前回の報告からエライ時間が経ってしまいましたぁ。
記憶が薄らいできており、ブッチしようかとも幾分思っておったところ、「書くのじゃ~」という清明さんのお告げなのか(笑)と思われるようなことが...
いや、まぁ単なる偶然ですけどね。
実は、昨日ご紹介したマンガ冊子『時空船フォトン号の冒険-量子ビームの世界』の中に、「安倍星明」なる人物が登場してたんですよ。いやはや。
この「子ども科学技術白書」というシリーズのマンガ冊子。前出も含めて計8巻出ているようです。監修は、「文部科学省 科学技術・学術政策極調査調整課 研究振興局 基礎基盤研究課 量子放射線研究推進室」。
えっと、どーでもいいことですが、これって1部局でしょうか。「課」が二度出てくるので、少なくとも2部局ですか?まず、そこからわかっておりましぇんが
いや、監修部局の堅苦しさからは想像できないくらい、内容はかなりシュールで、少々強引なものでございましたよ
光のくに「フォトン星」から地球に不時着した通称エレ博士。屋敷に遊びに来ていた中学二年生の男女とともに時空船で平安時代にトリップしてしまいます。
そこで、平安時代の陰陽師「安倍星明」なる人物が登場します。彼は、21世紀の量子ビーム施設とパラレルワールドで繋がっていたため、手のひらから量子ビームを出せたのだ!という設定。
そんでもって、彼は病気を治したり(重粒子ビーム)、中の見えない器の中身を言い当てたり(放射光ビーム・中性子ビーム)できたみたいですな。
この能力(術)を操り、京の政(まつりごと)を好き放題にしていた安倍星明さんのせいで、民はみんな苦しんでおじゃるのでおじゃるのでした。
しかし、エレ博士らに諌められ、その後は改心して二度と悪事を重ねることはなく、民のために術を活用し喜ばれたのでおじゃる~。めでたしめでたし。
ははは~。微妙 でも、他の巻も読んでみたいかも~
...府立大の講演会のレポじゃなくなってきていますね。ぼちぼち軌道修正をば。
陰陽師は江戸時代までは官僚制度の中に位置づけられた職業でした。明治の文明開化により、旧い文明で人民を騙すものとして弾圧されたわけですが、他に万才(漫才)や盆踊りなども民間信仰として弾圧されたそうです。
安倍清明さんは、先に書いたように平安時代の人で、当時、絶大な威勢を振るっていたようです、
その後、代が変わり、武家社会が台頭して、多くの官人陰陽師が凋落した後も、安倍家は土御門家と姓を変えて生き延び、最後の当主・土御門晴雄まで、実は900年余りの歴史があるんですねぇ。
まぁ清明さんは昔の方なので、「その事跡は神秘化されて数多くの伝説的逸話を生んで」きたわけですが、数年前に夢枕獏さんの小説が漫画化・映画化されてからは、前出のマンガ冊子のような、特撮的フィクション性(笑)が増したのかもしれません。
それまでの清明さんの逸話の主流は、「異類婚」伝説。
葛の葉は伝説上の狐の名前。彼女?と安倍保名(伝説上の人物)との間に授かった子どもが安倍清明さんらしいです。
作品としては、人形浄瑠璃や歌舞伎で『芦屋道満大内鑑』、説経節(日本近世初期の語り物文芸)で『信太妻、信田妻(しのだづま)』とも。
信太首(しのだのおびと)という人は実在した渡来系氏族だったと言われています。
物語が渡来の方との婚姻のメタファーなのか、よくわかりません。
また、「異類婚」ゆえなのかどうかわかりませんが、陰陽道に限らず、近世(江戸時代)における芸能や学問の担い手は、士農工商から「外れた」人々であったことは確かなようですね。
ところで、晴明との争いに敗れて野に下った芦屋道満が落ちていった先は、なんと播磨だったみたいですよ。
SPring8ですね、播磨と言えば。