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100万回生きた猫

2009-08-13 21:47:01 | SORAブログ
【100万回生きた猫】




あるところに100万年も生きた猫がいました



立派なとら猫でした




猫は100万回死んで



100万回生きました




100万人の人がその猫をかわいがり、



100万人の人がその猫が死んだ時泣きました



猫は一回もなきませんでした




ある時猫は王様の猫でした



猫は王様なんて嫌いでした




ある日猫は戦争の最中に、矢に当たって死んでしまいました




王様は猫を抱いて泣きました



そして王様は戦いをやめてお城の庭に帰り、猫を埋めました




ある時猫は船乗りの猫でした



ある日猫は船から落ちて死んでしまいました



船乗りは猫を抱いて大きな声で泣きました



そして遠いみなと町の公園の木の下に猫を埋めました




ある時猫はサーカスの猫でした



またある時は泥棒の猫でした



おばあさんや小さな女の子の猫の時もありました



猫が死ぬ度に飼い主は声を上げて泣きました


そして猫を土に埋めました




猫は死ぬのなんて平気でした






ある時猫は誰の猫でもありませんでした



のら猫だったのです



猫は初めて自分の猫になりました



猫は自分が大好きでした



何しろ立派なとら猫だったので、立派なのら猫になりました




どんな雌猫も猫のお嫁さんになりたがりました



大きな魚やネズミ、マタタビをお土産にする猫もいました



猫は言いました



『俺は100万回も死んだんだぜ。今さらおかしくって!』



猫は誰よりも自分が好きだったのです






たった一匹猫に見向きもしない白い猫がいました



猫は白い猫の側にいって

『俺は100万回も死んだんだぜ』


と言いました



白い猫は

『そう』


と言ったきりでした



猫は少し腹を立てました


何しろ自分が大好きでしたからね



次の日も猫は白い猫のところへいって言いました



『君はまだ一回も生き終わっていないんだろ』


白い猫は

『そう』


と言ったきりでした



ある日猫は白い猫の前でくるくると3回宙返りをして言いました


『俺サーカスの猫だったこともあるんだぜ』


白い猫は

『そう』


と言ったきりでした



『俺は100万回も…』


と言いかけて猫は


『側にいてもいいかい』


と白い猫に尋ねました


白い猫は


『ええ』


と言いました



猫は白い猫の側にいつまでもいました



白い猫はかわいい子猫をたくさん産みました


猫はもう

『俺は100万回も…』


とは決して言いませんでした



猫は白い猫とたくさんの子猫を自分よりも好きな位でした



やがて子猫たちは大きくなってそれぞれどこかへいきました



『あいつらも立派なのら猫になったなぁ』


と猫は満足して言いました


『ええ』

白い猫は言いました


そしてグルグルと優しく喉を鳴らしました



白い猫は少しおばあさんになっていました



猫はいっそう優しくグルグルと喉を鳴らしました



猫は白い猫と一緒にいつまでも生きていたいと思いました



ある日


白い猫は猫の隣で静かに動かなくなっていました



猫は初めて泣きました


夜になっても朝になってもまた夜になって朝になって、猫は100万回も泣きました



朝になって夜になってある日のお昼に猫は泣き止みました



猫は白い猫の隣で静かに動かなくなりました




猫はもう決して生きかえりませんでした

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