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アル中妻に持つ夫の相談…心の痛む無常…

2013-03-15 01:57:24 | 世の無常、理不尽
《B子さんの相談》
平成5年のある日、この日ご相談に来られたのはご夫婦、50代後半のご主人と40に差し掛かろうとする奥さん。 
ご相談はご主人から切り出されました。 「先生、家内がアル中なんです」小太りポッチャリの奥さんは確かに赤ら顔、いかにも酒やけした顔だ。ご主人が恐らく心配のあまり、遠く名古屋から、ここ東京までご相談に来たのであろう。 しかしY男さんもいかにも酒が行けるというギラギラギタギタの顔である。きっと夫婦でお酒が好きなんであろう…そう思った。
「今日のご相談って言うのはB子さんがアル中だから悩んでいるってことですか?」
又Y男さんが「そうです。困っているんです。医者からも飲むなって言われてるんですが…」と答えました。
「ご結婚する当初からアル中なんですか?」というと、Y男さんは「……」黙ってしまった。 すると、B子さんが「先生、聴いてください。私がアル中になったには訳があるんです」。 そうであろう、アル中というのは心的には「依存症」から来ているケースが多い。
「酒を飲み、深酔いすることで、寂しさを紛らわす、落ち込んだ気分をハイにする。思い出したくないことを忘れることができる」…そんなことの積み重ねがあるとき飲まずにいられない…依存症になっていくのである。 
B子さんの話を聞きながら、私は彼女の不遇な運命に、胸を痛めずにいられなかった。
B子さんは終戦後静岡県に生まれたが三歳の時には既に両親は居なかった。 残された子供たち(兄姉妹)は家もなく、五人の兄姉妹は、畑を寝座とし、野宿の暮らしを強いられた。
間もなく施設に引き取られ、その後は屋根のある下で過ごすことができたとのこと。
辛い運命にもめげず、頑張って生き抜いた兄姉妹のことを思うと如何に自分が幸せであるかを感じ入る話である。 成長してからのB子さんは飲み屋を点々としながら働いていた。 本来酒はあまり好きではなかったが、だからと言って当時では時間給の良い飲み屋やスナックの手伝いを辞めるわけにはいかなかった。 恐らくB子さんは生活や人生の厳しさに立ち向かいながら、真摯に生きてきたと思う。 そのさ中の出会いであろうかY男さんと出逢い、面倒見のよい、Y男さんに付いていこうという気持ちになり、結婚もしたのであるとか。
さて、Y男さんの仕事は実に驚くべき仕事であった。 ストリップショーの運営であった。連日劇場は客で満員で、Y男の懐には随分とお金が入ったとか。ところが、ショーに出る女の子はいつも約束通り出勤してくれるわけではない。 何らかの事情で急に欠勤をする。そんなある日、三人のストリッパーのうち二人も急欠勤したのである。 どうやら給料の良いストリップ小屋から引っ張られ(スカウトされ)そちらに鞍替えしたようだ。 勿論雇用契約書など交わすような商売ではなかったのであろう…ドタキャン無断欠勤である。 その日も期待の客で満席。 一人だけのショーで終わるわけには行かない。 
B子さんがこう言い出したのです。
「先生、この人ったら『お前、舞台に出ろ』っていきなり言うんです。 その言葉にビックリして
『とんでもない!』って叫びましたよ。けれどもこの人は脅したり、すかしたり…あの手、この手で、私を舞台に押し出そうとするんです。 ついに意味も分からず、「一升瓶を持ってきて」って私は酒を持ってこさせ、飲んだことのないほどの酒量を浴びるようにして飲んだんです。 ヤケ飲みですよ。 その後、そういう事がしょっちゅうです。 その都度私は酒を浴びて、朦朧としながら仕方なく、舞台に出たんです。 ど素人の私がです。 酒を飲まないじゃいられないですよ」
この続きは明日~~

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