はーちゃんの気晴らし日記

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大粒の涙

2021年08月25日 | ミニちゃん
子供たちの夏休みも終盤に近付き、今まで全く顔を出さなかったツブとミニが我が家にやってくるようになりました。
夏休みの宿題を片付けるためです。
ツブは主人と数学、ミニは私と一緒に習字と読書感想文をしました。

ミニは、夏休みに入るとすぐにドリルなどの宿題は済ませてしまったらしく、残っているのは習字と読書感想文だけなんだそうです。
習字は、先週何とか済ませました。
できは良くなくて、私的には心残りがありますが、とりあえず仕上げました。

残るは読書感想文です。
「感想文を書く本は読んだの?」
と聞くと、とっくに全部読んだと言います。
「兵隊さんに愛されたヒョウのハチ」という本でした。
私は全く内容を知らなかったので、だいたいの内容をミニから聞きました。
思った以上に悲しい内容でした。
ミニから話を聞いて、ざっと本に目を通したのですが、私自身も辛くてたまらなくなりました。

実話です。
内容は、戦時中の中国で日本兵がヒョウの赤ちゃんを保護し、ハチという名前がつけられました。ハチは部隊のみんなから可愛がられ、隊のアイドル的存在になりました。
戦争が進むにつれ部隊は移動しなければならず、ハチは日本へ送られることになります。
人間に育てられたヒョウを野生に返すことは難しいという判断だったようです。
ハチは日本に渡り、上野動物園に贈られました。
猛獣ではありますが、人間に慣れているので、動物園の人気者になっていったようです。
その後、戦争が終盤に近付き、動物園が爆撃を受けた場合猛獣が逃げ出して、国民に被害を与えてはいけないということから、猛獣を殺処分することになり、ハチも毒殺されてしまいました。
そのあたりの事は具体的に書かれていましたが、私自身も触れたくないと思うような内容なので、ざっと書きました。
実話だけに余計に辛さが残りました。
殺処分の事は、ゾウを餓死させる場面も書かれていて、その部分になると、ミニは
「もう嫌!もう読みたくないし、このことは書きたくもない!」
と言ってイヤイヤと顔を横に振り、テーブルに突っ伏してしまいました。
それほど衝撃的な話でした。

私は、まるとヒョウのハチがダブリました。
「まるもハチみたいに大きくて、おとなしくて、優しかったよね。まるは、病気で死んだけど、ババは、ヒョウのハチとダブって余計に辛くなるの」
というと、突然、ミニの目から大粒の涙がこぼれ、原稿用紙の上にポタリと落ちました。
そして次々と涙が溢れ出し、原稿用紙を汚しそうになったので、私はあわてて原稿用紙を片付けました。
その後、ミニは号泣してしまいました。
私はミニの気持ちが落ち着くまで、しばらく待ちました。
ひとしきり泣いた後、ミニも私と同じように、まるとハチがダブったと言っていました。
「そのことも感想文に書いたら?」
と言うと、
ミニは落ち着いたらしく、感想文を書き始めました。
私はチェックしていないので、どんな風に書いたのかわかりませんが、丁度良い長さの感想文が書けたようです。

私にとっても辛い話で、ミニも「辛い」とか「悲しい」とかそんな言葉では言い表せないと言っていました。

戦争の悲劇は、たくさんの実話として残っていますが、何も知らない物言わぬ動物が被害を受けるのは、たまらない気持ちになります。
二度とこんな悲劇が起こらないようにと願います。

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