木曜日は 『 プレバト 』 の日!
いつき組の云うところの プレバト ナイト
Oh yeah ~
は
「 富士と稲刈りと案山子」
‥さて 、早速 ‥
第5位 富士の下揺れる稲穂のワンピース (20点)
富士のもと風の少女のごと稲穂
本当に腹立たしい
擬人化を使いこなせないで自分の句をボロボロにするのが才能ナシ
何がボロボロにしているか、「ワンピース」 全く意味がわからない
富士の下もと ここからキレイな擬人化
「揺れる」から「風」が見えてくる
揺れる風の少女のごと稲穂の
~ごと = ~のような
風に揺れる稲穂が少女のように初々しく揺れている
比喩は丁寧に描く
ワンピースという表現だけでは
稲穂を女の子に喩えていることは伝わらない
少女のごと、などのように 比喩は丁寧に描く
第4位 稲雀青き富士に見張られて (50点)
真青なる富士の見張るや稲雀
真ん中の中七 極力 字余り字足らずにしない、これは鉄則
凡人は擬人化に走ると俳句を作った気になる
見張られて = 擬人化
これが凡人の決まりきった道筋
真青(まさお)なるき富士にの
擬人化は使う せっかくの凡人的工夫
見張られてるや カットを切り替える 遠近感が出る
富士が背景になって稲雀が飛び上がる
語順で情景が鮮明に
富士山が見張っているという比喩を
稲雀から始めると説明っぽくなり台無し
稲雀を最後にすれば情景が鮮明になり
富士山の比喩も活きる句になる
第3位 さやけしや高きに登る子らの聲 (60点)
さやけしや高きを目指す子らの聲
ささやかだけど大きな問題がある
「さやけし」の響きが似合っていると思う、季語
「子らの聲」聴覚で子どもの生き生きした姿も見えてくる
「高きに登る」これが とてもマニアックな季語
重陽の節句
9月9日に丘や高台に登りき菊酒を飲む 邪気を払い長寿を願う行事
「高きに登る」から季語の力を取り去って同じことを書けばいいだけ
高きに登るを目指す
聴覚に訴える表現を
想像を駆り立てる
目に見える光景を描くことも大切だが
声や音など聴覚に訴える表現を入れると
読み手の想像をさらに駆り立てる趣のある句になる
第2位 富士ヶ嶺に亡き父の笑み浮ぶ秋(62点)
富士ヶ嶺に亡き父の笑み秋幾度
浮かんでいるから「笑み」 いちいち「浮ぶ」と言わなくていい
「浮ぶ」の3音で父を偲ぶ 年月を表現できる
浮ぶ秋幾度
わざと字余りで「秋幾度(いくたび)」と読ませると
しみじみとした感慨が広がってくる
第1位 晴天や富士を飲み込む稲の波(70点)
難しいことをやっている
「飲み込む」複合動詞 擬人化にしては大げさに聞こえる
大げさな擬人化をうまく一句に落としている
富士を飲み込む、何が富士を飲み込むんだろう
映像として 富士の波が出てくる 語順もいい
「稲の波」比喩
擬人化と比喩が一句の中に入って尚且つバランスを取るのは難しい
「晴天や」 「や」はすぐ上の言葉を詠嘆する
何て晴れた美しい空だろう、と詠嘆する、空しか映っていない
ここでカットが変わる、見事な富士が映像に出てくる、語順がいい
そして 、 ワンランク上の 厳しい査定に挑むのはっ!
名人初段の 梅沢富美男さんっ!
富士遥かあぜのかりがね寒き朝
富士遥か畦のかりがね寒き朝
「かりがね寒き」マニアックな季語
昇格ポイント① 季語が機能しているか
果たして 査定はっ ‥‥‥ ワンランク昇格ーっ!
マニアックな季語を使いこなしている
かりがね寒き〔秋の季語〕雁が渡ってくる頃の寒さ
秋寒 〔秋の季語〕秋になって感じ始める寒さ
そぞろ寒 〔秋の季語〕冷やかよりも強く感じる寒さ
やや寒 〔秋の季語〕晩秋の頃の寒さ
一番マニアック、しかもこの句の特徴は 雁が帰っていく頃の寒さ
この季語の中には雁の遥かな姿も入っている
富士は遥かにそびえている、畦に立って見上げると雁は帰っていく
「朝」を最後に持ってきた、朝の空気の凛とした感じ
仮に「夕」だと寂しさ・寂寥感のほうが立ってくる、それではもったいない
朝の凛とした空気の中に富士は美しく青くそびえている