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歯科医師と付き合う

2018-08-05 14:07:17 | Weblog
歯が痛い、歯ぐきから出血しているといった利用者の口腔機能の低下に関する情報が訪問介護の事業所から、ケアマネジャーに寄せられ、ケアマネジャーの判断で歯科医受診までの仕組みが制度として完成している。
この仕組みにのって歯科受診にいたったケースはどれくらいあるのだろうかと思う。

口腔の機能は、たとえば咀嚼に伴っての音と顔の筋肉の動きは脳へ刺激を与えるので認知症状への影響があることは有名であり、よく噛まないでのみこんでしますと胃や腸での消化、栄養分の吸収に影響することも知られている。一方で、全身状態の悪化は、たとえば高脂血症などだと口内の細菌バランスが崩れ虫歯になりやすくなるし、脳梗塞なでにより動作に麻痺が生じた場合には自分で食べることが難しいといったことで口腔の機能を低下させる。
このように口腔の機能の維持は介護状態の悪化を防ぎ維持していくための1つ要素ゆえに今回の改定では指定介護サービス事業に係る運営基準を改定し、指定居宅介護支援の事業に係る基準でも改定をしたのだろう。
さらに診療報酬では、前回28年度改定の歯科で虫歯治療が終わった患者の口腔内が不安定なために歯の喪失を防ぐために「エナメル質初期う蝕管理加算」が設けられたのに加え、今回診療報酬改定で歯科において特に老化に伴う口腔機能低下が認められる高齢者の口内の管理をするために「歯科疾患管理料口腔機能管理加算」を作り高齢者の口腔の管理を行えるようにした。
これらの改定で、利用者の口腔のトラブルの発見から治療までの筋道ができたので、この情報のハブとしてケアマネジャーが位置する。

口腔に関しての対応が制度上できているので、ケアマネジャーの仕事はこれであきらかになった。
まず、情報が来るようにすることだ。そこで、訪問介護等の事業者に利用者の口腔についての変化に注意してもらうようにお願をしておく、そのためにはどこに注目してほしいか項目を挙げて報告してもらうような書面を前もって渡しておくという方法もある。
なんといっても情報がこなければ次のアクションにつながらない。

介護事業所にお願する関係ができたら、利用者の情報がくるだろう。その情報についてケアマネジャーはどう判断し行動したらよいか、悩むかもしれないが、そこは介護側では判断できない領域、むしろ歯科疾患についての判断に踏み込むことは歯科医療の領域を犯すことと思った方がいい。そこで、ケアマネジャーは利用者がかかっている歯科医に情報を伝達し、歯科医の判断を仰ぎそれによって判断し行動すればよいだろう。

時に歯科医は利用者に受診するようにケアマネジャーに利用者を連れてこいと依頼するかもしれないが、受診するかどうかは利用者が決めることでケアマネジャーが連れていくようにするのは、これもケアマネジャーの業務の範疇を超えるというべきで、こうしたときは、ケアマネジャーは歯科医に、先生のことは利用者に伝えますが、受診をするよう促すのは先生の方でと、役割について理解をしてもらうことが大事だ。この役割を分担しないで、なんでもケアマネジャーがやっているとケアマネジャーが行う本来の仕事ができないだけでなく、いつまでたってもケアマネジャーのやるべきことが周辺の職種に理解されないことが心配だ。

利用者の歯科受診を歯科医から行ってもらうには手順を踏まないと、歯科医からは理解が得られない。まず、利用者を担当したときから歯科医師に担当のケアマネジャーであることをお知らせしておきたい。この挨拶があるとないとでは歯科医師の心象は違ってくる。はじめから利用者に関してやり取りができていれば、この場面でこらからのお願いによい反応をしてくれるが、突然に歯のことで知らないケアマネジャーから歯科医師に話があったら戸惑うだけでなく、時としてはこちらの思いとは別のとらえ方をされて関係を作ることさえできなくなる。

要は制度でできた仕組みをうまく使うと効果が得られるが、手順や常識を踏まえずに対処すると逆の結果をえることを知っておきたい。
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