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HUAWEI P20 Proレビュー。1ステージ上のカメラ性能に大満足の3か月

 HUAWEI P20 Pro HW-01Kに機種変更して3か月が経ったので、ここまでの印象をまとめておきたい。
 総論として、スマートフォンのカメラ性能を重要視するのであれば、十二分に検討の価値がある。カメラ性能が1つ上のステージに上がった個性的な端末だ。写真を撮る楽しさを改めて感じている。


■今期最強のカメラ性能は期待以上

 HUAWEI P20 Pro HW-01Kの売りは何と言っても、Leica(ライカ)と共同開発したトリプルレンズを搭載するカメラだ。シーン認識や手ぶれ補正などにAIが活用されており、静止画撮影においては他の端末を大きく凌駕する現時点最強の性能を誇る。
 色づけが強めの「盛り」写真となる傾向はあるが、ハッとするような1枚が普段使いのスマートフォンで簡単に撮れることが、最大の魅力である。
「青空」は得意なP20 Proが得意なシチュエーションの1つ


 人物や近接撮影では、多くのシチュエーションでポートレートやクローズアップのモードに切り替わり背景が美しくボケる。人物撮影では美白効果も加えられ、まるでスタジオ写真のような仕上がりになる。
暑い夏の日に花壇に咲く花をP20 Proでマクロ撮影


 P20 Proカメラのもう1つの得意技が夜景撮影である。自動的に設定を様々に変化させ連写した写真を組み合わせて画像を生成してくれる。ほとんどブレもなく美しく撮れるところは見事と言うほかはない。実際の見た目と異なりすぎることもあるが、P20 Proが夜景モードでなくオートを選択した場合は、経験則から言えば素直に従った方が満足できる仕上がりになると思う。
名古屋テレビ塔からの夜景をP20 Proで撮影

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン園内で撮影


 光学の3倍ズーム機能は躊躇なく使用できる品質だ。被写体が細かいものでなければ、デジタル処理との掛け合わせになる5倍ズームも実用的だ。ファインダー画面の「1x」という表示をタップすると、1倍→3倍→5倍とトグルに切り替わる仕掛けも使いやすい。
 作例は東山動物園でガラス越しに撮影したコアラの写真をトリミングしたものだ。ズーム必須のシチュエーションだが、5倍でこの品質なら文句はあるまい。
東山動物園コアラ舎で撮影したコアラ。トリミング処理


 一方、食べ物を撮影する「フード」はやや白みが強くなり、他の機種のような赤みを強めるアプローチとは異なるので、好みでシーン認識をオフにするのも選択肢だろう。「その他」タブから別途ダウンロードできる「ナイスフード」のフィルタも大した違いはない。
カツ丼の写真を「フード」設定とシーン認識OFFで比較


 もちろん限界もあり、地下ホームに進入してくる電車など極端に撮影条件の厳しい場面では、さすがにシャッターボタンをタップするだけでは、被写体をブレずに捉えるのは難しい。こうした場合は、流し撮りのようなテクニックが必要かも知れない。
地下ホームに進入してくる阪急1300系電車


 AIによるシーン認識もまだまだ完璧ではなく、下の写真では、主役のキリンには目もくれず「草木」としてシーンを判定している。画角の比率から見れば「草木」は理解できる選択だが、キリンが映える絵作りも見てみたい。AI機能のさらなる進化に期待しよう。
シーン認識は「草木」になり、緑が強調された。東山動物園のキリン。


 こうした手軽な撮影のほか、各種設定を手動で調整できるプロモードを使いこなせば、さらに好みの絵作りができる(ようだ)。また、私は利用しないが、自撮りに使うなら2400万画素のインカメラとAI認識、背景ぼかしなどの機能が満載で、モリモリ・マシマシのセルフィー写真が撮れる。
 細かな点では、シャッター音が控えめで周りに配慮した撮影がしやすい点も気が利いている。あとは、スクリーンショットの取得音が標準で無効化できれば言うことはないのだが…。


■基本性能は至って「普通」

 カメラ以外の機能は「普通」である。小さな不満はいくつかあるが、支障があると言うほどの欠点はない。
 そんな中でも特筆しておきたいのはロック解除の快適さだ。ロック画面から本体前面の指紋センサーに触れるだけで指紋認証によりサッとロックが解除されて気持ちよい使用感だ。
P20 Proの指紋登録画面


 また、端末を持ち上げて画面を見るだけで顔認証が起動してロック解除するよう設定すれば、より快適さが増す。
 具体的には、「設定」→「スマートアシスト」→「モーションコントロール」から、P20 Proを持ち上げた時に画面点灯するように設定する。次に「設定」→「セキュリティとプライバシー」→「顔認証」→「ダイレクトロック解除」を設定して完了だ。
モーションコントロールで端末を持ち上げた時に画面を点灯するよう設定


 Galaxy S8とiPhone 8で謳歌していたワイヤレス充電に対応しないことは小さな不満の1つではあるが、電池持ちが特段に良いとも悪いとも感じない普通のレベルで、就寝前に充電すれば運用上の問題はない。ただ、P20 ProはHUAWEI独自の超急速充電機能という独自規格に対応しているのだが、この機能を実現するための電源アダプタは同梱されておらず、入手も容易でないことは不親切と指摘しておきたい。
 このほか、グローバル版に比べて、HUAWEI独自アプリや一部機能が削られているようだが、私は大きな不便は感じていない。国内向けHUAWEI端末としては久々の搭載となった、おサイフケータイも問題なく正常に動作している。
HUAWEI P20 Pro HW-01Kで改札を通過



■スマホ成熟時代の「一芸」端末

 ここ数年はスマートフォンの市場が成熟し、端末間の差異が小さくなっている。そうした中では、「デザイン」「機能」「価格」など、自分を納得させるために何かしらの選ぶべき理由を見つけたい。HUAWEI P20 Pro HW-01Kは言うまでもなく飛び抜けたカメラ機能が特長であり、その期待に十二分に応えてくれる良機だ。
HUAWEI P20 Pro HW-01Kの背面



【参考】

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