木曜日は 『 プレバト 』 の日!
いつき組の云うところの プレバト ナイト
Oh yeah ~
は
「 新緑と高尾山 」
‥さて 、早速 ‥
第5位 髭オジサン春の日浴びる今だけは (20点)
春の高尾髭オジサンの日曜日
「髭オジサン」って ‥ ホント、誰?
難しい言葉がどこにもないのに、意味が分からない
ある種 あっぱれ
「髭オジサン」だけで日曜日を連想させるのは無理
日曜日であるという時間情報と高尾山は入れたい
「髭オジサン」は外したいけど ‥ ここは活かそう
「春の日浴びる」 春の日は勝手に浴びろ
「春の高尾」 季語と場所が入った
→ 「髭オジサンの」 「日曜日」
必要なフレーズを着実に
この句で絶対外せないのは「高尾」と「日曜日」
これらを入れて初めて
休日に無精髭を伸ばした男性がのんびりしている様子が描ける
第4位 山薫るかさばる上着も役目なし (35点)
薫風の山や脱ぎたる上着手に
「役目なし」 詩の言葉ではなく説明の言葉
「かさばる」 映像ではなく説明の言葉
「山薫る」 季語としての成立は難しい
【薫風】 夏の季語
緑の香りを含んだ清々しい夏の風
「薫風の山や」 薫る風が吹く山が表現できる
状況を映像にする
「かさばっている」は状況、 何でかさばったか=脱いだから
「かさばる」 → 「脱ぎたる上着手に」=上着を持っていることになる
説明ではなく映像を描写
「役目なし」とせつめいするのではなく
上着を手に持つ情景を描くことでより味わい深い作品になる
第3位 祖母と来たあの初夏の山なつかしや (65点)
祖母と来たあの初夏の山青き空
なつかしさが満ち満ちている
「あの」 この句を読んだ人に色々な初夏の山が浮かんでくる
おばあちゃんとの思い出に 心が寄り添っていく
「なつかしや」 ベタな感情語でダメ押しするから殺してしまう
この日の映像にするだけで 「あの」が効いてくる
初夏の山の背景には何があるか 「青き空」
「あの」の効き方が倍増する
懐かしさを具体的な映像で
「なつかしや」という言わなくても伝わる言葉は削除して
山の向こうの青い空を描くだけで
具体的な映像がイメージできる俳句に変身する
第2位 若葉揺れ晴れリフト揺れ高尾山 (70点)
高尾山晴れ若葉ゆれリフト揺れ
「揺れ」「晴れ」「揺れ」 俳句は韻文
調べ(リズム)も持った文芸
ただ、全体がゴチャゴチャしている
どこから始めるかが重要
若葉が見えて、晴れてる空が見えて、リフトが見えて、最後に高尾山
大きなところから映像が絞られていく、順番を変えるだけ
「高尾山晴れ」 山と背景の空が見える
「若葉揺れ」 ここで緑が出る
「リフト揺れ」 映像が絞り込まれていく
「若葉揺れ」 画数が多い、 「若葉ゆれ」
目で見た感じも韻も映像も完璧になる
第1位 高尾山新緑歩むハイヒール (72点)
新緑の高尾を歩くハイイヒール
あの写真の中から、山を登る場所にハイヒールの人物がいる
発想力はある
高尾山という大きな光景からハイヒールにグッと絞られている
工夫がある
このままでもいいけど、ちょっとだけ変えてもいい
「高尾山」から始めてもいいけど、「まさに新緑であるよ」と
「新緑」から始めたほうが 絶対に得
「新緑の高尾山を」 ずっと動いていることが分かる
「歩む」でもいいけど、「歩く」
「歩む」は人生を歩んでいるみたい
特待生? 誰が?
俳句として整ってはいるけど、それ以上の詩としての強い魅力がない
この句はこれ以上成長しない
特待生になるなんて 頭が高い
そして 、 今回も 特待生の昇格試験がっ!
ワンランク上の 厳しい査定に挑むのはっ!
特待生5級の NON STYLE 石田さんっ!
新緑の背骨と化せり昇降機
新緑の背骨と化せりリフトの銀
びっくりした
今まで無難な発想を技術でくるむタイプの特待生だった
大胆な比喩にきた、 この比喩が成功した
「新緑の背骨と化せり/」 ここで切ったこと
新緑の背骨みたいだよ、と カットが切れて次の映像に変わる
特待生とその他大勢の違い
果たして 査定はっ ‥‥‥ ワンランク昇格ーっ!
発想力を詩にしている!
1つだけ悩ましい点がある 「昇降機」
【昇降機】 動力によって、人や物を上下の階に運ぶ機械
「リフト」にした方がいい 「昇降機リフトの銀」
「銀」によって 新緑が対比して活きてくる
続いて、ワンランク上の 厳しい査定に挑むのはっ!
特待生2級の 梅沢富美男さんっ!
ゆるゆると鷹鳩と化す日のリフト
【鷹鳩と化す】 春の季語
春の穏やかな気配で鷹も鳩に変身する
こういう季語をちゃんと使いこなす
果たして 査定はっ ‥‥‥ ワンランク昇格ーっ!
季語の力を活かした17音!
本当 悔しいけど仕方ないね
長い季語を入れると全体のバランスをとるのが難しい
自滅しなかった理由が「ゆるゆると」
春の気候を言いつつ、お日さまを言いつつ、
リフトに乗っている人の気持ちも言いつつ、 全体がゆるゆると
必要以上のことを言わないで、季語を主役に立てる
肩の力を抜いた17音の器の量が分かっている、特待生の技