花がいっぱい。

どんな花も無心に
咲いているから素敵なんだって。
無心になんかなれないよ。
どれもこれも気になっちゃってるんです

三月大歌舞伎 夜の部

2006年03月19日 | 歌舞伎
18日国立から移動し、歌舞伎座へ。
すでに「近頃河原の達引」は、堀川与次郎内の場になっていた。
今まで見たことのない演目だったこともあり・・哀しげな筋ながら、1度見てみたかった。
四条河原の場は、見れなかったものの、
我當演じる猿回しの与次郎が、2匹のサルを使って哀しげに、二人へ固めの杯をかわさせ、無理と思いつつ落ち延びさせる・・兄の優しさをたっぷり見せてくれた。
十三代目は、梅川忠平でも、孫右衛門を演じていた。
最近では、当代仁左衛門が、何度か演じているが。
十三代目「親としてのやさしさ」を演じることが得意だった(?)ことが偲ばれる。
2階にある写真をみて・・まだ見たことのない「柿右衛門」ぜひ見てみたい!と思うのだが・・。仁左衛門さんより我當さんで見てみたい。

「二人椀久」話題は、菊之助にあつまっていたが、私は今回、ほとんど富十郎の色気のある踊りにみとれていた。若い人と一緒で今まで以上に椀久の色気が頭から指の先、足先すべてに感じられた。そんな椀久だからこそ、遊女に入れ込み・・恋焦がれて夢枕に美しい松山が現れたのでは?と思わされるようだった。
夢枕に現れた菊之助は、やはり綺麗だった。
でもどうしても私の目は富十郎に・・。
菊之助が、珍しく父、七代目菊五郎に似ているな、とは見たのだが・・。
見る前は、身長差がどうなんだろう?なんて心配もして見たのだが、そんな心配は無用。松山は、あくまでも夢の登場。そして富十郎の椀久の踊りが、身長差など関係なく踊りとして見せてくれた。

「水天宮利生深川」幸四郎初役の船津幸兵衛。う~ん。最近、世話物を初役として幸四郎演じることが増えてるいけど・・私の中にすんなり入ってこない。
武士で落ちぶれてはいいのだけど・・・子供が3人いて妻がいないけれど、人がよくて・・生真面目で・・そこまで貧乏になるかなあ?しっかり働いて心中を考えるほど落ちぶれる父親じゃないってイメージのある幸兵衛さんなのだ。役者と役柄が私の中で違う。
だから、さほどの同情もひきかねて・・。
こんな話だったんだ。とあっさり終わる。
最後は、ハッピーエンド?
チラシにはハッピーエンドという文字があったが、
「ちょっとハッピーエンドぽい」というほうがあっているかも。

なにか、夜の部は、すべて気分的に明るさがないまま終わる。土曜の夜にもかかわらす3階A席の後方ががらんと空いていたし・・・「二人椀久」後帰ってしまった人も多く・・
どうしたものだろう?と。
お客層も、年齢高め・・かも。PARCO、コクーン、国立にお客さんとられた?
そして、道明寺できついのだろうけれど。夜の部にまったく仁左衛門が出ないのが、つまらない!(単にファンとして・・わがままなファンです)

幸四郎この人の場合、悪役が見たいのだが・・・もうやらないのかなあ。
今年は、巡業で「勧進帳」をもって、回るらしいが・・幸四郎は、勧進帳のほかに、誰もが見たい古典作品って何があるのだろうか?ふと考えてしまう。