はんたろうのがらくた工房

えーと、えーと…。

酷道157号線

2017-09-04 19:28:42 | 旅のこと
酷道157号線を走ってきた。

「酷道」とは、その字の表わす通り、国が管理しているにしてはちょっとあんまりな国道…の特定の区間…の総称である。
一部のマニアにはたいへん人気があるそうだ。

157号線とて、別にその200kmに及ぶ全線が「酷道」なわけではない。
なにしろ起点は金沢市の武蔵が辻、終点も岐阜市のど真ん中を突っ切っている。
その周辺は国道の名に恥じぬ交通量を誇り、当然整備も行き届いているが、



福井県大野市から標高1,020mの温見峠を越えて岐阜県本巣市、旧根尾村に至る区間は、まるで様子を異にする。

狭い、険しい、冬季閉鎖と、立派に「酷道」の要件を満たしているわけである。

そこを、福井側から入り、岐阜側に抜けてきた。





タチフウロが咲いていた。
室戸岬であれほど苦労した、ゲンノショウコの親戚である。

細い橋を渡りながら、川の水がきれいだなあと目をやると。



イノシシがいた。



わが人生初の、野生のニホンイノシシである。

このあと暫く走ったところで、うり坊が2頭、目の前を走り抜けていったが、もし近くに親がいたらハンパなく危険なので、クルマも停めずに通り過ぎた。ちぇっ。





県境。



岐阜県側では、ニホンザルの群れとも出会う。



10頭以上の大きな群れだったが、皆逃げ足が速いから、メモリに収まったのはしんがりの2頭だけ。





名物(?)の「洗い越し」。
流れと交わるのに、橋などで回避せず、道路の上にそのまま水を流す構造だ。
岐阜県側にいくつもあったが、麓に近いほうでは、側溝のような水路が刻まれているところも見られた。





157号線を有名たらしめた、岐阜県警による、日本一単刀直入な看板「落ちたら死ぬ!!」。
これにて、「酷道」は終了である。



日が暮れてから酷道を引き返すのはさすがにオソロシイので、根尾からは美濃市へ抜け、郡上市経由で金沢へ帰った。
国道415号線もそれなりに狭く険しい道だったが、走行の注意を促す看板よりも、不法投棄禁止の看板が目立っていた。
なるほど、これが「酷道」ではない、ということなのだろう。



ところで日本語の「酷」は、ひどい、むごいと読んでそのとおりの意味に用いるが、中国語の「酷」はクーと読み、これが英語の「Cool」の音と似ていることから、クール(カッコイイ)という意味で使われる。

実際、怖くて気が抜けなかったし、命懸けのすれ違いも体験したが、一方では野生動物にも会えたし、運転に集中して撮影こそしなかったが、すばらしい風景も数多くあった。

酷道は、日本語的にも中国語的にも、確かに「酷道」であったわけだ。

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