派手な句は決して多くないものの、ふと立ち止まってしまう句がいくつかあった。
下萌といふ色のなきちからかな
ちょっともったいぶっているような言い振りだが、下萌の「色がない」というところに着目のは面白いと思う。
真ん中を川流れゐる春田かな
の大雑把な把握も悪くない。
拙作ながら、「秋の川中部地方を流れけり」の句と通じるところがあって、勝手に共感。
葉桜の下のつめたき匂ひ . . . 本文を読む
全体的に言葉と言葉のつながりに難多し。
それから、季語の選択に疑問を覚えるところが多くあった。たとえば、
電波の日百周年を知る校舎
須賀川の夏至の川浪ひかり待つ
1句目、「百周年を知る校舎」という言い方は不自然。さらに、「電波の日」の選択も疑問。
2句目、「川浪ひかり待つ」というのは、上手い言い方じゃない。
少し偉そうなことを言わせてもらえば、俳句って伝統工芸みたいなところがあっ . . . 本文を読む
会ふまでの時間揺れゐる姫女苑
ライラック匂ふひとりになりしとき
冒頭2句は恋の句から始まって、確かに出来は悪くないんですけど、情感がすこし平板のように思った。
1句目は「揺れゐる」が前後のどちらにかかっていくか、やや不明確(いや、「時間(を)」ということか)。「逢ふ」としなかっただけセーフなのかも。
2句目、この表現は安直だと思う。なんだか「いかにも」という感じ。
鍵盤の上の . . . 本文を読む
俳句の始祖正岡子規は、野球と俳句との関係について次のような言葉を残しています。
「野球を知らない俳人は、猫を知らない江戸屋猫八のやうなものだ」
というのはもちろん作り話なんですけど、今月22日にめでたく第1回「の・ぼーるの会」を開催する運びとなりました。発起人はモルさま。
将来的には社会人野球サークルとのガチンコ勝負を見据えた壮大な企画であります(たぶん)。むしろ「子供は野球チームが作 . . . 本文を読む
何か忘れてるなあと思ってたら、そうそう、週刊俳句賞ですよ!
特別審査員や互選の選評を読みながら、何かもうちょい小ざかしく若作りしといた方がよかったかな(チッ・・・)と、毎夜鬱々と繰り広げられる一人反省会。
振り子さんに1点いただきました!感謝!
振り子さんはずっと横目に気にしている存在なんですけど、なんだか不思議な距離感のまま、今日に至る。近々接近させていただきます。>振り子さん
あ . . . 本文を読む
手の中の水飲み春を惜しみけり
大股に浜をゆきたる端午かな
40人の中ではかなり上手い部類に入る人だとは思うのだけれど、いずれの作品からも「『モノ』を動かさなくてはいられない」という落ち着きのなさを感じた。
新緑の旅の鞄をひきずりぬ
どの船も沖を向きたる薄暑かな
1句目、「鞄」という言葉は「俳句に入れるとかなりの確率で成功する言葉」その一で、また、かなり象徴的な言葉で . . . 本文を読む
おばさまの家からの更新。少しお酒をいただいて、非常にいい気持ち。
ヒヨシムラから松山まで、おばさまの車を運転させてもらった。1時間半ほどの行程ながら、こんな長距離の運転は初めてだったので、随分自信がついた(近々「私を海へ連れてって!2007・夏」決行します)。
おばさまの家にはリナという名の猫がいる。名前は可愛いのだけれど、体重7キロ。結構な化け猫。
久しぶりに遭遇したので警戒しているのか . . . 本文を読む
お腹まわりがすごいことに。小学生が手をつないだら何人分だろうか。
田舎で会う人会う人に「太ったね」と挨拶のように言われるので、ああ、僕の愛すべき故郷はこんなにもデリカシーのない土地柄だったのかと認識を改めざるを得ないと考えていたところ。
もちろん、そんなデリカシーをはねのけるくらい僕が豊かにお育ちになっているのがそもそもの原因であって、みんなが川で泳いでいるときに一人だけTシャツを脱がなかった . . . 本文を読む
「『新鋭俳人競詠』を読む」はどこへ行ったのかというと、いや、早急に全員分書き上げなきゃいかんと焦ってはおります。自分の自句自解にたどりついた途端に「やり遂げた感」が・・・(笑)。
ともかく、東京に戻り次第、仕上げる予定です。
「飯田哲弘『季語といふもの』に関して」の議論はどこへ行ったのかというと、これも帰京後に再開の予定。
実はあの後てっちさんと飲んで、議論の決着は一度着いちゃったんですけ . . . 本文を読む
9時に近くの公民館へ。
地区のおじいちゃんたちに指示されるままに、ブルーシートを張り、簡単なテントを作る。
ここでは「お念仏」などと言い習わしているけれども、正確に言うと「六斎念仏」という行事(秋の季語ですね)。
地区の若い衆(とは言っても40代のおじさんたち)が太鼓を叩き、80歳過ぎのおじいちゃんたちが太鼓に合わせてカンカンと鉦を鳴らす。太鼓のリズムに鉦がついていけず、後継者不足の由、なん . . . 本文を読む