学生の頃、呼吸苦っていう言葉はつかってはいけない、と教育されました。呼吸困難というのが正式用語だそうです。生活苦や借金苦はあるけど、呼吸苦って言葉はない。特に論文や症例報告を執筆するときにはこうした間違った言葉は使ってはいけません。
呼吸苦っていうことばはナースの領域で作られた言葉という説もあるようですが、学会発表やカンファレンスでの症例呈示の際には使わないように普段から指導しています。
医学用語のスラングのような言葉で一人歩きしている印象もありますが、あまりに頻繁に使われているので、充分意味も通じますが、正式な用語を医師としては知っていて使いこなす必要があります。逆に呼吸苦って言葉は普段使っていても呼吸困難という言葉を使うことがない医師も多くなってしまっている現実は残念ながら教育レベルの低下を表していることになり、ちょっと悲しい感じがします。
最近になって正式に「呼吸苦」という言葉を使っても良い、といことになった、と言っている医師もいましたが、やはり正しい言葉というのは知識人の先頭に立つべき医師としては尊重したいものです。