ハムぞーの「職業野球研究所」

~プロ野球がある風景を楽しむ。そんな話をぼちぼちと~

楽天・三木谷氏~サッカーからも考える~

2004-11-23 23:59:59 | ~from the director ~
今日は神戸ウイングスタジアムに足を運び、「ヴィッセル神戸vs名古屋グランパスエイト」の試合を観戦しました。
(残念なことにカメラを持参しませんでしたので、下記の映像は前回の鹿島戦のものです)


入場者数は約1万5千人。詳しい数字は忘れました。Jリーグは実数発表をうたっていますのでその点、信用できます。
極端なところで昔のパリーグは、主催者発表が「2千人」でしたからね。大阪球場のアルバイトのときは(11月18日記事参考)、「ウチの入口からは、10人も来てなかった」でしたから。
でも前の鹿島戦は2万3千人で、久々に大入りというところでした。

試合についてはJ1残留を早々と決めている(毎年残留争いに欠かさず参加するチームなのに、今年はなし。1チームだけ入れ替え戦なのでモチベーションが下がった?のか試合前の時点で10位です)ヴィッセルが、「動く国宝」の域に達しつつある?カズのゴールもあり、2対1で勝利しました。

今年ホーム最終戦ということもあり、場内1週をしたので、カズの写真をとるチャンスだったのに、つくづく残念です。研究所はJリーグのご贔屓球団はないですが、ただ見る回数が多いのと地元チームなので、ややヴィッセルに肩入れする程度です。


本論に入りますが、ご存知のようにヴィッセル神戸は今話題の人「楽天の三木谷氏」個人がオーナーで「楽天」はメインスポンサーです。ヴィッセル神戸は誕生のときにダイエーがメインスポンサーの予定でしたが、震災でその引き受けが出来ずに出発しました。最終的に球団は債務超過に陥り倒産状態になりました(ダイエーでも同じことだった?今気づきましたが)。そのチームを引き受けてくれたのが誰あろう三木谷氏です。

さて、三木谷氏の発案によりヴィッセルのチームカラーが現在の「黒白」から「赤」に変更されるのだそうです(正確には「グリムゾンレッド」。血の色みたいだそうです。三木谷氏の母校ハーバート大学のスクールカラーとも言われています)。変更は1年前から協会に申請せねばならないらしく、来期からだそうです。
その理由は「Jリーグのチームというのはグッズを売っていかねばならない。そうでないと黒字にならない。そこでマーケティングも考えてカラーを「赤」に変えることとした。スクールカラーと同じというだけで変えるのではない。」とのことです。
一部ファンから「今まで使って応援してきた伝統を無視するのか」との声がありましたが、結局は変更することになっているようです。

最後に播戸選手の挨拶で「このユニフォームでホームゲームするのも最後ですが、このことを誇りに思って云々」と言っていました。選手も心の底では反対なんでしょうか、ホンネがチラと出たようでした。

所長補佐の友人に熱心なヴィッセルファンがいるのですが曰く「倒産状態のヴィッセルを救ってくれてフランチャイズも動かずにすんだから、チームカラーくらい止むを得ない」というややあきらめの意見でした(穏健派な意見かも)。

しかし、どうなんでしょうか。チーム設立が1995年ですからおおかた10年近く黒白のユニでやってきたことは、地域もそれを目印に応援してきたところで、まさにチームが持つ「文化」であると言えるでしょう。それを「三木谷オーナーの母校」のカラーに替える(本人はそうでないと発言)のは、侵略者的な発想ではないでしょうか。

また色にこだわると、「赤」をチームカラーにしている球団は多く(今日の名古屋、鹿島、浦和など所長が知っているだけでもこれだけあります)、目新しさが無く「後出しじゃんけんで負け」っぽいというのもあります。
チームカラーを替える、果たしてそれだけでグッズが売れ出すのか疑問です。

魅力ある球団作りが一番でしょう。チームカラー変更などしてサポーターに喧嘩を売るより、チーム補強にいい金の使い方をして欲しい。
イルハンではすべり、エムボマも全盛期のキレはない。外人さんも司令塔のいいのを取って欲しいです(無理とは思うが、中田なんか来ないかな。今の使われ方中途半端やし)。

身売りされ、文化まで引き剥がされていく。ある種の文化的侵略といってもいいかもしれません。
当研究所11月7日号「さよなら西宮球場」の写真からも、「文化があった場所」というその気持ちを汲み取りいただければ幸いです。

三木谷氏も「チームカラー変更反対運動」があったことを忘れず、仙台での球団運営に文化的背景を理解して、活動いただければいいかと思います。
楽天イーグルスの地元仙台では「ライブドアのほうがよかった」「後だしじゃんけん」「従来経営者の影が、見え隠れ」「3年すれば神戸に移転するかも」などと言われているようですね。その声を覆すためにも是非魅力的な球団を作り、「楽天で良かった」と言わしめていただきたいです。
ただし来期の戦力には目をつぶりますから、3年後にはプレーオフ進出争いに出れるよう補強(要は「補強に金をだせ」ということ)をしていって下さい。

またこれらのことを踏まえて、ホークスの新オーナー孫さんがユニのデザインを基本的にそのままにして、チーム名も「福岡ホークス」にすれば、博多っ子からも拍手喝采ではないでしょうか。
それとも三木谷氏のように、ガラっと替えてしまいたいのでしょうか。
今のユニがファンの評判もいいだけに、是非一考願いたいところです。

※おことわり
本日掲載予定の「おしえてしょちょお」は、原稿を会社に忘れてくるという所長の致命的ミスにより、掲載を延期します。

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2 コメント

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でもヴィッセル自体…。 (wolfy)
2004-11-24 11:09:20
1966年以来続いた、「岡山の」川崎製鉄サッカー部を誘致した経験。それ以上に、Jリーグ発足時に、ヤンマー(現セレッソ)が神戸で旗揚げを希望していたにもかかわらず、野球に力を入れており、サッカーには消極的であったばかりに、ヤンマーが神戸を諦め、大阪市(長居)に行った経緯を無視するのか、という気がするくらい、「都合のいいフランチャイズ」でしたから、白黒にどれだけの意味があるのか、というのも難しいですね。



ガンバも奈良の「松下サッカー部」を大阪に松下の力で持って行き、設立当初はヤンマーが単独でできる力が無かったので、競合なく承認されたのですから。



ある意味、関西にJリーグが根付かない原因はそんなところにもあるのかも知れません。
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寡聞にて、知りませんでした。 (ハムぞー所長)
2004-11-24 20:58:05
ご指摘有難う御座います。

サッカーには疎いもので、よくご存知の方から見ると幼稚なことを書いているかもしれません。



ところでJクラブの誘致も、空港の誘致も一度断ってからまた呼ぶと言う、悪いパターンを踏襲しているんですね。

(神戸空港も最初国から打診があったとき、断ったので関空を作ることになったとか)



まんべんなくJクラブがあるのが理想ですが、いろんな経緯があるんですね。



改めて、ご指摘有難う御座います。
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