「4 食品の安全性」 の 「C 食中毒」, 「D 食品による感染症・寄生虫症」 の練習問題と解答・解説です.
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4 食品の安全性 C 食中毒 D 食品による感染症・寄生虫症 30問 練習問題
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1 微生物性食中毒に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 10 ℃ を増殖至適温度とする微生物を, 中温菌という.
(2) 酵母やカビの増殖に最適な pH は, 8.O~9.0 である.
(3) 食中毒の潜伏期は一般に, 感染型の方が毒素型より短い.
(4) 食品の腐敗・変敗には, 偏性好気性菌は関係しない.
(5) 細菌の増殖における世代時間は細菌の増殖が早いか遅いかの指標となるので, 食品衛生対策の上で重要である.
2 微生物性食中毒に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 細菌の増殖曲線のうち定常期とは, 分裂に要する世代時間が一定で, 細胞数が指数的に増加する時期をいう.
(2) 細菌の増殖曲線のうち対数期とは, 細菌の増殖と死滅が相殺され, 分裂が見かけ上停止している時期をいう.
(3) 水分活性が 0.75 以下になると, 微生物は増殖しない.
(4) 腸炎ビブリオによる食中毒は, 致死率が高い.
(5) サルモネラ中毒は, 魚介類で起きたことはない.
3 腸炎ビブリオに関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 腸炎ビブリオの原因細菌は, グラム陽性球菌である.
(2) 腸炎ビブリオ菌は, 海水中では増殖しない.
(3) 腸炎ビブリオ菌による食中毒は, 鶏卵の生食が原因となる.
(4) 腸炎ビブリオ (好塩性細菌) では, 食品を真水で洗浄する.
(5) 腸炎ビブリオの原因細菌は, 耐熱性である.
4 サルモネラに関する記述である. 正しいのはどれか. 2つ選べ.
(1) サルモネラは, 75 ℃, 15分の加熱でも死滅しない.
(2) サルモネラは, 8 ℃ 以下の低温でも十分増殖する.
(3) サルモネラの至適発育食塩濃度は, 3% である.
(4) サルモネラによる食中毒の原因食品に, 卵, 肉がある.
(5) 生食用の殻付き卵につけられている賞味期限の表示は, サルモネラ菌対策のためのものである.
5 カンピロバクターに関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) カンピロバクターによる食中毒は, 夏期より冬期に多発する.
(2) カンピロバクターによる食中毒は, 菌が産生した腸管毒素によって発症する.
(3) カンピロバクターによる食中毒は, 潜伏期が2~7日である.
(4) カンピロバクターは, 魚介類が多く保菌している.
(5) カンピロバクターは, ヒトに常在している.
6 カンピロバクターに関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) カンピロバクターによる食中毒では, 畜肉類に比べて魚介類による発症例が多い.
(2) カンピロバクターは易熱性であり, 加熱調理した食品 (60 ℃, 30分加熱) 中では死滅する.
(3) カンピロバクターは, 大気中で増殖する.
(4) カンピロバクターによる食中毒の潜伏期間は, 6~18 時間である.
(5) カンピロバクターは, 5 ℃ で増殖する.
7 黄色ブドウ球菌に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 黄色ブドウ球菌は耐塩性菌で, 10% 食塩水中でも増殖する.
(2) 黄色ブドウ球菌は, 水分活性 0.95 では生育しない.
(3) 黄色ブドウ球菌食中毒の主な症状は, 神経麻痺である.
(4) 黄色ブドウ球菌のエンテロトキシンは, 15~30 ℃ では生産されない.
(5) 黄色ブドウ球菌による食中毒の発症のためには, 菌が腸管内で増殖することが必要条件である.
8 ボツリヌス菌に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) ボツリヌス菌では, 食品を真空包装する.
(2) ボツリヌス菌は, pH 5.6 では生育しない.
(3) ボツリヌス菌の耐熱性芽胞は, 熱に強い.
(4) ボツリヌス菌は食品中で増殖し, 二酸化炭素, 水素, 酸素などから成るガスを発生する.
(5) ボツリヌス菌の毒素は, 100 ℃, 15分の加熱では失活しない.
9 腸管出血性大腸菌に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 腸管出血性大腸菌は, 低温性細菌である.
(2) 腸管出血性大腸菌O-157には耐熱性があり, 75 ℃, 10分でも死滅しない.
(3) 腸管出血性大腸菌は, 好気性菌に属する.
(4) 腸管出血性大腸菌は, 芽胞を形成しない.
(5) 腸管出血性大腸菌O-157の多くは, テトロドトキシンを産生する.
10 セレウス菌に関する記述である. 正しいのはどれか. 2つ選べ.
(1) セレウス菌は, ヒトに常在している.
(2) セレウス菌の芽胞は, 100 ℃, 30分の加熱で死滅する.
(3) セレウス菌食中毒には, 嘔吐型と下痢型がある.
(4) 嘔吐型セレウス菌による食中毒は, 魚介類の生食が原因となる.
(5) セレウリド (セレウス菌毒素) による食中毒の主な症状は, 嘔吐である.
11 ノロウイルスに関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 平成24年におけるわが国の食中毒患者数は, サルモネラによるものが第1位である.
(2) ノロウイルスは, 感染者の吐物や糞便から感染する.
(3) ノロウイルスは, カキの体内で増殖する.
(4) ノロウイルスによる食中毒は, 海産魚類の生食が原因となる.
(5) ノロウイルスは, ヒトの肺で増殖する.
12 ノロウイルスに関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) ノロウイルスでは, 調理従事者が野菜の生食を避ける.
(2) ノロウイルスは, 60 ℃, 1分間の加熱で不活性化する.
(3) ノロウイルスは, 次亜塩素酸処理により容易に殺菌される.
(4) ノロウイルスは, エタノールで殺菌される.
(5) ノロウイルスは, 冷凍により死滅する.
13 微生物性食中毒に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 腸炎ビブリオの原因細菌が産生する毒素には, 耐熱性溶血毒がある.
(2) ウェルシュ菌による食中毒は, 生野菜が原因食品となる.
(3) 黄色ブドウ球菌の毒素は, 100 ℃, 3分間の加熱で不活性化される.
(4) ボツリヌス菌は, 好気性菌である.
(5) 腸管出血性大腸菌O-157による感染では, まだ死亡例はでていない.
14 微生物性食中毒に関する記述である. 誤っているのはどれか. 1つ選べ.
(1) カンピロバクターは, 乾燥に強い.
(2) エルシニア・エンテロコリチカは, 5 ℃ 程度の低温でも増殖できる.
(3) 黄色ブドウ球菌による食中毒の原因食品は, にぎりめしなど直接ヒトの手が触れたものが多い.
(4) 乳児ボツリヌス症の原因食品は, ハチミツである.
(5) セレウス菌の嘔吐毒 (セレウリド) は耐熱性で, 100 ℃, 30分の加熱では失活しない.
15 微生物性食中毒に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) カンピロバクターは, pH 4.0 以下でも発育する.
(2) ウェルシュ菌食中毒には, 嘔吐型と下痢型がある.
(3) 黄色ブドウ球菌による食中毒の原因食品に, 穀類, 牛乳がある.
(4) 腸管出血性大腸菌による食中毒の潜伏期間は, 6~18 時間である.
(5) リステリア菌は, 10 ℃ では生育しない.
16 微生物性食中毒に関する記述である. 誤っているのはどれか. 1つ選べ.
(1) ウェルシュ菌では, 加熱調理後の冷却を 20 ℃ 以下まで速やかに行う.
(2) 黄色ブドウ球菌は, 健康人からもしばしば分離される.
(3) 腸管出血性大腸菌O-157は, 子どもではきわめて少い菌量で感染する.
(4) カンピロバクターは, 低温菌である.
(5) リステリア菌による食中毒は, チーズなどが原因となる.
17 微生物性食中毒に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) エルシニア・エンテロコリチカは, 微好気性である.
(2) ウェルシュ菌は, 真空包装すれば増殖しない.
(3) ボツリヌス菌による食中毒の原因食品に, 缶詰, いずしがある.
(4) 腸管出血性大腸菌O-157による食中毒発症患者の過半数に, HUS (溶血性尿毒症症侯群) の症状がみられる.
(5) ノロウイルス感染による症状は, 手足の麻痺である.
18 動物性の自然毒食中毒に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) ふぐ中毒の原因物質は, アフラトキシンである.
(2) フグ毒は, 食物連鎖と生物濃縮によりフグ体内に蓄積する.
(3) フグ毒のテトロドトキシンは, 加熱することで無毒化される.
(4) フグのテトロドトキシンの含量は, 一般に肝臓, 卵巣, 白子で高く, 筋肉で低い.
(5) シガテラ毒による食中毒の主な原因は, 二枚貝である.
19 動物性の自然毒食中毒に関する記述である. 正しいのはどれか. 2つ選べ.
(1) ドクカマスによる食中毒は, シガトキシンによって起こる.
(2) イシナギの肝臓を多量に摂取すると, ビタミンE過剰症が起こる.
(3) バラムツ (深海魚の一種) の肉質部には, 多量の不消化性ワックスが含まれている.
(4) 下痢性貝中毒の毒素は, 貝の中腸腺が合成する.
(5) バイ貝毒は, 青酸配糖体である.
20 植物性の自然毒食中毒に関する記述である. 正しいのはどれか. 2つ選べ.
(1) 柄が縦に裂けるキノコは, 食中毒を起こさない.
(2) ツキヨタケ中毒の原因物質は, セスキテルペンである.
(3) ツキヨタケの有毒成分は, 脳神経系に作用するため幻覚や神経麻痺をきたす.
(4) じゃがいもによる食中毒は, 発芽部や緑変部に含まれるアコニチンによって起こる.
(5) ハシリドコロは, その若芽がフキノトウと誤認されやすい.
21 植物性の自然毒食中毒に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) キャッサバの有害成分である青酸は, 前駆体の青酸配糖体が加熱により分解されて生成する.
(2) トリカブトの葉には, アコニチンは含まれていない.
(3) 光過敏症は, クロロフィルによって起こる.
(4) オゴノリ中毒の原因物質は, ソラニンである.
(5) レクチンは豆類に含まれるたんぱく質で, 血液凝集作用をもつ.
22 植物性の自然毒食中毒に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) キャッサバによる中毒は, アルカロイド配糖体のリナマリンによる.
(2) アミグダリンは未熟な果実に含まれる青酸配糖体で, 溶血をおこす.
(3) ハシリドコロは, 摂食後数時間以内に意識障害をきたし, 興奮期には狂騒状態を呈す.
(4) ワラビにはアルカリ処理によって破壊される発がん物質が含まれ, 肝臓に腫瘍を発生させる.
(5) ゴイトロゲンはあぶらな科植物に含まれるステロイドで, 肝臓肥大をおこす.
23 アレルギー様食中毒と食物アレルギーに関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) アレルギー様食中毒の原因物質であるヒスタミンは, 食品中のヒスチジンが脱アミノ酵素をもつ細菌の作用を受けて産生される.
(2) マグロ照り焼きによるアレルギー性食中毒では, 摂取後 12 時間程経過してから下痢と共に下腹部の腹痛が現れる.
(3) 食物アレルギーは, 遅延型アレルギー反応である.
(4) 食物アレルギーの罹患率は, 成人より小児の方が高い.
(5) 卵, 牛乳, 大豆は, 食物アレルギーの三大原因食品である.
24 食物アレルギーに関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 食物アレルギーでは, 血中特異的IgG抗体測定によりアレルゲンを同定する.
(2) 果物は, 食物アレルギーの原因にならない.
(3) 鶏卵中のアレルゲン活性は, 揚げ物調理によって低下する.
(4) 卵中のアレルゲン物質であるオボムコイドは, トリプシン阻害活性を持つが, 熱安定性は低い.
(5) エビフライによるアレルギーは遅延型アレルギーであり, 摂取後 12 時間程経過してからじん麻疹などの皮膚症状が現れる.
25 経口感染症に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) コレラは, セレウス菌の感染によって起こる.
(2) 赤痢の潜伏期は, 約3時間である.
(3) 黄色ブドウ球菌食中毒の潜伏期は, 約3日である.
(4) 腸チフスの症状は, 40 ℃ 近い高熱をともなうのが特徴である.
(5) パラチフスの症状は, 腸チフスより重症である.
26 人畜共通感染症に関する記述である. 誤っているのはどれか. 1つ選べ.
(1) 炭疽菌に汚染された食肉を摂取すると, 腸炭疽を発症することがある.
(2) 牛型結核菌に汚染された牛乳を摂取すると, 結核を発症することがある.
(3) サルモネラ菌に汚染された食肉を摂取すると, ブルセラ症を発症することがある.
(4) リステリア症は, 牛乳や食肉の飲食によって発症することがある.
(5) ペットとの接触で, 人畜共通感染症を発症することがある.
27 寄生虫症に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 75 ℃ の加熱は, 寄生虫症の予防にならない.
(2) 回虫は, 魚介類を介する.
(3) 回虫の卵は, 75 ℃ 1 秒の加熱で死滅する.
(4) アニサキスの幼虫は, 淡水魚類の腹腔や筋肉に生息する.
(5) アニサキスの幼虫は, 80 ℃ 30 分の加熱でも死滅しない.
28 寄生虫症に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 冷凍処理は, アニサキスに対しては無効である.
(2) アニサキスは, 野菜類を介する.
(3) アニサキスは, 海獣類の体内で虫卵が幼虫に発育する.
(4) 有線顎口虫は, 野菜が人へのおもな感染源となる.
(5) 肝吸虫は, 淡水魚から感染する.
29 寄生虫症に関する記述である. 正しいのはどれか. 2つ選べ.
(1) 肺吸虫は, 淡水魚を食べて感染する.
(2) 有棘顎口虫は, 淡水魚の生食によって感染する.
(3) 広節裂頭条虫は, 海産魚類の生食によって感染する.
(4) 広節裂頭条虫は, 中間宿主の体内で成虫になる.
(5) 広節裂頭条虫は, 食欲不振や下痢などの消化器障害を起こす.
30 寄生虫症に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 有鉤条虫は, 牛肉によって感染する.
(2) トキソプラズマは, 淡水魚類を介する.
(3) クリプトスポリジウムによる食中毒は, ウイルスの経口摂取で起こる.
(4) サイクロスポーラは, 肉類を介する.
(5) 赤痢アメーバは, 生水を介する.
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4 食品の安全性 C 食中毒 D 食品による感染症・寄生虫症 30問 解答と解説
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1=(5)
(1) 誤 30~40 ℃ を増殖至適温度とする微生物を, 中温菌という.
(2) 誤 酵母やカビの増殖に最適な pH は, 5.O~6.0 である.
(3) 誤 食中毒の潜伏期は一般に, 感染型の方が毒素型より長い.
(4) 誤 偏性好気性菌, 通性嫌気性菌, 偏性嫌気性菌はどれも食品の腐敗・変敗に関連がある.
(5) 正 細菌の増殖における世代時間は細菌の増殖が早いか遅いかの指標となるので, 食品衛生対策の上で重要である.
2=(3)
(1) 誤 細菌の増殖曲線のうち対数期とは, 分裂に要する世代時間が一定で, 細胞数が指数的に増加する時期をいう.
(2) 誤 細菌の増殖曲線のうち定常期とは, 細菌の増殖と死滅が相殺され, 分裂が見かけ上停止している時期をいう.
(3) 正 水分活性が 0.75 以下になると, 微生物は増殖しない.
(4) 誤 腸炎ビブリオによる食中毒は, 致死率が非常に低い.
(5) 誤 サルモネラ中毒は, 二次汚染により魚介類で起きたことがある.
3=(4)
(1) 誤 腸炎ビブリオの原因細菌は, グラム陰性桿菌である.
(2) 誤 腸炎ビブリオ菌は好塩性菌であり, 海水中で増殖する.
(3) 誤 腸炎ビブリオ食中毒の感染源は, 海産魚介類である.
(4) 正 腸炎ビブリオの増殖は, 真水による洗浄で抑止できる.
(5) 誤 腸炎ビブリオの原因細菌は, 熱に弱い.
4=(4)かつ(5)
(1) 誤 サルモネラ菌は, 60 ℃, 30分間の加熱で死滅する.
(2) 誤 サルモネラは, 10 ℃ 以下の低温ではほとんど増殖しない.
(3) 誤 サルモネラの至適発育食塩濃度は, 1% 以下である.
(4) 正 サルモネラによる食中毒の原因食品に, 卵, 肉がある.
(5) 正 生食用の殻付き卵につけられている賞味期限の表示は, サルモネラ菌対策のためのものである.
5=(3)
(1) 誤 カンピロバクターによる食中毒は, 冬期より夏期に多発する.
(2) 誤 カンピロバクターによる食中毒は, 腸管粘膜上皮細胞への定着と上皮細胞内への侵入によって発症する.
(3) 正 カンピロバクターによる食中毒は, 潜伏期が2~7日である.
(4) 誤 カンピロバクターは, 魚介類にはいない.
(5) 誤 カンピロバクターは, ヒトに常在していない.
6=(2)
(1) 誤 カンピロバクターによる食中毒では, 魚介類に比べて畜肉類, 特に鶏肉による発症例が多い.
(2) 正 カンピロバクターは易熱性であり, 加熱調理した食品 (60 ℃, 30分加熱) 中では死滅する.
(3) 誤 カンピロバクターは酸素濃度 5~15% で増殖する微好気性細菌であり, 18% の酸素濃度では生育しない.
(4) 誤 カンピロバクターによる食中毒の潜伏期間は, 2~7日である.
(5) 誤 カンピロバクターは, 至適増殖温度が 35 ℃~42 ℃ で, 25 ℃ 以下では増殖できない.
7=(1)
(1) 正 黄色ブドウ球菌は耐塩性菌で, 10% 食塩水中でも増殖する.
(2) 誤 黄色ブドウ球菌は, 水分活性が 0.86 以上あれば生育できる.
(3) 誤 黄色ブドウ球菌食中毒の主な症状は発熱を伴わない激しい嘔吐であり, 発症までの潜伏時間が短い.
(4) 誤 黄色ブドウ球菌のエンテロトキシンは, 15~30 ℃ で生産される.
(5) 誤 黄色ブドウ球菌による食中毒の発症のためには, 菌が腸管内で増殖することは必要条件ではない.
8=(3)
(1) 誤 ボツリヌス菌は偏性嫌気性なので, 真空包装では増殖が促進される危険性がある.
(2) 誤 ボツリヌス菌は, pH 4.5 以下では生育できないが pH 5.6 では生育できる.
(3) 正 ボツリヌス菌の耐熱性芽胞は, 熱に強い.
(4) 誤 ボツリヌス菌は食品中で増殖し, 毒素を産生する.
(5) 誤 ボツリヌス菌の毒素は易熱性で, 100 ℃, 15分の加熱で失活する.
9=(4)
(1) 誤 腸管出血性大腸菌は, 中温性細菌である.
(2) 誤 腸管出血性大腸菌O-157は熱に弱く 75 ℃, 1分で死滅する.
(3) 誤 腸管出血性大腸菌は, 通性嫌気性菌に属する.
(4) 正 腸管出血性大腸菌は, 芽胞を形成しない.
(5) 誤 腸管出血性大腸菌O-157の多くは, ベロ毒素を産生する.
10=(3)かつ(5)
(1) 誤 セレウス菌は芽胞を形成し, 土壌中に生息している.
(2) 誤 セレウス菌の (耐熱性) 芽胞は, 100 ℃, 30分を超える加熱に耐える.
(3) 正 セレウス菌食中毒には, 嘔吐型と下痢型がある.
(4) 誤 嘔吐型セレウス菌による食中毒は, 米飯類や麺類が原因となる.
(5) 正 セレウリド (セレウス菌毒素) による食中毒の主な症状は, 嘔吐である.
11=(2)
(1) 誤 平成24年におけるわが国の食中毒患者数は, ノロウイルスによるものが第1位である.
(2) 正 ノロウイルスは, 感染者の吐物や糞便から感染する.
(3) 誤 ノロウイルスは, カキの体内で濃縮される.
(4) 誤 ノロウイルス食中毒の原因食品としては, 生カキが多い.
(5) 誤 ノロウイルスは, ヒトの腸管内で増殖する.
12=(3)
(1) 誤 ノロウイルスでは, 調理従事者が貝類の生食を避ける.
(2) 誤 ノロウイルスは熱に比較的耐性があり, 85 ℃, 1分間の加熱で不活性化する.
(3) 正 ノロウイルスは, 加熱や次亜塩素酸処理により容易に殺菌される.
(4) 誤 ノロウイルスは, エタノール, 逆性石けん, 酢酸では殺菌されない.
(5) 誤 ノロウイルスは, 冷凍では死滅しない.
13=(1)
(1) 正 腸炎ビブリオの原因細菌が産生する毒素には, 耐熱性溶血毒がある.
(2) 誤 ウェルシュ菌による食中毒は, 食肉, 魚介類の調理品が原因食品となる.
(3) 誤 黄色ブドウ球菌の毒素 (エンテロトキシン) は, 100 ℃ 30 分の加熱では分解されない.
(4) 誤 ボツリヌス菌は, 嫌気性菌 (偏性嫌気性のグラム陽性桿菌) である.
(5) 誤 腸管出血性大腸菌O-157による感染では, 1996年には全国で10名以上の死者がでている.
14=(1)
(1) 誤 カンピロバクターは, 乾燥に弱い.
(2) 正 エルシニア・エンテロコリチカは, 5 ℃ 程度の低温でも増殖できる.
(3) 正 黄色ブドウ球菌による食中毒の原因食品は, にぎりめしなど直接ヒトの手が触れたものが多い.
(4) 正 乳児ボツリヌス症の原因食品は, ハチミツである.
(5) 正 セレウス菌の嘔吐毒 (セレウリド) は耐熱性で, 100 ℃, 30分の加熱では失活しない.
15=(3)
(1) 誤 カンピロバクターは酸に弱いため, pH 5.0 以下では急速に死滅する.
(2) 誤 ウェルシュ菌による食中毒の潜伏期間は 6~18 時間で, 腹痛と下痢を発症する.
(3) 正 黄色ブドウ球菌による食中毒の原因食品に, 穀類, 牛乳がある.
(4) 誤 腸管出血性大腸菌による食中毒の潜伏期間は, 2~7日である.
(5) 誤 リステリア菌は低温に強く, 10 ℃ でも十分に生育できる.
16=(4)
(1) 正 ウェルシュ菌 (発育至適温度 45 ℃) では, 加熱調理後の冷却を 20 ℃ 以下まで速やかに行う.
(2) 正 黄色ブドウ球菌は, 健康人からもしばしば分離される.
(3) 正 腸管出血性大腸菌O-157は, 子どもではきわめて少い菌量で感染する.
(4) 誤 カンピロバクターは, 低温菌ではない.
(5) 正 リステリア菌による食中毒は, チーズなどが原因となる.
17=(3)
(1) 誤 エルシニア・エンテロコリチカは, 通性嫌気性である.
(2) 誤 ウェルシュ菌は偏性嫌気性菌であり, 真空包装しても増殖する.
(3) 正 ボツリヌス菌による食中毒の原因食品に, 缶詰, いずしがある.
(4) 誤 腸管出血性大腸菌O-157による食中毒発症患者の 6~7% に, HUS (溶血性尿毒症症侯群) の症状がみられる.
(5) 誤 ノロウイルス感染による症状は, 急性胃腸炎 (主に嘔吐と下痢) である.
18=(2)
(1) 誤 ふぐ中毒の原因物質は, テトロドトキシンである.
(2) 正 フグ毒は, ビブリオ属などの海洋細菌により生成されたものが食物連鎖と生物濃縮によりフグ体内に蓄積する.
(3) 誤 フグ毒のテトロドトキシンは, 加熱しても無毒化されない.
(4) 誤 フグのテトロドトキシンの含量は, 一般に肝臓, 卵巣で高く, 筋肉, 白子で低い.
(5) 誤 シガテラ毒は, 有毒渦鞭毛藻が産生している有毒物が食物連鎖によって魚類に蓄積される.
19=(1)かつ(3)
(1) 正 ドクカマスによる食中毒は, シガトキシンによって起こる.
(2) 誤 イシナギの肝臓を多量に摂取すると, ビタミンA過剰症が起こる.
(3) 正 バラムツやアブラソコムツの肉質部には, 多量の不消化性ワックスが含まれている.
(4) 誤 麻痺性貝中毒や下痢性貝中毒の毒素は, プランクトン由来である.
(5) 誤 バイ貝毒は, テトラミンである.
20=(2)かつ(5)
(1) 誤 柄が縦に裂けるキノコであっても食中毒を起こすものがある.
(2) 正 ツキヨタケ中毒の原因物質は, セスキテルペンである.
(3) 誤 ツキヨタケの有毒成分は, 胃腸症状をきたす.
(4) 誤 じゃがいもによる食中毒は, 発芽部や緑変部に含まれるアルカロイド配糖体のソラニンとチャコニンによって起こる.
(5) 正 ハシリドコロはその若芽がフキノトウと誤認されやすく, 摂食後数時間以内に意識障害をきたし, 興奮期には狂騒状態を呈す.
21=(5)
(1) 誤 キャッサバの有害成分である青酸は, 前駆体の青酸配糖体がβ-グルコシダーゼなどの作用で分解されて生成する.
(2) 誤 トリカブトの葉には, アコニチンが含まれている.
(3) 誤 光過敏症は, フェオホルビド (フェオホルバイド) によって起こる.
(4) 誤 オゴノリ中毒の原因物質は, プロスタグランジンE2である.
(5) 正 レクチンは豆類に含まれるたんぱく質で, 血液凝集作用をもつ.
22=(3)
(1) 誤 キャッサバによる中毒は, 青酸配糖体のリナマリンによる.
(2) 誤 アミグダリンは未熟な果実に含まれる青酸配糖体で, 内呼吸障害をおこす.
(3) 正 ハシリドコロはその若芽がフキノトウと誤認されやすく, 摂食後数時間以内に意識障害をきたし, 興奮期には狂騒状態を呈す.
(4) 誤 ワラビにはアルカリ処理によって破壊される発がん物質が含まれ, 膀胱や小腸に腫瘍を発生させる.
(5) 誤 ゴイトロゲンはあぶらな科植物に含まれる硫酸配糖体で, 甲状腺肥大をおこす.
23=(4)
(1) 誤 アレルギー様食中毒の原因物質であるヒスタミンは, 食品中のヒスチジンが脱炭酸酵素をもつ細菌の作用を受けて産生される.
(2) 誤 マグロ照り焼きによるアレルギー性食中毒では, 摂取 30~60 分でじん麻疹などの急性皮膚症状が現れる.
(3) 誤 食物アレルギーは, 即時型アレルギー反応である.
(4) 正 食物アレルギーの罹患率は, 成人より小児の方が高い.
(5) 誤 卵, 牛乳, 小麦は, 食物アレルギーの三大原因食品である.
24=(3)
(1) 誤 食物アレルギーでは, 血中特異的IgE抗体測定によりアレルゲンを同定する.
(2) 誤 リンゴ, オレンジ, モモ, キウイなどの果物もアレルギーを引き起こす食物である.
(3) 正 鶏卵中のアレルゲン活性は, 揚げ物調理によって低下する.
(4) 誤 卵中のアレルゲン物質であるオボムコイドはトリプシン阻害活性を持ち, 熱安定性が高い.
(5) 誤 エビフライによるアレルギーは即時型アレルギーであり, 摂取 60 分程度でじん麻疹などの急性皮膚症状が現れる.
25=(4)
(1) 誤 コレラは, コレラ菌の感染によって起こる.
(2) 誤 赤痢の潜伏期は, 約3日である.
(3) 誤 黄色ブドウ球菌食中毒の潜伏期は, 約3時間である.
(4) 正 腸チフスの症状は, 40 ℃ 近い高熱をともなうのが特徴である.
(5) 誤 パラチフスの症状は, 腸チフスより軽症である.
26=(3)
(1) 正 炭疽菌に汚染された食肉を摂取すると, 腸炭疽を発症することがある.
(2) 正 牛型結核菌に汚染された牛乳を摂取すると, 結核を発症することがある.
(3) 誤 サルモネラ菌に汚染された食肉を摂取すると, サルモネラ食中毒またはチフス症を発症することがある.
(4) 正 リステリア症は, 牛乳や食肉の飲食によって発症することがある.
(5) 正 ペットとの接触で, 人畜共通感染症を発症することがある.
27=(3)
(1) 誤 75 ℃ の加熱は, 寄生虫症の予防になる.
(2) 誤 回虫は, 生水や野菜の生食によって感染する.
(3) 正 回虫の卵は, 75 ℃ 1 秒の加熱で死滅する.
(4) 誤 アニサキスの幼虫は, 海産魚類の腹腔や筋肉に生息する.
(5) 誤 アニサキスの幼虫は, 60 ℃ 1 分の加熱で死滅する.
28=(5)
(1) 誤 冷凍処理 (-20 ℃ 以下) は, アニサキスに対し有効である.
(2) 誤 アニサキスは, 魚介類 (さば, にしん, たら, するめいかなど) を介する.
(3) 誤 アニサキスは, 海獣類から排出された虫卵が幼虫に発育する.
(4) 誤 有線顎口虫は, 第2中間宿主のうち淡水魚が人へのおもな感染源となるので, 野菜は関連食品とはならない.
(5) 正 肝吸虫は, 淡水魚から感染する.
29=(3)かつ(5)
(1) 誤 肺吸虫は, 淡水産カニ類を食べて感染する.
(2) 誤 横川吸虫は, 淡水魚の生食によって感染する.
(3) 正 広節裂頭条虫 (サナダムシ) は, 海産魚類の生食によって感染する.
(4) 誤 広節裂頭条虫は, ヒトの腸内で成虫になる.
(5) 正 広節裂頭条虫は, 食欲不振や下痢などの消化器障害を起こす.
30=(5)
(1) 誤 有鉤条虫は, 豚肉によって感染する.
(2) 誤 トキソプラズマは, 豚肉によって感染する.
(3) 誤 クリプトスポリジウムによる食中毒は, 原虫のオーシスト (接合子嚢) の経口摂取で起こる.
(4) 誤 サイクロスポーラは, 飲料水, 果物, 生野菜などを介する.
(5) 正 赤痢アメーバは, 生水を介する.
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次回は, 「4 食品の安全性」 の 「E 食品中の汚染物質」, 「F 食品添加物」, 「G 食品衛生管理」 の穴埋め問題と正文集をお送りします.
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4 食品の安全性 C 食中毒 D 食品による感染症・寄生虫症 30問 練習問題
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1 微生物性食中毒に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 10 ℃ を増殖至適温度とする微生物を, 中温菌という.
(2) 酵母やカビの増殖に最適な pH は, 8.O~9.0 である.
(3) 食中毒の潜伏期は一般に, 感染型の方が毒素型より短い.
(4) 食品の腐敗・変敗には, 偏性好気性菌は関係しない.
(5) 細菌の増殖における世代時間は細菌の増殖が早いか遅いかの指標となるので, 食品衛生対策の上で重要である.
2 微生物性食中毒に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 細菌の増殖曲線のうち定常期とは, 分裂に要する世代時間が一定で, 細胞数が指数的に増加する時期をいう.
(2) 細菌の増殖曲線のうち対数期とは, 細菌の増殖と死滅が相殺され, 分裂が見かけ上停止している時期をいう.
(3) 水分活性が 0.75 以下になると, 微生物は増殖しない.
(4) 腸炎ビブリオによる食中毒は, 致死率が高い.
(5) サルモネラ中毒は, 魚介類で起きたことはない.
3 腸炎ビブリオに関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 腸炎ビブリオの原因細菌は, グラム陽性球菌である.
(2) 腸炎ビブリオ菌は, 海水中では増殖しない.
(3) 腸炎ビブリオ菌による食中毒は, 鶏卵の生食が原因となる.
(4) 腸炎ビブリオ (好塩性細菌) では, 食品を真水で洗浄する.
(5) 腸炎ビブリオの原因細菌は, 耐熱性である.
4 サルモネラに関する記述である. 正しいのはどれか. 2つ選べ.
(1) サルモネラは, 75 ℃, 15分の加熱でも死滅しない.
(2) サルモネラは, 8 ℃ 以下の低温でも十分増殖する.
(3) サルモネラの至適発育食塩濃度は, 3% である.
(4) サルモネラによる食中毒の原因食品に, 卵, 肉がある.
(5) 生食用の殻付き卵につけられている賞味期限の表示は, サルモネラ菌対策のためのものである.
5 カンピロバクターに関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) カンピロバクターによる食中毒は, 夏期より冬期に多発する.
(2) カンピロバクターによる食中毒は, 菌が産生した腸管毒素によって発症する.
(3) カンピロバクターによる食中毒は, 潜伏期が2~7日である.
(4) カンピロバクターは, 魚介類が多く保菌している.
(5) カンピロバクターは, ヒトに常在している.
6 カンピロバクターに関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) カンピロバクターによる食中毒では, 畜肉類に比べて魚介類による発症例が多い.
(2) カンピロバクターは易熱性であり, 加熱調理した食品 (60 ℃, 30分加熱) 中では死滅する.
(3) カンピロバクターは, 大気中で増殖する.
(4) カンピロバクターによる食中毒の潜伏期間は, 6~18 時間である.
(5) カンピロバクターは, 5 ℃ で増殖する.
7 黄色ブドウ球菌に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 黄色ブドウ球菌は耐塩性菌で, 10% 食塩水中でも増殖する.
(2) 黄色ブドウ球菌は, 水分活性 0.95 では生育しない.
(3) 黄色ブドウ球菌食中毒の主な症状は, 神経麻痺である.
(4) 黄色ブドウ球菌のエンテロトキシンは, 15~30 ℃ では生産されない.
(5) 黄色ブドウ球菌による食中毒の発症のためには, 菌が腸管内で増殖することが必要条件である.
8 ボツリヌス菌に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) ボツリヌス菌では, 食品を真空包装する.
(2) ボツリヌス菌は, pH 5.6 では生育しない.
(3) ボツリヌス菌の耐熱性芽胞は, 熱に強い.
(4) ボツリヌス菌は食品中で増殖し, 二酸化炭素, 水素, 酸素などから成るガスを発生する.
(5) ボツリヌス菌の毒素は, 100 ℃, 15分の加熱では失活しない.
9 腸管出血性大腸菌に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 腸管出血性大腸菌は, 低温性細菌である.
(2) 腸管出血性大腸菌O-157には耐熱性があり, 75 ℃, 10分でも死滅しない.
(3) 腸管出血性大腸菌は, 好気性菌に属する.
(4) 腸管出血性大腸菌は, 芽胞を形成しない.
(5) 腸管出血性大腸菌O-157の多くは, テトロドトキシンを産生する.
10 セレウス菌に関する記述である. 正しいのはどれか. 2つ選べ.
(1) セレウス菌は, ヒトに常在している.
(2) セレウス菌の芽胞は, 100 ℃, 30分の加熱で死滅する.
(3) セレウス菌食中毒には, 嘔吐型と下痢型がある.
(4) 嘔吐型セレウス菌による食中毒は, 魚介類の生食が原因となる.
(5) セレウリド (セレウス菌毒素) による食中毒の主な症状は, 嘔吐である.
11 ノロウイルスに関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 平成24年におけるわが国の食中毒患者数は, サルモネラによるものが第1位である.
(2) ノロウイルスは, 感染者の吐物や糞便から感染する.
(3) ノロウイルスは, カキの体内で増殖する.
(4) ノロウイルスによる食中毒は, 海産魚類の生食が原因となる.
(5) ノロウイルスは, ヒトの肺で増殖する.
12 ノロウイルスに関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) ノロウイルスでは, 調理従事者が野菜の生食を避ける.
(2) ノロウイルスは, 60 ℃, 1分間の加熱で不活性化する.
(3) ノロウイルスは, 次亜塩素酸処理により容易に殺菌される.
(4) ノロウイルスは, エタノールで殺菌される.
(5) ノロウイルスは, 冷凍により死滅する.
13 微生物性食中毒に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 腸炎ビブリオの原因細菌が産生する毒素には, 耐熱性溶血毒がある.
(2) ウェルシュ菌による食中毒は, 生野菜が原因食品となる.
(3) 黄色ブドウ球菌の毒素は, 100 ℃, 3分間の加熱で不活性化される.
(4) ボツリヌス菌は, 好気性菌である.
(5) 腸管出血性大腸菌O-157による感染では, まだ死亡例はでていない.
14 微生物性食中毒に関する記述である. 誤っているのはどれか. 1つ選べ.
(1) カンピロバクターは, 乾燥に強い.
(2) エルシニア・エンテロコリチカは, 5 ℃ 程度の低温でも増殖できる.
(3) 黄色ブドウ球菌による食中毒の原因食品は, にぎりめしなど直接ヒトの手が触れたものが多い.
(4) 乳児ボツリヌス症の原因食品は, ハチミツである.
(5) セレウス菌の嘔吐毒 (セレウリド) は耐熱性で, 100 ℃, 30分の加熱では失活しない.
15 微生物性食中毒に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) カンピロバクターは, pH 4.0 以下でも発育する.
(2) ウェルシュ菌食中毒には, 嘔吐型と下痢型がある.
(3) 黄色ブドウ球菌による食中毒の原因食品に, 穀類, 牛乳がある.
(4) 腸管出血性大腸菌による食中毒の潜伏期間は, 6~18 時間である.
(5) リステリア菌は, 10 ℃ では生育しない.
16 微生物性食中毒に関する記述である. 誤っているのはどれか. 1つ選べ.
(1) ウェルシュ菌では, 加熱調理後の冷却を 20 ℃ 以下まで速やかに行う.
(2) 黄色ブドウ球菌は, 健康人からもしばしば分離される.
(3) 腸管出血性大腸菌O-157は, 子どもではきわめて少い菌量で感染する.
(4) カンピロバクターは, 低温菌である.
(5) リステリア菌による食中毒は, チーズなどが原因となる.
17 微生物性食中毒に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) エルシニア・エンテロコリチカは, 微好気性である.
(2) ウェルシュ菌は, 真空包装すれば増殖しない.
(3) ボツリヌス菌による食中毒の原因食品に, 缶詰, いずしがある.
(4) 腸管出血性大腸菌O-157による食中毒発症患者の過半数に, HUS (溶血性尿毒症症侯群) の症状がみられる.
(5) ノロウイルス感染による症状は, 手足の麻痺である.
18 動物性の自然毒食中毒に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) ふぐ中毒の原因物質は, アフラトキシンである.
(2) フグ毒は, 食物連鎖と生物濃縮によりフグ体内に蓄積する.
(3) フグ毒のテトロドトキシンは, 加熱することで無毒化される.
(4) フグのテトロドトキシンの含量は, 一般に肝臓, 卵巣, 白子で高く, 筋肉で低い.
(5) シガテラ毒による食中毒の主な原因は, 二枚貝である.
19 動物性の自然毒食中毒に関する記述である. 正しいのはどれか. 2つ選べ.
(1) ドクカマスによる食中毒は, シガトキシンによって起こる.
(2) イシナギの肝臓を多量に摂取すると, ビタミンE過剰症が起こる.
(3) バラムツ (深海魚の一種) の肉質部には, 多量の不消化性ワックスが含まれている.
(4) 下痢性貝中毒の毒素は, 貝の中腸腺が合成する.
(5) バイ貝毒は, 青酸配糖体である.
20 植物性の自然毒食中毒に関する記述である. 正しいのはどれか. 2つ選べ.
(1) 柄が縦に裂けるキノコは, 食中毒を起こさない.
(2) ツキヨタケ中毒の原因物質は, セスキテルペンである.
(3) ツキヨタケの有毒成分は, 脳神経系に作用するため幻覚や神経麻痺をきたす.
(4) じゃがいもによる食中毒は, 発芽部や緑変部に含まれるアコニチンによって起こる.
(5) ハシリドコロは, その若芽がフキノトウと誤認されやすい.
21 植物性の自然毒食中毒に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) キャッサバの有害成分である青酸は, 前駆体の青酸配糖体が加熱により分解されて生成する.
(2) トリカブトの葉には, アコニチンは含まれていない.
(3) 光過敏症は, クロロフィルによって起こる.
(4) オゴノリ中毒の原因物質は, ソラニンである.
(5) レクチンは豆類に含まれるたんぱく質で, 血液凝集作用をもつ.
22 植物性の自然毒食中毒に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) キャッサバによる中毒は, アルカロイド配糖体のリナマリンによる.
(2) アミグダリンは未熟な果実に含まれる青酸配糖体で, 溶血をおこす.
(3) ハシリドコロは, 摂食後数時間以内に意識障害をきたし, 興奮期には狂騒状態を呈す.
(4) ワラビにはアルカリ処理によって破壊される発がん物質が含まれ, 肝臓に腫瘍を発生させる.
(5) ゴイトロゲンはあぶらな科植物に含まれるステロイドで, 肝臓肥大をおこす.
23 アレルギー様食中毒と食物アレルギーに関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) アレルギー様食中毒の原因物質であるヒスタミンは, 食品中のヒスチジンが脱アミノ酵素をもつ細菌の作用を受けて産生される.
(2) マグロ照り焼きによるアレルギー性食中毒では, 摂取後 12 時間程経過してから下痢と共に下腹部の腹痛が現れる.
(3) 食物アレルギーは, 遅延型アレルギー反応である.
(4) 食物アレルギーの罹患率は, 成人より小児の方が高い.
(5) 卵, 牛乳, 大豆は, 食物アレルギーの三大原因食品である.
24 食物アレルギーに関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 食物アレルギーでは, 血中特異的IgG抗体測定によりアレルゲンを同定する.
(2) 果物は, 食物アレルギーの原因にならない.
(3) 鶏卵中のアレルゲン活性は, 揚げ物調理によって低下する.
(4) 卵中のアレルゲン物質であるオボムコイドは, トリプシン阻害活性を持つが, 熱安定性は低い.
(5) エビフライによるアレルギーは遅延型アレルギーであり, 摂取後 12 時間程経過してからじん麻疹などの皮膚症状が現れる.
25 経口感染症に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) コレラは, セレウス菌の感染によって起こる.
(2) 赤痢の潜伏期は, 約3時間である.
(3) 黄色ブドウ球菌食中毒の潜伏期は, 約3日である.
(4) 腸チフスの症状は, 40 ℃ 近い高熱をともなうのが特徴である.
(5) パラチフスの症状は, 腸チフスより重症である.
26 人畜共通感染症に関する記述である. 誤っているのはどれか. 1つ選べ.
(1) 炭疽菌に汚染された食肉を摂取すると, 腸炭疽を発症することがある.
(2) 牛型結核菌に汚染された牛乳を摂取すると, 結核を発症することがある.
(3) サルモネラ菌に汚染された食肉を摂取すると, ブルセラ症を発症することがある.
(4) リステリア症は, 牛乳や食肉の飲食によって発症することがある.
(5) ペットとの接触で, 人畜共通感染症を発症することがある.
27 寄生虫症に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 75 ℃ の加熱は, 寄生虫症の予防にならない.
(2) 回虫は, 魚介類を介する.
(3) 回虫の卵は, 75 ℃ 1 秒の加熱で死滅する.
(4) アニサキスの幼虫は, 淡水魚類の腹腔や筋肉に生息する.
(5) アニサキスの幼虫は, 80 ℃ 30 分の加熱でも死滅しない.
28 寄生虫症に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 冷凍処理は, アニサキスに対しては無効である.
(2) アニサキスは, 野菜類を介する.
(3) アニサキスは, 海獣類の体内で虫卵が幼虫に発育する.
(4) 有線顎口虫は, 野菜が人へのおもな感染源となる.
(5) 肝吸虫は, 淡水魚から感染する.
29 寄生虫症に関する記述である. 正しいのはどれか. 2つ選べ.
(1) 肺吸虫は, 淡水魚を食べて感染する.
(2) 有棘顎口虫は, 淡水魚の生食によって感染する.
(3) 広節裂頭条虫は, 海産魚類の生食によって感染する.
(4) 広節裂頭条虫は, 中間宿主の体内で成虫になる.
(5) 広節裂頭条虫は, 食欲不振や下痢などの消化器障害を起こす.
30 寄生虫症に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 有鉤条虫は, 牛肉によって感染する.
(2) トキソプラズマは, 淡水魚類を介する.
(3) クリプトスポリジウムによる食中毒は, ウイルスの経口摂取で起こる.
(4) サイクロスポーラは, 肉類を介する.
(5) 赤痢アメーバは, 生水を介する.
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4 食品の安全性 C 食中毒 D 食品による感染症・寄生虫症 30問 解答と解説
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1=(5)
(1) 誤 30~40 ℃ を増殖至適温度とする微生物を, 中温菌という.
(2) 誤 酵母やカビの増殖に最適な pH は, 5.O~6.0 である.
(3) 誤 食中毒の潜伏期は一般に, 感染型の方が毒素型より長い.
(4) 誤 偏性好気性菌, 通性嫌気性菌, 偏性嫌気性菌はどれも食品の腐敗・変敗に関連がある.
(5) 正 細菌の増殖における世代時間は細菌の増殖が早いか遅いかの指標となるので, 食品衛生対策の上で重要である.
2=(3)
(1) 誤 細菌の増殖曲線のうち対数期とは, 分裂に要する世代時間が一定で, 細胞数が指数的に増加する時期をいう.
(2) 誤 細菌の増殖曲線のうち定常期とは, 細菌の増殖と死滅が相殺され, 分裂が見かけ上停止している時期をいう.
(3) 正 水分活性が 0.75 以下になると, 微生物は増殖しない.
(4) 誤 腸炎ビブリオによる食中毒は, 致死率が非常に低い.
(5) 誤 サルモネラ中毒は, 二次汚染により魚介類で起きたことがある.
3=(4)
(1) 誤 腸炎ビブリオの原因細菌は, グラム陰性桿菌である.
(2) 誤 腸炎ビブリオ菌は好塩性菌であり, 海水中で増殖する.
(3) 誤 腸炎ビブリオ食中毒の感染源は, 海産魚介類である.
(4) 正 腸炎ビブリオの増殖は, 真水による洗浄で抑止できる.
(5) 誤 腸炎ビブリオの原因細菌は, 熱に弱い.
4=(4)かつ(5)
(1) 誤 サルモネラ菌は, 60 ℃, 30分間の加熱で死滅する.
(2) 誤 サルモネラは, 10 ℃ 以下の低温ではほとんど増殖しない.
(3) 誤 サルモネラの至適発育食塩濃度は, 1% 以下である.
(4) 正 サルモネラによる食中毒の原因食品に, 卵, 肉がある.
(5) 正 生食用の殻付き卵につけられている賞味期限の表示は, サルモネラ菌対策のためのものである.
5=(3)
(1) 誤 カンピロバクターによる食中毒は, 冬期より夏期に多発する.
(2) 誤 カンピロバクターによる食中毒は, 腸管粘膜上皮細胞への定着と上皮細胞内への侵入によって発症する.
(3) 正 カンピロバクターによる食中毒は, 潜伏期が2~7日である.
(4) 誤 カンピロバクターは, 魚介類にはいない.
(5) 誤 カンピロバクターは, ヒトに常在していない.
6=(2)
(1) 誤 カンピロバクターによる食中毒では, 魚介類に比べて畜肉類, 特に鶏肉による発症例が多い.
(2) 正 カンピロバクターは易熱性であり, 加熱調理した食品 (60 ℃, 30分加熱) 中では死滅する.
(3) 誤 カンピロバクターは酸素濃度 5~15% で増殖する微好気性細菌であり, 18% の酸素濃度では生育しない.
(4) 誤 カンピロバクターによる食中毒の潜伏期間は, 2~7日である.
(5) 誤 カンピロバクターは, 至適増殖温度が 35 ℃~42 ℃ で, 25 ℃ 以下では増殖できない.
7=(1)
(1) 正 黄色ブドウ球菌は耐塩性菌で, 10% 食塩水中でも増殖する.
(2) 誤 黄色ブドウ球菌は, 水分活性が 0.86 以上あれば生育できる.
(3) 誤 黄色ブドウ球菌食中毒の主な症状は発熱を伴わない激しい嘔吐であり, 発症までの潜伏時間が短い.
(4) 誤 黄色ブドウ球菌のエンテロトキシンは, 15~30 ℃ で生産される.
(5) 誤 黄色ブドウ球菌による食中毒の発症のためには, 菌が腸管内で増殖することは必要条件ではない.
8=(3)
(1) 誤 ボツリヌス菌は偏性嫌気性なので, 真空包装では増殖が促進される危険性がある.
(2) 誤 ボツリヌス菌は, pH 4.5 以下では生育できないが pH 5.6 では生育できる.
(3) 正 ボツリヌス菌の耐熱性芽胞は, 熱に強い.
(4) 誤 ボツリヌス菌は食品中で増殖し, 毒素を産生する.
(5) 誤 ボツリヌス菌の毒素は易熱性で, 100 ℃, 15分の加熱で失活する.
9=(4)
(1) 誤 腸管出血性大腸菌は, 中温性細菌である.
(2) 誤 腸管出血性大腸菌O-157は熱に弱く 75 ℃, 1分で死滅する.
(3) 誤 腸管出血性大腸菌は, 通性嫌気性菌に属する.
(4) 正 腸管出血性大腸菌は, 芽胞を形成しない.
(5) 誤 腸管出血性大腸菌O-157の多くは, ベロ毒素を産生する.
10=(3)かつ(5)
(1) 誤 セレウス菌は芽胞を形成し, 土壌中に生息している.
(2) 誤 セレウス菌の (耐熱性) 芽胞は, 100 ℃, 30分を超える加熱に耐える.
(3) 正 セレウス菌食中毒には, 嘔吐型と下痢型がある.
(4) 誤 嘔吐型セレウス菌による食中毒は, 米飯類や麺類が原因となる.
(5) 正 セレウリド (セレウス菌毒素) による食中毒の主な症状は, 嘔吐である.
11=(2)
(1) 誤 平成24年におけるわが国の食中毒患者数は, ノロウイルスによるものが第1位である.
(2) 正 ノロウイルスは, 感染者の吐物や糞便から感染する.
(3) 誤 ノロウイルスは, カキの体内で濃縮される.
(4) 誤 ノロウイルス食中毒の原因食品としては, 生カキが多い.
(5) 誤 ノロウイルスは, ヒトの腸管内で増殖する.
12=(3)
(1) 誤 ノロウイルスでは, 調理従事者が貝類の生食を避ける.
(2) 誤 ノロウイルスは熱に比較的耐性があり, 85 ℃, 1分間の加熱で不活性化する.
(3) 正 ノロウイルスは, 加熱や次亜塩素酸処理により容易に殺菌される.
(4) 誤 ノロウイルスは, エタノール, 逆性石けん, 酢酸では殺菌されない.
(5) 誤 ノロウイルスは, 冷凍では死滅しない.
13=(1)
(1) 正 腸炎ビブリオの原因細菌が産生する毒素には, 耐熱性溶血毒がある.
(2) 誤 ウェルシュ菌による食中毒は, 食肉, 魚介類の調理品が原因食品となる.
(3) 誤 黄色ブドウ球菌の毒素 (エンテロトキシン) は, 100 ℃ 30 分の加熱では分解されない.
(4) 誤 ボツリヌス菌は, 嫌気性菌 (偏性嫌気性のグラム陽性桿菌) である.
(5) 誤 腸管出血性大腸菌O-157による感染では, 1996年には全国で10名以上の死者がでている.
14=(1)
(1) 誤 カンピロバクターは, 乾燥に弱い.
(2) 正 エルシニア・エンテロコリチカは, 5 ℃ 程度の低温でも増殖できる.
(3) 正 黄色ブドウ球菌による食中毒の原因食品は, にぎりめしなど直接ヒトの手が触れたものが多い.
(4) 正 乳児ボツリヌス症の原因食品は, ハチミツである.
(5) 正 セレウス菌の嘔吐毒 (セレウリド) は耐熱性で, 100 ℃, 30分の加熱では失活しない.
15=(3)
(1) 誤 カンピロバクターは酸に弱いため, pH 5.0 以下では急速に死滅する.
(2) 誤 ウェルシュ菌による食中毒の潜伏期間は 6~18 時間で, 腹痛と下痢を発症する.
(3) 正 黄色ブドウ球菌による食中毒の原因食品に, 穀類, 牛乳がある.
(4) 誤 腸管出血性大腸菌による食中毒の潜伏期間は, 2~7日である.
(5) 誤 リステリア菌は低温に強く, 10 ℃ でも十分に生育できる.
16=(4)
(1) 正 ウェルシュ菌 (発育至適温度 45 ℃) では, 加熱調理後の冷却を 20 ℃ 以下まで速やかに行う.
(2) 正 黄色ブドウ球菌は, 健康人からもしばしば分離される.
(3) 正 腸管出血性大腸菌O-157は, 子どもではきわめて少い菌量で感染する.
(4) 誤 カンピロバクターは, 低温菌ではない.
(5) 正 リステリア菌による食中毒は, チーズなどが原因となる.
17=(3)
(1) 誤 エルシニア・エンテロコリチカは, 通性嫌気性である.
(2) 誤 ウェルシュ菌は偏性嫌気性菌であり, 真空包装しても増殖する.
(3) 正 ボツリヌス菌による食中毒の原因食品に, 缶詰, いずしがある.
(4) 誤 腸管出血性大腸菌O-157による食中毒発症患者の 6~7% に, HUS (溶血性尿毒症症侯群) の症状がみられる.
(5) 誤 ノロウイルス感染による症状は, 急性胃腸炎 (主に嘔吐と下痢) である.
18=(2)
(1) 誤 ふぐ中毒の原因物質は, テトロドトキシンである.
(2) 正 フグ毒は, ビブリオ属などの海洋細菌により生成されたものが食物連鎖と生物濃縮によりフグ体内に蓄積する.
(3) 誤 フグ毒のテトロドトキシンは, 加熱しても無毒化されない.
(4) 誤 フグのテトロドトキシンの含量は, 一般に肝臓, 卵巣で高く, 筋肉, 白子で低い.
(5) 誤 シガテラ毒は, 有毒渦鞭毛藻が産生している有毒物が食物連鎖によって魚類に蓄積される.
19=(1)かつ(3)
(1) 正 ドクカマスによる食中毒は, シガトキシンによって起こる.
(2) 誤 イシナギの肝臓を多量に摂取すると, ビタミンA過剰症が起こる.
(3) 正 バラムツやアブラソコムツの肉質部には, 多量の不消化性ワックスが含まれている.
(4) 誤 麻痺性貝中毒や下痢性貝中毒の毒素は, プランクトン由来である.
(5) 誤 バイ貝毒は, テトラミンである.
20=(2)かつ(5)
(1) 誤 柄が縦に裂けるキノコであっても食中毒を起こすものがある.
(2) 正 ツキヨタケ中毒の原因物質は, セスキテルペンである.
(3) 誤 ツキヨタケの有毒成分は, 胃腸症状をきたす.
(4) 誤 じゃがいもによる食中毒は, 発芽部や緑変部に含まれるアルカロイド配糖体のソラニンとチャコニンによって起こる.
(5) 正 ハシリドコロはその若芽がフキノトウと誤認されやすく, 摂食後数時間以内に意識障害をきたし, 興奮期には狂騒状態を呈す.
21=(5)
(1) 誤 キャッサバの有害成分である青酸は, 前駆体の青酸配糖体がβ-グルコシダーゼなどの作用で分解されて生成する.
(2) 誤 トリカブトの葉には, アコニチンが含まれている.
(3) 誤 光過敏症は, フェオホルビド (フェオホルバイド) によって起こる.
(4) 誤 オゴノリ中毒の原因物質は, プロスタグランジンE2である.
(5) 正 レクチンは豆類に含まれるたんぱく質で, 血液凝集作用をもつ.
22=(3)
(1) 誤 キャッサバによる中毒は, 青酸配糖体のリナマリンによる.
(2) 誤 アミグダリンは未熟な果実に含まれる青酸配糖体で, 内呼吸障害をおこす.
(3) 正 ハシリドコロはその若芽がフキノトウと誤認されやすく, 摂食後数時間以内に意識障害をきたし, 興奮期には狂騒状態を呈す.
(4) 誤 ワラビにはアルカリ処理によって破壊される発がん物質が含まれ, 膀胱や小腸に腫瘍を発生させる.
(5) 誤 ゴイトロゲンはあぶらな科植物に含まれる硫酸配糖体で, 甲状腺肥大をおこす.
23=(4)
(1) 誤 アレルギー様食中毒の原因物質であるヒスタミンは, 食品中のヒスチジンが脱炭酸酵素をもつ細菌の作用を受けて産生される.
(2) 誤 マグロ照り焼きによるアレルギー性食中毒では, 摂取 30~60 分でじん麻疹などの急性皮膚症状が現れる.
(3) 誤 食物アレルギーは, 即時型アレルギー反応である.
(4) 正 食物アレルギーの罹患率は, 成人より小児の方が高い.
(5) 誤 卵, 牛乳, 小麦は, 食物アレルギーの三大原因食品である.
24=(3)
(1) 誤 食物アレルギーでは, 血中特異的IgE抗体測定によりアレルゲンを同定する.
(2) 誤 リンゴ, オレンジ, モモ, キウイなどの果物もアレルギーを引き起こす食物である.
(3) 正 鶏卵中のアレルゲン活性は, 揚げ物調理によって低下する.
(4) 誤 卵中のアレルゲン物質であるオボムコイドはトリプシン阻害活性を持ち, 熱安定性が高い.
(5) 誤 エビフライによるアレルギーは即時型アレルギーであり, 摂取 60 分程度でじん麻疹などの急性皮膚症状が現れる.
25=(4)
(1) 誤 コレラは, コレラ菌の感染によって起こる.
(2) 誤 赤痢の潜伏期は, 約3日である.
(3) 誤 黄色ブドウ球菌食中毒の潜伏期は, 約3時間である.
(4) 正 腸チフスの症状は, 40 ℃ 近い高熱をともなうのが特徴である.
(5) 誤 パラチフスの症状は, 腸チフスより軽症である.
26=(3)
(1) 正 炭疽菌に汚染された食肉を摂取すると, 腸炭疽を発症することがある.
(2) 正 牛型結核菌に汚染された牛乳を摂取すると, 結核を発症することがある.
(3) 誤 サルモネラ菌に汚染された食肉を摂取すると, サルモネラ食中毒またはチフス症を発症することがある.
(4) 正 リステリア症は, 牛乳や食肉の飲食によって発症することがある.
(5) 正 ペットとの接触で, 人畜共通感染症を発症することがある.
27=(3)
(1) 誤 75 ℃ の加熱は, 寄生虫症の予防になる.
(2) 誤 回虫は, 生水や野菜の生食によって感染する.
(3) 正 回虫の卵は, 75 ℃ 1 秒の加熱で死滅する.
(4) 誤 アニサキスの幼虫は, 海産魚類の腹腔や筋肉に生息する.
(5) 誤 アニサキスの幼虫は, 60 ℃ 1 分の加熱で死滅する.
28=(5)
(1) 誤 冷凍処理 (-20 ℃ 以下) は, アニサキスに対し有効である.
(2) 誤 アニサキスは, 魚介類 (さば, にしん, たら, するめいかなど) を介する.
(3) 誤 アニサキスは, 海獣類から排出された虫卵が幼虫に発育する.
(4) 誤 有線顎口虫は, 第2中間宿主のうち淡水魚が人へのおもな感染源となるので, 野菜は関連食品とはならない.
(5) 正 肝吸虫は, 淡水魚から感染する.
29=(3)かつ(5)
(1) 誤 肺吸虫は, 淡水産カニ類を食べて感染する.
(2) 誤 横川吸虫は, 淡水魚の生食によって感染する.
(3) 正 広節裂頭条虫 (サナダムシ) は, 海産魚類の生食によって感染する.
(4) 誤 広節裂頭条虫は, ヒトの腸内で成虫になる.
(5) 正 広節裂頭条虫は, 食欲不振や下痢などの消化器障害を起こす.
30=(5)
(1) 誤 有鉤条虫は, 豚肉によって感染する.
(2) 誤 トキソプラズマは, 豚肉によって感染する.
(3) 誤 クリプトスポリジウムによる食中毒は, 原虫のオーシスト (接合子嚢) の経口摂取で起こる.
(4) 誤 サイクロスポーラは, 飲料水, 果物, 生野菜などを介する.
(5) 正 赤痢アメーバは, 生水を介する.
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次回は, 「4 食品の安全性」 の 「E 食品中の汚染物質」, 「F 食品添加物」, 「G 食品衛生管理」 の穴埋め問題と正文集をお送りします.