石丸日記

反原発運動半世紀
バックは福島第一原発事故を伝える福島民報2011年3月13日号

あらかぶ裁判 19回口頭弁論 No238号

2021-10-25 20:04:58 | 脱原発情報

電力の主張は 過酷事故の”苛烈な現場” を否定するもの

 10月8日、東京地裁で「あらかぶ裁判」(福島第一原発被ばく労災損害賠償請求裁判)の第19回口頭弁論が開かれた。


【資料1】1981年福島第一原発で働く長尾光明さん
    4年3ヶ月で70㍉シーベルト被ばく

 2016年11月に始まった、あらかぶ裁判とは、東電第一原発での過酷事故収束作業と九州電力玄海原発の定期検査に従事し白血病を発症した、あらかぶさん(北九州在住)が労災認定を受けた後、東電・九電を相手取って損害賠償を求めているものである。
 当日は、開廷前に「支える会」を代表して3人が地裁民亊第15部に赴き、「裁判の公正を求める署名」の提出を行った。第2段となる署名提出行動、今回は1,591筆の署名が集まり、担当官に署名簿を手渡し、受領印をもらった。
 その後のアピール行動では通行人や裁判所関係者へのチラシ配布とマイクによる宣伝を行った。
 傍聴者は、ほぼ定員に近い約50人であった。
 11時に開廷した口頭弁論では、被告の東電、九電側の準備書面の提出を確認。原告側が次回これに対する反論を提出することを確認した。 被告の準備書面の内容は、あらかぶさんが浴びた被ばく線量に関して「実際はもっと多いはず」と言う原告主張をことごとく否定。
 「原告が作業した場所における空間線量率を推定すること自体が科学的でなく適切でない」と切り捨てた。また、あらかぶさんの作業内容についても「原告の主張の正確性には疑義があり、誤解や事実誤認がある」と真向から否定する内容であった。
 終了後、12時から衆議院第2議員会館で裁判報告集会とミニ学習会を開催。木下弁護士が裁判の概略を報告した。
 海渡弁護士から今後の立証予定について「長くかかっている裁判だが、時間がかかった事に意味がある」と結んだ。
 続いて、医学博士の崎山比早子さんから「長尾光明さん損害賠償訴訟に学ぶ」と題して、白血病以外で初めて被ばく労災認定を勝ち取った(故)長尾光明さんの闘いに関する講演を受けた。 長尾さんは福島第一原発で1977年10月から4年3ヶ月で原子炉格納容器「応力腐食割れ対策」等に従事し、70㍉シーベルトを被ばく「多発性骨随腫」に罹患した。あらかぶさんと同様に損賠訴訟を提起したが、専門医、疫学研究者による「誤診」の主張を鵜呑みにした最高裁によって請求棄却されることとなった。
 あらかぶ裁判との共通点も多い長尾裁判の意義について学ぶことができた貴重な学習会となった。
 次回は12月7日(火)14時~報告・池田実)

脱原発情報 No238号 PDF版はこちら

 

P2~3  「ALPS多核種除去設備」とは・・・③
     スカイシャイン線を生み出すなど役立たない設備

P4~5  再開後 62回目 東電交渉
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P6    隠された高線量被ばく!赤宇木・下津島の人々
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