映画「袴田巌」プロジェクト    

2016年 春 全国ロードショー        

ドキュメンタリーとフィクション

2016-02-29 18:31:29 | 監督日記
ぼやき

ベルリン映画祭のコンペ部門で最高賞、
金熊賞を受賞したのはドキュメンタリーだという。
フィクションとドキュメンタリーが
同じフィールドに上がっていることをうれしく思う。

ひるがえって日本はどうだろう。
くっきりと見えない線が引かれているような気がする。

傲慢に聞こえるかもしれないが
あえて言わせて欲しい。

自分がつくったドキュメンタリー映画
「袴田巖 夢の間の世の中」の中で繰り広げられる
人間ドラマはフィクションでは到底表現しきれない
何かが映っているように思う。
大げさに言えば袴田巖さんが人間を回復していく
その歴史的瞬間に我々は立ち会いカメラを回したのだ。

どんな役者にも袴田巖さんは演じられないだろうし
秀子さんをキャスティングできない。

2人が発するひとこと一言は脚本では書けないセリフであり
シナリオでは書けないシーンが展開される。

ドキュメンタリーだけが凄いなんて
話をしているわけではない。

フィクションだろうがドキュメンタリーだろうが
良いものは良い!ダメなものはダメ!なんだと思う。

だから有名なアイドルや役者がバラエティーにでて
番宣しているような映画(それが悪いと言っているのではない)だけでなく、
まずはドキュメンタリー映画も
同じように観て欲しい。


いつも事務所にスクーターで通うとき
スタジオジブリの前を通る。

冗談で時々「ライバルはジブリです。」と
言うときがある。

いやスピルバーグでもタランティーノでも良い。

もちろんまだまだ力不足なことは重々承知している。

しかし同じ”映画”というフィールドに立っていると
作り手の方も自覚していることが大切なんだと思う。


劇場公開がはじまった。

まずは1335万人住んでいる東京の
ポレポレ東中野1館からのスタートだ。
96席、1日2回。

とにかく観て欲しい。

金聖雄

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