管理栄養士国試のための基礎栄養学と生化学

管理栄養士国家試験のための基礎栄養学や生化学について, 勉強していきましょう.

基礎栄養学 実戦 28-18

2014年01月07日 | 日記
基礎栄養学 実戦問題9の解答と解説です.

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2013年度 基礎栄養学 実戦問題 9 解答と解説
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1=(4)
(1) 誤 過剰な糖質を摂取していても, 酸化されたり, 脂肪に変化したりするため, 体内のグリコーゲン貯蔵量は体重の 1% 未満である.
(2) 誤 人体に含まれるミネラルの割合は, 食事として摂取したミネラルの割合とは異なる.
(3) 誤 体内のカルシウムの 99% が骨に存在し,残りの約 1% が細胞内や血液中に含まれている.
(4) 正 体構成元素の中で, 含量が重量比で最も高いのは酸素である.
(5) 誤 体を構成するミネラルの中で, 含量が重量比で最も高いのはカルシウムである.

2=(3)
(1) 誤 肥満は, 複数の遺伝子の変異によって発現することが多い.
(2) 誤 生活習慣病の遺伝素因があっても, 生活習慣要因を改善することにより, 生活習慣病の予防は可能である.
(3) 正 遺伝子多型では, その遺伝子でつくられるたんぱく質の機能に影響を与えない変異のほうが多い.
(4) 誤 遺伝子1塩基多型 (SNP) は, 個人間における先天的な1個の塩基の違いによるもので, 表現型に影響を与えない場合が多い.
(5) 誤 倹約遺伝子とは, 少ないエネルギーを効率よく利用し, エネルギー蓄積の増加などを起こすように変異した遺伝子である.

3=(1)かつ(3)
(1) 正 肝臓は, プロトロンビンやフィブリノーゲンなどの血液凝固因子を合成する.
(2) 誤 肝臓は, ヘパリンなどの血液凝固抑制因子を合成する.
(3) 正 肝臓は, 血液量の調節, 血圧の調節, 鉄の貯蔵などを行っている.
(4) 誤 肝臓は, 抗貧血因子 (葉酸やビタミンB12) は合成しない.
(5) 誤 肝細胞は, 脂肪酸などを合成する一方, 女性ホルモンを分解する.

4=(2)かつ(4)
(1) 誤 胆汁のpHは 5.6~7.2 で, 消化酵素を含まない.
(2) 正 胆汁酸塩は, 強い界面活性力により脂質や脂溶性ビタミンの乳化を促進する.
(3) 誤 コレステロールや脂溶性ビタミンは, 胆汁酸, 脂肪酸などのミセルに取り込まれ, 吸収される.
(4) 正 脂肪の摂取量が増えると胆汁酸の分泌量が増え, 脂肪の消化・吸収を促進する.
(5) 誤 中鎖脂肪酸は親水性であり, 吸収にあたって胆汁酸塩によるミセル化を必要としない.

5=(1)
(1) 正 能動輸送とは, エネルギーを消費して, 担体を用いて, 物質を濃度勾配に逆らって輸送させることである.
(2) 誤 単純拡散とは, 担体を用いずに, 物質を濃度勾配に従って輸送させることである.
(3) 誤 グルコース, ガラクトース, アミノ酸は, 二次能動輸送 (細胞内外のNa+の濃度勾配を利用した共輸送) によって吸収される.
(4) 誤 水の吸収は, グルコースを一緒に摂取することにより促進される.
(5) 誤 消化された成分は, 能動輸送あるいは拡散により吸収される.

6=(1)かつ(5)
(1) 正 腸管から吸収された水溶性成分 (単糖, アミノ酸, ペプチド, 中鎖脂肪酸) は, 門脈へ運ばれる.
(2) 誤 腸管から吸収された水溶性成分 (単糖, アミノ酸, ペプチド, 中鎖脂肪酸) は, 門脈へ運ばれる.
(3) 誤 腸管から吸収された水溶性成分 (単糖, アミノ酸, ペプチド, 中鎖脂肪酸) は, 門脈へ運ばれる.
(4) 誤 腸管から吸収された脂溶性成分 (長鎖脂肪酸, コレステロール, 脂溶性ビタミン, その他脂肪) は, リンパ管に入る.
(5) 正 腸管から吸収された脂溶性成分 (長鎖脂肪酸, コレステロール, 脂溶性ビタミン, その他脂肪) は, リンパ管に入る.

7=(4)
(1) 誤 たんぱく質の栄養価の評価法には, 化学的評価法 (アミノ酸スコア) と生物学的評価法 (生物価) がある.
(2) 誤 アミノ酸スコアと生物価は, 方法が異なるので同じ値にはならない.
(3) 誤 アミノ酸価は, 基準必須アミノ酸パターンと資料の必須アミノ酸パターンをを比較して求める.
(4) 正 アミノ酸価には, 消化・吸収率が考慮されていない.
(5) 誤 米の第1制限アミノ酸は, リジンである.

8=(4)
(1) 誤 血糖値が上昇すると, 膵臓からインスリンが分泌され, 血糖値を正常値に維持する.
(2) 誤 血清インスリン濃度は, 糖質負荷後30~60分で最大値に達し, 2時間後には負荷前の値に戻る.
(3) 誤 筋肉へのグルコースの取り込みは, インスリンで促進される.
(4) 正 インスリンは, 脂肪組織へのグルコースの取り込みを促進する.
(5) 誤 インスリンは, 骨格筋や脂肪組織でグルコース輸送体 (GLUT4) に作用し, グルコースの細胞膜透過を亢進させる.

9=(4)
(1) 誤 ケトン体は, 肝臓で合成される.
(2) 誤 肝臓は, ケトン体をエネルギー源として利用できない.
(3) 誤 骨格筋は, ケトン体をエネルギー源として利用できる.
(4) 正 長期の絶食の場合, 脳はケトン体もエネルギー源として利用する.
(5) 誤 骨格筋には脂質が蓄積され (霜降り), エネルギー源として利用される.

10=(3)かつ(5)
(1) 誤 ビタミンB1 (チアミン) が欠乏すると, 血中の乳酸やピルビン酸が増加して脚気を発症する.
(2) 誤 食品中のビタミンB2 (リボフラビン) は, たんぱく質と結合した状態で存在する.
(3) 正 ビタミンB2の欠乏症に, 口内炎や口角炎, 口唇炎がある.
(4) 誤 ビタミンB12 (コバラミン) は, 分子中にコバルトを含有する化合物である.
(5) 正 食品中のビタミンB12は, たんぱく質と結合している.

11=(4)
(1) 誤 ビタミンKは, 肝臓における血液凝固因子 (プロトロンビン) の合成に必要である.
(2) 誤 ビタミンK依存性凝固因子は, Ⅱ, Ⅶ, Ⅸ, Ⅹ因子である.
(3) 誤 ビタミンB12が不足すると, DNA合成が低下し, 巨赤芽球性貧血を生じる.
(4) 正 葉酸が欠乏すると, 核酸 (DNA, RNA) 合成が低下し, 巨赤芽球性貧血を生じる.
(5) 誤 葉酸の摂取不足は, 血中ホモシステイン濃度を上昇させる.

12=(1)
(1) 正 非ヘム鉄の吸収は, フィチン酸, タンニン, シュウ酸などにより抑制される.
(2) 誤 血液中の鉄が少なくなると, 肝臓, 脾臓, 骨髄中の貯蔵鉄が動員される.
(3) 誤 ヘモジデリン (hemosiderin) は, 貯蔵鉄である.
(4) 誤 体内の鉄の 2/3 が機能鉄 (ほとんどがヘモグロビン) で, 1/3 が貯蔵鉄 (フェリチンやヘモジデリンなど) である.
(5) 誤 摂取した過剰の鉄は, 主に糞中に排泄される.

13=(2)かつ(5)
(1) 誤 抗利尿ホルモン (バソプレシン) は, 集合管での水の再吸収を促進させる.
(2) 正 抗利尿ホルモン (バソプレシン) により, 尿量が減少して循環血液量が増加する.
(3) 誤 アルドステロンは, 尿細管でのNa+ (と水) の再吸収およびK+の排泄を促進する.
(4) 誤 海水を飲んだ場合, 腎臓の食塩排泄能を上回るので, 血液浸透圧が上昇する.
(5) 正 ナトリウムやカリウムは, 尿中排泄によってバランスを維持している.

14=(1)かつ(5)
(1) 正 食物摂取によりエネルギー代謝が亢進し, 体温が上昇する現象を食事誘発性産熱 (DIT) という.
(2) 誤 食事誘発性熱産生によるエネルギー代謝量は, 総エネルギー摂取量の約 10% である.
(3) 誤 食事誘発性熱産生 (DIT) は, たんぱく質を摂取した場合が最も大きい.
(4) 誤 食物摂取により発生した熱エネルギーは, 運動に利用できない.
(5) 正 脂肪は, 単位グラム当りのエネルギー量は多いが, 食事誘発性熱産生は小さい.

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次回は, 基礎栄養学 実戦問題10の問題です.

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