英亭*B Edition*

映画・舞台・TV・漫画など趣味全開で独断と偏見で、書き綴り……ます。

閉館…松本東宝セントラルと、松本の劇場を語ってみる

2004-10-02 05:04:53 | 映画館情報
先程、今週末に松本に行くことも視野に入れようかと映画館のHPを巡っていたら、「松本東宝セントラル」閉館の二文字が飛び込んできました。

とりわけ松本の映画館に思い入れがある訳ではありませんが、ここでは東宝セントラルを含む松本での映画鑑賞の思い出などを語りたいと思います。

私が知るところでは松本では駅前のメトロシアターが一般作品から成人作品の上映に切り替わり、ついには(2003年末頃だったかな?)閉館(休館?)し、その後、松本中劇&中劇シネサロンも休館しました(たしか2004年2月頃?)。

「メトロシアター」では地元・長野市で上映しないジャッキー・チェン作品を観に行ったことがあります。「WHO AM I ?」を観に行った時には泣きましたよ。古びた地下にある映画館なのですが、座席数は130席なのですが椅子は古いし座席間が狭すぎてもの凄く窮屈です。おまけにスクリーン位置が低いため(もちろん天井も低い)数列前に座った人の頭も邪魔になります。どうやらスクリーンの裏側から映写するタイプの劇場のようで、2巻目か3巻目に移る際フィルムが逆に巻かれており、上映が5分くらい中断しました。もうね、こういうの最悪ですよ、こういった映写トラブルは何度か経験していますが、長野から松本くんだりまで観に来て、これでは余りにも悲しすぎます。帰りの時間の都合上2回目は最後までは観れませんでしたが、もちろんトラブルがあった箇所までは観直しました。懲りずにこの後「アクシデンタル・スパイ」もここで観ました。

メトロシアター繋がりで、次は「シネタウンエンギザ」。(上土(アゲツチ)シネマを含めて経営者が同じなのです。)初めて訪れたのは改装オープン後の2002年6月「ブレイド2」でした。前作「ブレイド」は長野でも上映したのですが、「2」の上映はなく、エンギザはオープン記念のネット割引で¥1,000で鑑賞できたので、この1作品のために観に行きました。この時はまだ今ほど多くのシネコン(≒優良劇場)を経験していなかったので、ここでも充分満足でした。「ブレイド2」はエンギザ5での上映でスクリーンサイズはまずまずの大きさ(多分ヴィスタ最大で、横幅5.5~6mくらいですが、舞台が無く座席からの体感は充分だったと思います。)。客席の傾斜は緩やかでスクリーンを見上げる感じです。チケット売り場と3~5のある2階は青を基調にした色合いで、最近改装しただけあって綺麗です。ネット割引があるもののポイントカードなどはないのがマイナス点ですね。前売り券の販売はあります。ついこの間も、まつもと市民芸術館で「blast !」の鑑賞のついでにエンギザ3で「インファナル・アフェア2」を鑑賞しました(観客12人程)。ヴィスタ最大館なのでスコープでの画面の小ささは否めませんが、作品の良さもあり、満足館・充実感いっぱいで松本をあとにしました。只、今となってはエンギザよりも魅力的な劇場が多くあるので、用事が重ならない限り、県内での上映がエンギザのみでも、伊勢崎遠征を考えてしまいますね。まぁエンギザの最大館である1と4はまだ未踏なので、一度は入ってみたいと思いますが。松本にほど近い山形村に出来たi-cityシネマの影響で松本市内の劇場の客数が減少しているのだと思いますが、エンギザはしばらくは大丈夫なのではないかと思っていますが、どうでしょうかね?市街地にも映画館は必要かと思いますが。

次はナワテ通りにある「松本中劇&中劇シネサロン」。ここでは映画を観たことがありませんが、チラシを貰うため中劇のロビーには入ったことがあります。表も古めかしい趣のある感じですが、中も同様。確か2階席は有料て張り紙があったような気がします。2階にあるシネサロンは外からしか見たことがありませんが、入り口近辺は板張りのような気がしました。座席数は中劇が400席程でシネサロンは60~80席くらいだったでしょうか?違っていたらすみません。シネサロンでは松本市内の有志で運営しているシネマセレクトが毎週のように単館系の作品を夜8:00頃から上映していて何度と無く観に行きたい衝動に駆られたものでした。只、時間的に劇場的にどうしても観に行きたい!と思える作品には出会えなかったので一度も観に行くことなく松本中劇は休館になってしまいました。先頃松本に行った際に劇場前に置かれていた復館要望(?)に著名してきました。松本市内の映画ファンは是非、著名して下さい。また、シネマセレクトは当時とは形態を若干変え「Mウイング視聴覚室」で週一回上映会を行っているようです。松本中劇は当時の手書き(!)看板(「ラスト・サムライ」「Hollywood homicide」)がそのまま残っていて、もの悲しいです。

さて、いよいよ表題の東宝セントラルです。外壁にツタが這っていて、趣があります。中劇やテアトル銀映よりは新しめな感じがします。私の記憶が確かならば長野県下でデジタル音響(SRD)を初めて導入したのがこの東宝セントラル1です。「スターウォーズ」や「千と千尋の神隠し」で大盛況!などで新聞やテレビの県内ニュースで取り上げられるのもここでした。残念ながら?1には入ったことはありませんが、2は地元上映の無かった「シャンハイ・ナイト(吹替版)」を公開初週に観ました。Movie walkerの情報によると2はdtsのみのようでしたが、確かにデジタル上映ではありませんでした。しかもこの2は外観もそうですが。喫茶店かバーを改装して作った劇場のようで、もぎりから通路、劇場内と扉が無く筒抜け。上映が始まる前に暗幕で通路からの入り口をふさぐのみだったように記憶します。一応客席は段差を付けてありますが、スクリーンが小さすぎで、音の迫力もありません。室内の形状が変則的で、劇場としてはかなり無理のある作りでした。
本日から1で閉館記念特別上映があります。恐らく私は行かれないと思いますが、旧作ながら2本立てで800円はかなりお得なのではないかと思います。週替わりで3週にわたり上映、10月24日(日)に閉館となります。シネコンの商圏内の劇場の宿命とはいえ、同県内の一映画ファンとして、50年も続いた劇場が閉館することはとても悲しいことです。もちろん私も早く長野市内にシネコンが出来ることを望んでいますが(シネコンが出来ればどれだけ楽に映画が観れることか…)、既存館が閉館することは望んでいません。しかし、現実として劇場の設備や上映作品の魅力度などでシネコンに客足が向くのは仕方のないことかも知れません。私も現状で同じ作品が上映していればシネコンを選ぶでしょうね。正直言って既存館は努力不足かと思います。もっと生き残る術はあったかと思います。むしろ、既存館よりもシネコンの方が経営が旨いです。売店一つとっても違いますし、ポイントカードや各種割引、上映作品の選定も最近は単館系なども積極的に上映していて、シネコンのある地域が羨ましいです。う~ん、話がそれてきたのでこの辺で…。

残る松本市内の劇場は先にも書いた「エンギザ1~5」「上土シネマ」そして「テアトル銀映1・2」です。テアトル銀映の館内には入ったことはありませんが、中劇に負けず劣らずの古さを感じます。まず、劇場前の道路にまたがっている錆びた看板。建物にはレリーフのようなものがあります。チケット売り場もロビーも昔のままという感じです。そう、確か1の座席の一部にはテーブルがあると雑誌で見たような気がします。広島のサロンシネマには遠く及ばないでしょうが、一度は入ってみる価値があるかも知れませんね。

まんざら関係なくもないので松本の映画館は陰ながら応援したいと思います。
長文にお付き合い下さいまして有り難うございました。

●松本周辺の映画館などのサイト
松本東宝セントラル10/24日閉館
シネタウンエンギザ
松本CINEMAセレクト
i-city シネマ
まつもと市民・芸術館

※映画と共に映画を上映する映画館にも興味があります。昨年の夏以降はそれまでとは比べものにならない程、シネコン(シネマコンプレックス=複合映画館=他の商業施設を併設する5スクリーン以上の映画館)での映画鑑賞が増えました。映画の鑑賞数自体もさらに増えました。
blogを初めて鑑賞作品の感想upもままならぬ状態ですが、以前からお気に入りの映画館についても書こうかと思っていましたが、こういうきっかけでスタートするとは思いもよりませんでした。
本当はシネプレックス幕張やわかば、MOVIX伊勢崎、さいたま、佐久Amシネマなどでスタートしたかったのですが、今後不定期にではありますが、綴って行けたらと思います。

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5 コメント

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松本の映画館 (Mol山)
2004-11-14 20:41:24
はじめまして。

読ませていただきました。

私は現在は、埼玉県在住ですが出身は松本市で、

高校時代にはセントラルでアルバイトしてたこともあり、

閉館記念上映時には、久々挨拶を兼ねて「大脱走」を

見に行きました。

非常に寂しいですね。



なんというか、こちらに生活の基盤を築いてしまったのでもはや

実家すら存在しない土地ではありますが、友人に泊めてもらって

行った際には必ず立ち寄って、映画を観たり、観ないときでも従業員の人たちと

話をしてましたね。



確実に立ち寄る場所が減っていきます。



そのうち本当に松本市とは接点がなくなっていくような気がして

寂しいです。



かつて、松本は10スクリーン以上の劇場があり、都市の規模に比べて多いため

何よりも数的に長野市よりも多かったために

「映画の町」と名乗ってた時期があります。



それが開明座の廃業をきっかけに、ピカデリー、メトロ、中劇と続きついに

セントラル。



山形村にシネコンが出来たのが直接の原因だと地元に残る友人には言われましたが、

試しに行ってみると、こちらでシネコンに慣れている身からすると、ちょっと

これは・・・って程度の劇場。

ビデオシステムが基本で、定休日があって、大駐車場と車通勤が絶対条件の地域性という中で

レイトショーもやらないとは・・・。



将来がものすごく心配ですね。



当然、地元に残っている友人たちも映画ファンたちですから、不憫です。



思えば、エンギザの発言力が最終的に全体のパイを狭めた気がしますね。



かつては、エンギザが邦画で他が洋画と棲み分けしていたのに、「トゥルーライズ」以来

洋画に手を出し、そのくせ邦画は独占、最終的にはおいしい所だ持っていくような所が

あったのですが、それも度が過ぎたんでしょう。



メトロシアターは、特にエンギザの大反対を受けた中で開店しながら、結局まともな番組を組めずに

一年位で倒れちゃって、よりによってエンギザのグループにされちゃいました。

ですが、その後に設備投資をしたわけでもなく、ただ単に上映し切れない映画の受け皿に使われた

だけでしたね。

「観れりゃいいでしょ」的な態度には地元の人は結構嫌ってましたよ。

ドルビーステレオすら入れてくれなかったんですから。

「天空の城ラピュタ」を観にいって、モノラル上映だった事に落胆してそれ以来行ってませんでした。

そっかぁ。もうないのか。



セントラルがSRDを入れてからは音響への対応は松本の方が早かったらしいですが、

アナログドルビーステレオの時代は、長野に比べて著しく遅れてまして、私は逆に松本を避けて

よく長野の映画館に「逃げて」ましたよ。

特に銀映の設備は古すぎて、とてもお金払えないと思っていたので、近いラインナップの千石劇場には

よくお世話になってました。今にして思えばどっこいどっこいですけど。



「ガメラ大怪獣空中決戦」と「ガメラ2 レギオン襲来」はメトロシアターの使用を知ったため、

なんのためらいもなく、権堂に行きました。



話それましたが、エンギザはけっこう新規参入には厳しい態度で臨んできた過去があります。

発言力も高かったです。

でも他がバタバタと倒れてしまっては、睨みを利かせる相手もいなくなり、自らが築き上げた

発言力を低下させたと思います。



最終的には、どこかの大手シネコンが出展するのでしょうね。

それは、エンギザの発言力など一切通用しない相手でしょう。

エンギザも同じ道を歩むのでしょうか。



そんな事を思いながら、セントラルで最後に観た「大脱走」は、幸運にも初めて劇場で見ることが

出来たうれしさで、フィルムの状態が悪くても気になりませんでした。

当然、自宅に帰ればDVDを持っている作品ですが、それでも感慨深かったです。



10月の帰省時は、友人に頼まれて約10年ぶりに長野市にも遠征。

長野はまだ多くの映画館が健在ですね。



時代の流れがシネコンなのは仕方ないとしても、がんばって欲しいですね。



長文、失礼しました。

返信する
ありがとうございます。 ()
2004-11-20 03:51:45
>Mol山 様



返信遅くなり、また、取り急ぎ短文にて失礼いたします。

私の拙い文章にコメントを頂戴し、有り難うございます。

館名を聞いてそう言えばあったな、と思う程度で、

松本の昔の事は殆ど知りませんでしたので、事細かく書いて頂き感激です。



山形村のi city CINEMAには10月に3作品観に行き、全てSRでの上映だったので、

その実力は計れませんでしたが、作品が良質だったため不満はありませんでした。

3番がビデオシアターという事以外は。

11月にも3作品観ました。5番で観た2作品ははっきり言って音量不足で不完全燃焼でした。

しかし、せめてもの救いか、6番はスコープ最大、横幅14mで予告からはっきりと5番とは音響の違いが分かりました。

もちろん、MOVIXやシネプレックスなど全国チェーンを持つシネコンと比べると劣るのは事実ですが、

この程度でしたら、まずまず満足しました。

只、いずれの時も土日にも拘わらず空いていました。

確かにレイトショーがないのと、割引料金が殆どない、ポイント制がないというのは、

これ位のレベルのシネコンならば努力が足りませんね。もっと観客の立場に立った運営をして欲しいものです。

まぁ設備の良いところはそこら辺もクリアーしている訳なのですがね・・・。

i city CINEMAは開館当初は3館、昨年夏に3館増え、来年さらにもう2館増えるらしいので、

経営的には順調なのでしょうが、繁盛するのはハウルとかの大作位なもんじゃないかな?

ココの影響が大きくて松本市街地の映画館の運営が悪化したとは私も考えにくいです、

市街地の映画館の企業努力が足りなかったと思わざるを得ませんね。

佐久Amシネマは11/20~8館になりました。CMもバンバン流しています。

わざわざ遠へ映画を観に行く物好きはそう多くはいないでしょうが、

長野市の映画館もうかうかしていられないと思いますよ。

実際私は車で群馬や埼玉まで行っちゃいますので(笑)。

JRの週末東京フリー切符で東京方面へ行く事もしばしばです。この土日にも行ってきます。

主たる目的はミュージカルなのですが、真の目的は川崎チネチッタとIMAXスパイダーマン2だったりします(笑)。

IMAXスパイダーマン2は軽井沢でも上映中ですが、前売り券が使用できないため、品川で観る事になりました。



話それましたが、もちろんシネコンに魅了された今でも地元の映画館には行っていますので、負けない位頑張って欲しいです。
返信する
そうですか、閉館ですか・・・ (kilin)
2005-01-12 15:34:20
今更ながら、お邪魔します。



長野市では0、松本平では「踊る大捜査線」「グラン・ブルー完全版」「パッチ・アダムス」「ナージャの村」「山の郵便配達」「トレーニング・デイ」(順不同:全部違う劇場)の6本と、思い入れもさしてないのですが・・・・



こっちに戻って『さよなら、クロ』で東宝セントラルが写っているのを見て、チョッとぐっと来たことを思い出します。

一時期徒歩六分ほどの距離に住んでいまして、駅前に飲みに行く時の通り道でした。

「山の郵便配達」で一度訪れ、二度と行くまいと誓った劇場でもあります。





個人的には「“エントロピーの法則”の正しさを新たにする出来事」程度の事かとは思います。

懐古・感傷的な意見を持つ人間ほど自らの欲望のために他者を踏みにじっているのが、世の理だったりしますから。



東京圏のシネコンラッシュは、やはり異常ですなぁ。
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Unknown ()
2005-01-15 04:11:54
>kilin 様

ご訪問とコメント有り難うございます。

余りにも稚拙な文面でお恥ずかしい限りです。



「山の郵便配達」は東宝セントラル2でしょうか?音響にこだわらなくてもあそこは勘弁してくれという感じでしたね。



最近は山形村の i city CINEMAでも積極的に単館作品や企画上映をしていますが、自動車がないと行きづらい場所にあるのが、動員力に欠ける感じに思えます。



松本市街地と i city CINEMAはそれ程近くはないのと設備・サービス面で圧倒的有利とも思えないので、個人的には新潟や札幌を始めとする既存館の閉館への影響力は少ないかと洞察しています。松本市内に大手チェーンのシネコンが出来れば話は別ですが。



長野市にもシネコンが出来る話も訊きますが本当かどうか、また、ヘラルドが出たがっていると訊いた事もありますが、本当なら嬉しい。例えどの会社のシネコンが出来たとしても、その時は既存館の経営はかなり厳しくなる事でしょうね。



確かに首都圏のシネコンラッシュは尋常ではないですね。ネットの書き込みを見ると豊島園が心配になります・・・私は行く事はないと思いますが。

シネプレわかばと新座は車で高速使って30分以内の距離です。しかもどちらも空いているというのが哀しくもあり嬉しくもあり。HDCS館の作品の割り当てが違うと嬉しいですが、いかんせん自宅からは遠すぎなのが悔しいです。行かれない時は気にしないようにしてますけどね。



さて、今日・明日は東京です。約半年ぶり?になる幕張のHDCSとTHXを楽しみたいと思います。※TAP DOGSがメインな目的です。
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Unknown (Unknown)
2023-02-05 00:10:03
>長野から松本くんだりまで

いかにも長野の人間が言いそうな文言だな…
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