こんにちは、やや半次郎です。
早速、やや半次郎の可笑しな世界をお楽しみ下さい。
………………
『川端先生』
「起立、礼、着席!」
あぁ、どんもどんも、かわばたです。やすなりです。どんもどんも。
そりでは、国語の授業をば、はんじめましょうでまず。
え~今日は、ツぅても、日々これ今日でガスからニィ。明日になりば、は~、また明日が今日になる訳のもんでガスからニィ。
不思議なこんでがすが…。
あ~、今日は、先生と同姓同名の川端康成ちゅう文豪の書いた『雪国』ちゅう作品を読んでみてゃぁと思いますぅ。
知っとる人、手ぇ~挙げてぇ!
あんりま、だ~れも知らんの?
ホンに知らんのかねぇ?
知っとるけんど、手ぇ挙げるの恥ずかしいだなんて言うて、挙げんのと違うかのぅ、吾れ?
「違います。」
あぁ、いや、そりなりばよろし。
先生とこりから読んで行きましょうでからに。
えっ、何、歌なりば知っとるってか?
え~、こりは短歌じゃねぇよ。
何、短歌じゃのぅて、吉幾三?
…って、どこさ行くべな?
歌謡曲?
月曜とか水曜はどうするんかのぅ?
…演歌?
そんなことしてえんかのう?
あ~んだら、こりは小説だに~。
小説も小説、純文学ちゅうところであるなぁ。
えっ、純文学って何かっちゅうか?
いやいや、中国人の名前ぇじゃねぇよ。
その昔、“サインはV”ちゅう、球をぶっ叩いて相手の陣地に落とす球技のテレビ番組さぁあったがのう。
そこに、氾文雀ちゅう器量良しの姐さんが出ておった。
べっぴんやった。
“純文学”ちゅうと、その名前ぇに似とるけんども、はぁ、こりは小説の種類だけに、おなごの名前ぇじゃねぇんだ。
「知ってます。」
あ~、いゃ~、知っとったりば、そりで良し。
知らんけりば、教えるがに~。
では、読んで貰おうかに~。
キクツくん、読んでケロ!
「ここには“キクツ”なんて生徒は居ません。」
なにぃ、キクツ?
誰が“キクツ”と呼ばったか?
ワシが言うたのは“キ・ク・ツ”。
読んでケロ。
「ですからキクツは居ませんよ。菊地くんですか?」
そんだそんだ、吾れ分かっとるでねぇか、“キ・ク・ツ”くんだりば、はぁ。
「それでは、読みます。『国境の長いトンネルを抜けると、そこは雪国だった。』」
う~ん、なんか訛っとるでねぇか、こり?
先ず、国境のぅなぎゃあトンネルを抜けると、そこは、はぁ、ゆくぐにでゃった。
「先生、“ゆくぐに”って何ですか?」
あんりま、何で基本が分かっとらんのかにィ。
“ゆくぐに”ではないぞ、“ゆ・く・ぐ・に”だかんな。
冬になると降って来べ~。あのヒャッコイのが“ゆ・く”だぁな。
「先生、どんどん訛りが変な風になってますが、遊ぶのは止めて下さい!」
あんりま、遊びだなんちゅうて。
わしゃ遊んどらんよ。
「だって先生、冒頭の方ではちゃんと漢字で“雪国”って言ってましたよ。」
あんりま、そうだなこと言って、まぁ、どりどり…、はぁ…、ほんだほんだ、ほんのこつ、ちゃんと言うてるなや。
あっ、そうだ、思い出した。
先生は、ちょっくら急用が出来てしまったからニィ。
こりで、授業をば終わることにしるからニィ。
残った時間は、自習でもしとってくんろ。
それじゃあ、ね。
「か、川端先生~ぃ!」
「次の授業はいつですか~?」
※川端先生は去って行った。
その後ろ姿は、どこか寂しそうに見えた。
後ろ姿がどんどん小さくなって行く。
あっ、転んだ!
生徒たちの爆笑が、山々にこだましている。
川端先生は起き上がってまた走り出した。
その後ろ姿はもう、アスパラガスの先っちょよりも小さくなっていた。
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