就労継続支援A型事業所Oに通い始めて2か月くらい経った日。
少しづつ館長さんに不信感を抱き始めていたころ。
事件は起きた。
館長さんは、毎日病的にヒステリーを起してメンバーさんを些細なことで、
大声で怒鳴り散らしたり、物を投げつけたりしていた。
「なんで障害者にそんな態度をとるのか」私は心の中で勝手に憤っていた。
その日は、パソコン関連の些細なことで、そのヒステリーが初めて私に向けられた。
私は、余りのきつい言い方に、つい反論した。
100倍になって帰って来た。
悔しくて涙が出た。
「なんでも私に言いなさい」常々そう言っていた館長に私は泣きながら言った。
「きつい言い方をされると私は泣きます」
「きつい言い方なんかしていません!仕事中は泣くな!泣く人は辞める!」
16歳の自分ならここで「じゃあ辞めるよ!」と怒鳴り返して帰っていただろうが、
33歳の私は、泣きながらお団子を丸めた。
もう、クビになったと思った。
お仕事見つかってよかったね!って言ってくれたみんなの顔が浮かんだ。
なにより、嬉しそうだったママの顔。
1時間涙が止まらなかった。
お団子を丸め続けた。
仕事を終えて帰る時。
館長さんが、私の顔を覗いて
「もう泣いてないわね。こうやって仲良くなって行くのよ」と行った。
私は、その日初任給をもらったお礼に館長さんに贈り物を持って行っていた。
泣き腫らした目で、館長さんに「あずき蒸気のカイロを渡して、ハグして帰った。
仲直りした。
以前、通所していて辞めたメンバーさんに
「大声で威嚇された」と、訴えられそうになったとは聞いていたけど、
まあまあ、納得。