Caprice Notes♪

映画と本と音楽と絵画とものづくりと。私の気まぐれ日記。

キム・ギドク監督

2011-07-16 20:50:53 | Films
2006年「絶対の愛」



原題は「시간」=時間。
邦題だと、観る気がしない。。。
韓国の整形社会を批判しているのかな。
でもそれだけじゃない。狂気もある。と思う。
女も男も。。


2003年 「春夏秋冬そして春」



これは好き。
映像も美しいし、物語もアジア風で美しい。
「絶対の愛」はイマイチだったから、絶賛されているキム・ギドクだけど、あんまり興味ないな~と思っていたけれど、この映画は好き。。。


2007年 「ブレス」



主演男優のチャン・チェンは他の映画でもよく観る。韓国語が話せるのか知らないけれど、今回の映画は一言もセリフがなかった。
チャン・チェンの気品というか鋭さによってこの映画がすごくスマートになっている感じ。
やっぱり私は韓国の俳優より、中国や台湾の俳優のほうが好きだな。。



キム・ギドクの作品はまだまだたくさんあるから、これからも観ていきたいと思うけれど、どうしても好きになれないのが、映像の暗さというか、
荒さというか。。。
昭和の日本のテレビドラマを観ている感じがしてしまう。
きっとわざとそうしているのだろうけれど、そうなると映画というより、2時間モノのテレビドラマを観ているようで。。。

でも、韓国映画は日本に似て、(こんなこと言える立場じゃないけれど)どーでもいいテーマのものや、内容の浅いものが多い気がするけれど、(ようは単純ってこと。俳優の人気にだけ頼っているというか。。。)
キム・ギドクは決してそうじゃないから、そういうところはすごくいいなと思う。。。





ブルーベルベッド

2011-07-16 20:27:57 | Films
1986年 アメリカ
カイル・マクラクラン、イザベラ・ロッセリーニ、デニス・ホッパー
デヴィッド・リンチ監督

カイル・マクラクランが若い!
昔テレビで「ツインピークス」を見たときは、その奇妙な世界やドラマの終わり方に、なんかイヤーな気分になったけれど、でも今はすごく理解ができる。
年齢のせいもあるし、時代が流れて行ったせいもあるし、もちろん311のせいもある。
彼が描きたい世界はすでに現実になっているし、なっていたんだって今は素直にみとめられる。。

でも、理解できるっていうと、嫌われるんだよね、デヴィッド・リンチの作品って、、、、
だけど世の中の解釈の仕方なんて、人それぞれなんだし、私はこの映画を見て、すごく理解できるし共感もできるし、こういう世界が普通に渦巻いているのも感じるし、だからそれでいいと思う。。

Isabella Rossellini: "Blue Velvet/Blue Star" Montage

「運動靴と赤い金魚」

2011-06-27 23:57:40 | Films
1997年 イラン映画
ミル=ファロク・ハシェミアン、バハレ・セッデキ
マジッド・マジディ監督

ずーっと前から気になっていて、DVD借りようかどうしようかと思いつつ、今日まで至ってしまった。。
で、今日、BSで放送されていて、見ることができました。

イラン映画なんて、ほとんど見たことがないけれど、とても切なく愛らしく、共感できる映画でした。
すごくすごく貧しくて、でもそれと同じくらい、兄妹の愛があって、家族の愛があって、清らかで美しい、だけど悲しい映画でした。
最後の終わり方はとてもいいなと思いました。

貧富の差があればあるほど、貧しさの美しさって見えるものなのかもしれないと思いました。
今の日本で、このような愛ってあるかなと思います。。。








「戦場でワルツを」

2011-06-27 23:28:45 | Films
2008年 イスラエル映画
アニメーション。
アリ・フォルマン監督

予告を見て、テーマは重いのに、美しい旋律が流れると、そういう映画はすごく見たくなります。
この映画もそうでした。

戦場でワルツなんてあり得ないけれど、(ましてあの状況で。。)でも監督の心の中にはそれが響いているんだろうなと思います。

背景は、パレスチナ・イスラエル問題。
だからとても複雑。

DVDを見終わってすぐに、映画の背景を調べました。
サブラ・シャティーラの虐殺事件。
これは、1982年に起こったパレスチナ難民虐殺事件です。
非武装の住民を3日間で1500人以上殺害したと言われています。
虐殺を行ったのは、親イスラエル・ファランヘ党とされていますが、イスラエルもこの虐殺を知りながら黙認していたとされています。

パレスチナ・イスラエル問題は、非常に根が深い。
土地、宗教、政治、人種。
あらゆる問題が交錯していて、この100年くらいの問題ではあるけれど、私はそもそもというところで考えると、ユダヤ教からキリスト教が枝分かれした時代(約2000年前)からフツフツとこの地域で問題が起きていたんだろうと思っています(持論です、単なる。。)

この問題は、遠く離れた日本で、知識として得ることはできても、長い年月、イスラエルという地で(さらにヨーロッパやアメリカまでも絡み、)起きている出来事を理解することは難しいだろうと思います。
ただ、虐殺や差別、拘束など、あってはならない事件と常に隣り合わせのこの情勢については、遠く離れていようが、目を光らせていなければならないことだと思っています。

土井敏郎監督のドキュメンタリー映画「沈黙を破る」をもう一度見直したい気持ちになりました。


映画『戦場でワルツを』予告編

「隠された記憶」

2011-06-21 00:20:10 | Films
2005年 フランス映画
ジュリエット・ビノシュ、ダニエル・オートゥイユ
ミヒャエル・ハネケ監督

超久しぶりにこういう映画、見たかも。。。
元々借りようなんて思っていなかったけれど、監督が「ピアニスト」でおなじみのミヒャエル・ハネケだったこと、フランス映画もよいなあと思っていたこと、でもラブロマンスって気分じゃなかったこと、などなどにプラスしてカンヌ映画祭受賞作品だったことで、レンタルしよ~と思って借りてきました。

衝撃のラスト、とか、深層心理サスペンス、とか、色々そそるようなことが書いてあって、すご~く満足!
始まり方も終わり方も、DVDで良かった!と思った(劇場だと、見直すことができないですからね!)

監督のインタビューがあったので、それも見ました。
宣伝では、「ラストシーンに。。。」みたいなことが書いてあったけれど、監督はそんなことはまったく触れず、これは「罪」をテーマとした映画で、受け止め方は見る人に任せるというスタンス。
ならば、すごく納得。。。

もう誰がビデオを送ったかとか、あの絵は誰が書いたかとか、そういうことは付随的なことで、テーマである「罪」について、充分伝わったなと思いました。
そもそも、(監督も言ってましたが)ビデオを誰が送ったか、盗撮したかが目的じゃない。。
こういう見方自体がハリウッド的。。
私はフランス映画を見たかったのだ!!!
すごくスッキリしました。

が、インタビューのあとに、劇場トレイラーを見たら、「最後のシーンに衝撃が。。」みたいなことがすごく意味深に出されていて、え~~~?と思って見直したら、主人公の息子と、自殺したアルジェリア人の息子が。。。

誰かも言っていたけれど、これは監督のちょっとしたいたずらなんじゃないかなと。
たしかに、この長いラストシーンで、それぞれの息子が何やら話しをしているのを見ると、さっきまで「テーマは罪だから、ビデオの送り主なんて見方自体がナンセンス!」と思っていたものの、想像が膨らんでしまって。。。
でも、これも監督のやり方なのかもしれない。。

とにかく見てよかった映画でした!
まだ「ピアニスト」を見ていないから、それも見たいなと思いました。

そういえば、震災以来、こういう頭をひねらせたうえに、結果の出ない衝撃的なラストを迎える心理サスペンスを見たのは初めてかも。。。