横須賀うわまち病院心臓血管外科

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ベッドサイドマナー:Bedside Manner

2020-11-04 04:22:18 | その他
 Bedside Manner = ベッドサイドマナーという言葉、日本ではあまり耳慣れない言葉ですが、アメリカでは非常に重要視されているものだそうです。翻訳を見ると、そのまま、患者に対する医師の態度、ということです。筆者が医学部で教育を受けたのはもう25年以上も前になるので、現在は変わっているかもしれませんが、そうした教育は日本ではありませんでした。アメリカの医学教育の中では、必ず時間をとって教育されているものだそうです。ただ共通していることとして、その当時から患者のプライバシーの侵害という内容については話題にされており、少しずつ患者の権利という言葉も浸透して、現在ではどの病院も患者の権利を病院の方針の中に記載されるようになってきたので、他の分野と同じように日本の医療文化的な面でもアメリカに20年遅れで追従しているものと思います。
 日本でも、患者の情報を他人に、たとえ家族にでも口外しない、患者さんのプライバシーの侵害になるような行為を極力行わない、他人に患者さんの名前などを呼ぶことによって、名前が特定されないようにする必要がある、など浸透してきていますが、横須賀市立うわまち病院も含めて多くの病院、クリニックでは、プライバシーを守れるスペースや方法を確保できていないため、いまだに大声で他人に聞こえるような対応をせざるを得ない現状もあります。
 時代が追いついていない、というだけではなく、日本とアメリカとの大きな違いは、訴訟の多さと医療費負担額の大きさが明らかに影響しています。
 実際に訴訟社会であるアメリカではベッドサイドマナーが確立されていない時代には多くの患者の権利やプライバシーを侵害されて訴訟が起き、それで法制化して発達してきた歴史があり、日本でもいずれ法制化するなり、ガイドラインが出るなどしてくるものと思います。
 アメリカでは医療費が日本の数倍かかるので、当然その分サービスもよく、医療関係者の給料も高くなり、スペースも確保できるという点で当然の対応なのかもしれませんし、日本では医療費が非常に安価でだれでもいつでも病院にかかれるために、患者の数が多く、薄利多売の医療が展開され、その分、サービス面までいきわたらないという現状があると思います。
 いずれ日本でも患者さんに選ばれる病院になるための努力はどの病院でも重視されており、ベッドサイドマナーも重要な要素であることは間違いありません。その意味で30年前に比較して、たばこを吸いながら外来をする医者もいなくなったし、患者に対して怒鳴る医者もいなくなったし、スタッフ間のパワハラなども圧倒的に減ってきているとおもいます。

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