天気予告をお願いします」
「午前中は晴れ。夕方から三十パーセントの確率で雨を降らせるかも」
「なお気まぐれにより天気は変わるのでご了承ください。それではまたあした」
最近分かってきたことだが、神様はちょっとかわいそうな若い女の子のお願いなら聞いてくれる。僕はしたためたハガキで紙ヒコーキを作った。それを窓から空に向けて飛ばす。
来週の日曜日こそは晴れるだろうか。
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「超々短編広場」掲載分
なぜ若い女の子のお願いだけ聞くのかと言うと、500文字の心臓の競作「駄神」の時に考えた作品だからです。