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脳内でのホルモン等の働きで糖分への欲求を抑える仕組みを解明

2019-01-30 | 食・レシピ
 群馬大など5大学(群馬大・富山大・名古屋大・大阪大・自治医科大)の研究グループは、糖の摂取時に肝臓が分泌するホルモンの作用で過剰な糖の欲求を抑える脳の仕組みの一部を解明した(2018.11.5、発表)。
 将来的には糖尿病や肥満症などの治療法の発展が期待されるとしている。2日付の英科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に掲載された。
 群大生体調節研究所の佐々木努准教授らの研究グループは、5年前から糖に対する意識下の欲求の仕組みを調べた。細胞実験や、実験用のネズミに普通のエサと糖分の多いエサを食べ比べさせるなどの実験をした。
 これより、次の2点を明らかにした。
 ①糖分を摂取したときに肝臓から分泌されるホルモン「FGF21」が、脳の視床下部の神経から生じる神経伝達物質「オキシトシン」に作用し、糖への欲求を抑える
 ②同じ神経の細胞内にある長寿遺伝子「SIRT1」が、「FGF21」の「オキシトシン」への働きを強める
 これまでは、「FGF21」や「オキシトシン」がそれぞれ糖への欲求に関わることは知られていた。肥満の人は「糖を食べた」と思わせる「FGF21」の脳への作用が低下したり、「SIRT1」の加齢による減少に伴ってより甘いものが好きになったりするという報告があった。今回の研究で、このような現象の原因が解明される可能性があるという。
 佐々木准教授は「甘いものの食べ過ぎで起こりやすい肥満症や糖尿病などの治療につながる」と述べた。
 ◆世界保健機関(WHO)は「糖類を1日摂取カロリーの5%未満に抑える」よう勧める
 世界保健機関は、砂糖などの糖類を1日に摂取するカロリーの5%未満に抑えるよう勧める新たガイドラインを発表した(2015年3月5日)。5%は平均的な成人で1日25gの砂糖(ティースプーン6杯分)に相当すると言う。
 これまでは10%まで(2002年の指針)と推奨してきたが、5%未満に抑えれば虫歯や肥満などの健康問題を改善できることが判ったとしている。ここでの対象は、砂糖・蜂蜜・果汁などに自然に含まれる糖分と食品に添加される糖分で、生の果物などに含まれるものは含めない。
 因みに、推奨数字超えとなるのは、あんパンなら1個、炭酸飲料なら1本・・。
 日本人の食事摂取基準(10年版)は策定されているが、糖類摂取量基準は策定していない(厚生労働省)。15年版の食事摂取基準には、糖類摂取量基準は盛り込めないが、食品成分表の糖分含有量記載を受けて20年版の食事摂取基準に糖類摂取量基準を盛り込む方向との事。

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