管理栄養士国試のための基礎栄養学と生化学

管理栄養士国家試験のための基礎栄養学や生化学について, 勉強していきましょう.

基礎栄養学 26-26

2011年10月31日 | 日記
「7 ビタミンの栄養」 の問題です。

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7 ビタミンの栄養 問題 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

1 脂溶性ビタミンに関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) 脂溶性ビタミンは, A, D, およびKの3種である.
(2) ビタミンAは, 動物性食品よりも植物性食品に多く含まれている.
(3) ビタミンDは, 魚類の中に豊富に含まれている.
(4) ビタミンDの大部分は生体膜に組み込まれて存在しており, 膜の抗酸化, 安定性に寄与している.
(5) ビタミンAやDは過剰に摂取しても尿中に排泄され, 過剰症を引き起こすことはない.

2 ビタミンAに関する記述である. 正しいものの組合せはどれか.
a 可視光線は, ビタミンAアルデヒド (シス型レチナール) の構造異性化を介してオプシンの高次構造を変化させる.
b レチナールは視たんぱく質のロドプシンと結合してオプシンを形成し, 暗順応に関与する.
c ビタミンAの欠乏によって, 夜盲症や眼球乾燥症, 感染に対する抵抗力の低下などが起こってくる.
d ビタミンAは, 遊離型レチノールとして肝臓に貯蔵される.
(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd

3 ビタミンAに関する記述である. 正しいものの組合せはどれか.
a ビタミンAを過剰摂取すると肝臓に蓄積し, 過剰症 (頭蓋内圧亢進など) を引き起こす.
b プロビタミンAであるβ-カロテンは, 小腸粘膜でほとんどがビタミンAに変換される.
c リコペンは, プロビタミンA活性を持つ.
d β-カロテンを過剰に摂取しても, 過剰症はないと考えられている.
(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd

4 ビタミンAに関する記述である. 正しいものの組合せはどれか.
a β-カロテンの欠乏は, ビタミンA欠乏の症状 (夜盲症や角膜乾燥症など) を引き起こさない.
b 血中では, ビタミンAはアルブミンと結合して運搬される.
c 低たんぱく質栄養状態の場合には, 血中レチノール濃度は低下する.
d ビタミンAは, エネルギー代謝には関与しない.
(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd

5 ビタミンDに関する記述である. 正しいものの組合せはどれか.
a ビタミンDは, ステロイド骨格をもつ.
b コレステロールは, 皮下で紫外線照射を受けるとビタミンD3となる.
c 日照を受ける機会が少ない時には, ビタミンDの必要量が増加する.
d エルゴステロールは植物 (菌類) に由来するビタミンD前駆体で, 紫外線の作用でビタミンD3に変わる.
(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd

6 ビタミンDに関する記述である. 正しいものの組合せはどれか.
a ヒトでは, ビタミンD2の生物活性はビタミンD3の生物活性よりも低い.
b ビタミンDは, 肝臓で1α位が, 次いで腎臓で25位が水酸化されて活性型ビタミンDとなる.
c 血清の25-OH-ビタミンDは, ビタミンD結合たんぱく質に結合して末梢組織へ運ばれる.
d 肝障害や腎障害により, 二次性ビタミンD欠乏症が発症することがある.
(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd

7 水溶性ビタミンに関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) すべての水溶性ビタミンは, 体内に貯蔵されない.
(2) ビタミンB2が欠乏すると, 脚気を発症する.
(3) 食品中のビタミンB2は, たんぱく質と結合した状態で存在する.
(4) ビタミンB6の欠乏症に, 口内炎や口角炎, 口唇炎がある.
(5) ビタミンB12 (コバラミン) は, 分子中にセレンを含有する化合物である.

8 水溶性ビタミンに関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) 食品中のビタミンB12はたんぱく質と結合している.
(2) ナイアシンは, 必須アミノ酸のフェニルアラニンからも生合成できる.
(3) パントテン酸の欠乏症は, ペラグラ (皮膚炎や神経疾患) である.
(4) ナイアシンを大量に摂取しても, 過剰症は起こらない.
(5) ビタミンC (アスコルビン酸) は, コラーゲン合成におけるプロリンの酸化に必要である.

9 水溶性ビタミンに関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) ビタミンB12が不足すると, DNA合成が低下し, 溶血性貧血を生じる.
(2) 葉酸が欠乏すると, 核酸 (DNA, RNA) 合成が低下し, 鉄欠乏性貧血を生じる.
(3) 葉酸の摂取不足は, 血中ホモシステイン濃度を上昇させる.
(4) 過剰に摂取したビタミンB1は, 肝臓に蓄積される.
(5) ビタミンB12の吸収に必要な内因子は, 十二指腸から分泌される.

10 ビタミンCに関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) ビタミンC (アスコルビン酸) が欠乏すると, 脳圧亢進や壊血病を引き起こす.
(2) ヒト, イヌ, ネコは, グルコースからビタミンCを合成できない.
(3) ビタミンCは, 下垂体ホルモンの合成に必要である.
(4) ビタミンCは, ストレス負荷によって低下する.
(5) ビタミンCは, 体内に貯蔵されない.

11 レチノイン酸と活性型ビタミンDのホルモン様作用に関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) ビタミンAおよびDは, エイコサノイドに類似した代謝調節作用を示す.
(2) レチノイン酸は細胞膜上の受容体と結合し, 特定の細胞の増殖や分化を制御する.
(3) レチノイン酸は, 小腸粘膜においてムコ多糖体の生合成に関与している.
(4) 活性型ビタミンDは腎細胞内で遺伝子発現を調節することによりカルシウム結合たんぱく質を誘導する.
(5) 活性型ビタミンDは, 回腸におけるカルシウム吸収を促進させる.

12 ビタミンと補酵素に関する記述である. 正しいものの組合せはどれか.
a ビタミンB群の多くは, そのリン酸誘導体が補酵素の役割をもつ.
b ビタミンB1の補酵素型であるチアミンピロリン酸 (TPP) は, アシル基の転移反応に関与する.
c チアミンピロリン酸は, ピルビン酸カルボキシラーゼやアセチルCoAカルボキシラーゼの補酵素である.
d ビタミンB2の補酵素型であるFMNやFADは, 酸化還元反応に関与する.
(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd

13 ビタミンと補酵素に関する記述である. 正しいものの組合せはどれか.
a ビタミンB2の補酵素型の1つであるFADは, グアニンをもつヌクレオチドである.
b ビタミンB6の補酵素型であるピリドキサールリン酸は, 脱炭酸反応に関与する.
c ビタミンB12の補酵素型であるアデノシルコバラミンは, メチル基転移反応に関与する.
d ナイアシンの補酵素型であるNAD+は, 脂肪酸の酸化反応などで水素受容体として作用する.
(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd

14 ビタミンと補酵素に関する記述である. 正しいものの組合せはどれか.
a ナイアシンの補酵素型であるNADPH+H+は, 脂肪酸やコレステロールの生合成などで水素供与体として作用する.
b パントテン酸の補酵素型であるコエンザイムA (CoA) は, アミノ基転移反応に関与する.
c ビオチンは, デヒドロゲナーゼの補酵素である.
d 葉酸の補酵素型であるテトラヒドロ葉酸は, メチル基やメチレン基など活性C1単位の移動に関与する.
(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd

15 ビタミンCとビタミンE の抗酸化作用に関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) ビタミンCの補酵素型は, 抗酸化作用 (還元作用) を示す.
(2) ビタミンE は抗酸化力が強く, 過酸化物の生成を抑制する.
(3) ビタミンE は生体膜などを構成する多価不飽和脂肪酸の酸化を抑制し, 不足すると巨赤芽球性貧血を引き起こす.
(4) 飽和脂肪酸の摂取量が多い場合, ビタミンEの摂取量も増加させる.
(5) ビタミンCは, ビタミンEの消費を亢進する.

16 血液凝固とビタミンKに関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) ビタミンKは, 骨髄における血液凝固因子 (プロトロンビン) の合成に必要である.
(2) ビタミンK依存性凝固因子は, Ⅱ, Ⅵ, Ⅸ, Ⅹ因子である.
(3) ビタミンKが欠乏すると, 血液凝固の遅延が起こる.
(4) 乳児ビタミンK欠乏性出血症は, 母乳栄養児よりも人工栄養児に多くみられる.
(5) 成人におけるビタミンKの欠乏は, 重篤な出血性疾患の原因となることがある.

17 腸内細菌叢とビタミンに関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) ビタミンKは, 腸内細菌によって合成されない.
(2) 抗生物質の長期投与時には, ビタミンAの必要量が増加する.
(3) ビタミンB群の多くは, 腸内細菌によって合成される.
(4) ビタミンB1は, 腸内細菌によって合成される.
(5) ビタミンB6は, 腸内細菌によって産生されない.

18 エネルギー代謝とビタミンに関する記述である. 正しいものの組合せはどれか.
a エネルギー代謝が亢進している時やエネルギー摂取量が多い時には, ビタミンB1, ビタミンB2, ナイアシンの必要量が増加する.
b 脂質の摂取エネルギー比率が大きい場合やアルコールを大量に摂取する場合は, ビタミンB1の要求量が増加する.
c エネルギー源としてグルコース利用が高まった場合には, ビタミンB2 (リボフラビン) の必要量が増す.
d たんぱく質の摂取エネルギー比率の過剰は, ビタミンB6の要求量を増加させる.
(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd

19 ビタミンと他の栄養素や生体物質との関係に関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) ビタミンは, 他の栄養素から体内で合成されない.
(2) カルシウムの摂取量が多いと, ビタミンDの必要量が増加する.
(3) ビタミンCの大量摂取は, 高カルシウム血症による腎障害を引き起こす.
(4) ビタミンDの欠乏は, 発育期では骨軟化症や骨粗鬆症を, 成人ではくる病を引きおこす.
(5) 核酸の合成が亢進しているときには, 利用される葉酸の量が増加する.

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次回は 「7 ビタミンの栄養」 の解答と解説です。

基礎栄養学 26-25

2011年10月30日 | 日記
「6 脂質の栄養」 の解答と解説です。

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6 脂質の栄養 解答と解説 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

1=(1)
(1) 正 食後は, キロミクロンが増加する.
(2) 誤 食後は, インスリンによってリポたんぱく質リパーゼが活性化される.
(3) 誤 食後は, キロミクロンのトリアシルグリセロールがリポたんぱく質リパーゼによって分解される.
(4) 誤 食後は, キロミクロンのトリアシルグリセロールからの脂肪酸が脂肪組織に取り込まれる.
(5) 誤 トリアシルグリセロールの大半を失ったキロミクロンレムナントは, 肝臓に取りこまれる.

2=(3)
(1) 誤 食後は, 脂肪組織や筋肉でのトリアシルグリセロールの合成が亢進する.
(2) 誤 食後は, 肝臓における脂肪酸合成が亢進する.
(3) 正 食後は, インスリンによって肝臓におけるトリアシルグリセロールの合成が促進される.
(4) 誤 食後は, 肝臓からのVLDL分泌が亢進する.
(5) 誤 食後は, インスリンによって脂肪組織のホルモン感受性リパーゼの活性が抑制される.

3=(2)
(1) 誤 空腹時には, グルカゴンによって脂肪組織のホルモン感受性リパーゼが活性化される.
(2) 正 運動時には, アドレナリンによって脂肪組織のホルモン感受性リパーゼが活性化される.
(3) 誤 空腹時には, ホルモン感受性リパーゼによって脂肪組織のトリアシルグリセロール分解が促進する.
(4) 誤 空腹時には, 脂肪組織では脂肪酸の放出が亢進し, 血中遊離脂肪酸濃度が高くなる.
(5) 誤 食後は, 血中の遊離脂肪酸濃度が低下する.

4=(3)
(1) 誤 空腹時に増加した遊離脂肪酸は, 主に肝臓や筋肉に取り込まれる.
(2) 誤 空腹時には, 肝臓では脂肪酸のβ酸化の亢進によるエネルギー産生が亢進する.
(3) 正 空腹時には, キロミクロン分泌は起こらない.
(4) 誤 空腹時には, 肝臓ではVLDL分泌は抑制される.
(5) 誤 空腹時には, 骨格筋では脂肪酸のβ酸化が亢進する.

5=(4)
(1) 誤 絶食時には, 肝臓で遊離脂肪酸からケトン体が合成され, 血中に出る.
(2) 誤 食事由来のトリアシルグリセロールは, 分解と合成を繰り返した後, 主に脂肪組織に蓄積される.
(3) 誤 糖質を全く摂取しないと, 体内で脂質の代謝が不完全になる.
(4) 正 肝臓での脂質合成と血清遊離脂肪酸濃度の間には, 負の相関がある.
(5) 誤 食事によって変動しやすいのは, コレステロールよりもトリアシルグリセロールである.

6=(2)
a 正 ケトン体は, 肝臓のミトコンドリアで合成される.
b 誤 ケトン体は肝臓では利用されず, 脳や骨格筋で利用される.
c 正 長期の絶食の場合, 脳はケトン体もエネルギー源として利用する.
d 誤 骨格筋には脂質が蓄積され (霜降り), エネルギー源として利用される.

7=(2)
(1) 誤 リポたんぱく質は脂質を多量に含むたんぱく質のことで, 血中における脂質の輸送形態である.
(2) 正 キロミクロンは, 食事から吸収された脂質を輸送するリポたんぱく質である.
(3) 誤 キロミクロンは, トリアシルグリセロールを最も大量に含む.
(4) 誤 VLDLは肝臓で合成された脂質を運搬するリポたんぱく質で, トリアシルグリセロールを多く含む.
(5) 誤 リポたんぱく質リパーゼは, キロミクロンやVLDLのアポC-Ⅱによって活性化される.

8=(2)
(1) 誤 キロミクロンやVLDLのトリアシルグリセロールは, リポたんぱく質リパーゼによって分解される.
(2) 正 キロミクロンやVLDLのトリアシルグリセロールに由来する脂肪酸は, 脂肪組織や筋肉組織に取りこまれる.
(3) 誤 LDLは肝臓で合成されたコレステロールを運搬するリポたんぱく質で, コレステロールを最も多く含む.
(4) 誤 LDLに含まれるトリアシルグリセロールと, 食事のタイミングとは無関係である.
(5) 誤 HDLは, 肝外組織のコレステロールを肝臓へ輸送するリポたんぱく質である.

9=(3)
(1) 誤 絶食時には, 主に脂肪組織から遊離脂肪酸が血中へ動員される.
(2) 誤 脂肪組織は, レプチンやアディポネクチン, レジスチンなどの生理活性物質を分泌する.
(3) 正 レプチンの分泌量は, 脂肪蓄積量が多くなると増大する.
(4) 誤 成人では, 褐色脂肪組織より白色脂肪組織のほうが多い.
(5) 誤 褐色脂肪組織の細胞質内には, 多数の小さな脂肪滴や多数のミトコンドリアが存在する.

10=(4)
a 誤 コレステロールは, 肝臓や小腸などで合成される.
b 正 コレステロールは, 糖や脂肪に由来するアセチルCoAから合成される.
c 正 コレステロールは, 生体膜の成分, 胆汁酸やステロイドホルモンの材料として重要である.
d 誤 血中コレステロール濃度が上昇すると, 肝臓でのコレステロール合成がフィードバック阻害される.

11=(5)
a 誤 コレステロールのほとんどは, 胆汁酸に代謝される.
b 誤 十二指腸に分泌された胆汁酸は, ほとんどが小腸下部から能動的に再吸収されて再利用される.
c 正 一次胆汁酸は, 腸内細菌の作用により二次胆汁酸に変化する.
d 正 抗生物質の投与は, 糞便中への二次胆汁酸の排出を低下させる.

12=(3)
a 正 多価不飽和脂肪酸のうちリノール酸とα-リノレン酸は必須脂肪酸で, 発育や機能維持に重要である.
b 誤 n-6 系の脂肪酸 (γ-リノレン酸とアラキドン酸) は, 体内でリノール酸から合成される.
c 誤 n-3 系の脂肪酸 (エイコサペンタエン酸とドコサヘキサエン酸) は, 体内でα-リノレン酸から合成される.
d 正 エイコサペンタエン酸 (EPA) には, 血液中の脂質成分の濃度を低下させる作用がある.

13=(5)
a 誤 炭素数20の脂肪酸 (エイコサペンタエン酸とアラキドン酸) は, 必須脂肪酸から合成される.
b 誤 エイコサノイドとは, プロスタグランディン, ロイコトリエン, トロンボキサンなどのことである.
c 正 炭素数20の脂肪酸 (エイコサペンタエン酸とアラキドン酸) から, エイコサノイドが合成される.
d 正 n-6 系と n-3 系の必須脂肪酸は, 生理活性の異なるエイコサノイドを作る.

14=(3)
a 正 酸化されやすい多価不飽和脂肪酸の摂取は体内の過酸化脂質を増加させ, 健康障害をもたらす可能性がある.
b 誤 食事由来の短鎖, 中鎖脂肪酸は, 吸収後, 直接門脈血中に移行して肝臓に輸送される.
c 誤 脂質の摂取量が増加すると, ビタミンB1の消費量は減少する.
d 正 グリセロール 3-リン酸の供給不足は, 血中遊離脂肪酸濃度上昇をきたす.

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次回は 「7 ビタミンの栄養」 の問題です。

基礎栄養学 26-24

2011年10月29日 | 日記
「6 脂質の栄養」 の問題です。

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6 脂質の栄養 問題 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

1 食後の脂質代謝に関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) 食後は, キロミクロンが増加する.
(2) 食後は, インスリンによってホルモン感受性リパーゼが活性化される.
(3) 食後は, キロミクロンのコレステロールが分解される.
(4) 食後は, キロミクロンのトリアシルグリセロールからのグリセロールが脂肪組織に取り込まれる.
(5) トリアシルグリセロールの大半を失ったキロミクロンレムナントは, 骨格筋に取りこまれる.

2 食後の脂質代謝に関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) 食後は, 脂肪組織や筋肉でのトリアシルグリセロールの分解が亢進する.
(2) 食後は, 肝臓における脂肪酸合成が抑制される.
(3) 食後は, 肝臓におけるトリアシルグリセロールの合成が促進される.
(4) 食後は, 肝臓からのLDL分泌が亢進する.
(5) 食後は, 脂肪組織のリポたんぱく質リパーゼの活性が抑制される.

3 食後, 食間期の脂質代謝に関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) 空腹時には, 脂肪組織のホルモン感受性リパーゼの活性が抑制される.
(2) 運動時には, 脂肪組織のホルモン感受性リパーゼが活性化される.
(3) 空腹時には, 脂肪組織のトリアシルグリセロール分解が抑制される.
(4) 空腹時には, 脂肪組織では脂肪酸の放出が抑制され, 血中遊離脂肪酸濃度が低くなる.
(5) 食後は, 血中の遊離脂肪酸濃度が上昇する.

4 空腹時の脂質代謝に関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) 空腹時に増加した遊離脂肪酸は, 主に脳や赤血球に取り込まれる.
(2) 空腹時には, 骨格筋では脂肪酸のβ酸化の亢進によるケトン体の産生が亢進する.
(3) 空腹時には, キロミクロン分泌は起こらない.
(4) 空腹時には, 肝臓ではVLDL分泌が亢進する.
(5) 空腹時には, 骨格筋では脂肪酸の合成が亢進する.

5 食後, 食間期の脂質代謝に関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) 絶食時には, 骨格筋で遊離脂肪酸からケトン体が合成され, 血中に出る.
(2) 食事由来のトリアシルグリセロールは, そのまま主に脂肪組織に蓄積される.
(3) 糖質を全く摂取しない場合でも, 体内での脂質の代謝は影響を受けない.
(4) 肝臓での脂質合成と血清遊離脂肪酸濃度の間には, 負の相関がある.
(5) 食事によって変動しやすいのは, トリアシルグリセロールよりもコレステロールである.

6 脂質代謝の臓器差に関する記述である. 正しいものの組合せはどれか.
a ケトン体は, 肝臓のミトコンドリアで合成される.
b ケトン体は肝臓や脳, 骨格筋で利用される.
c 長期の絶食の場合, 脳はケトン体もエネルギー源として利用する.
d 骨格筋には脂質は蓄積されない.
(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd

7 リポたんぱく質に関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) リポたんぱく質はたんぱく質の表面を脂質が覆ったもののことで, 血中における脂質の輸送形態である.
(2) キロミクロンは, 食事から吸収された脂質を輸送するリポたんぱく質である.
(3) キロミクロンは, コレステロールを最も大量に含む.
(4) VLDLは肝臓で合成された脂質を運搬するリポたんぱく質で, コレステロールを多く含む.
(5) リポたんぱく質リパーゼは, キロミクロンやVLDLのアポA-Ⅰによって活性化される.

8 リポたんぱく質に関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) キロミクロンやVLDLのトリアシルグリセロールは, 肝性リパーゼによって分解される.
(2) キロミクロンやVLDLのトリアシルグリセロールに由来する脂肪酸は, 脂肪組織や筋肉組織に取りこまれる.
(3) LDLは肝臓で合成されたリン脂質を運搬するリポたんぱく質で, リン脂質やコレステロールを最も多く含む.
(4) 食後は, LDLに含まれるトリアシルグリセロール量が増加する.
(5) HDLは, 肝臓のコレステロールを肝外組織へ輸送するリポたんぱく質である.

9 脂肪組織に関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) 絶食時には, 主に脂肪組織からトリアシルグリセロールが血中へ動員される.
(2) 脂肪組織は, レプチンやエイコサノイド, レジスチンなどの生理活性物質を分泌する.
(3) レプチンの分泌量は, 脂肪蓄積量が多くなると増大する.
(4) 成人では, 白色脂肪組織より褐色脂肪組織のほうが多い.
(5) 白色脂肪組織の細胞質内には, 多数の小さな脂肪滴や多数のミトコンドリアが存在する.

10 コレステロールに関する記述である. 正しいものの組合せはどれか.
a コレステロールは, 小腸では合成されない.
b コレステロールは, 糖や脂肪に由来するアセチルCoAから合成される.
c コレステロールは, 生体膜の成分, 胆汁酸やステロイドホルモンの材料として重要である.
d 血中コレステロール濃度が上昇すると, 肝臓でのコレステロール分解がフィードバック阻害される.
(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd

11 胆汁酸に関する記述である. 正しいものの組合せはどれか.
a コレステロールのほとんどは, 酸化分解されてエネルギーとなる.
b 十二指腸に分泌された胆汁酸は, ほとんどが糞中に排泄される.
c 一次胆汁酸は, 腸内細菌の作用により二次胆汁酸に変化する.
d 抗生物質の投与は, 糞便中への二次胆汁酸の排出を低下させる.
(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd

12 必須脂肪酸の栄養に関する記述である. 正しいものの組合せはどれか.
a 多価不飽和脂肪酸のうちリノール酸とα-リノレン酸は必須脂肪酸で, 発育や機能維持に重要である.
b n-3 系の脂肪酸は, 体内でリノール酸から合成される.
c n-6 系の脂肪酸は, 体内でα-リノレン酸から合成される.
d エイコサペンタエン酸 (EPA) には, 血液中の脂質成分の濃度を低下させる作用がある.
(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd

13 脂肪酸由来の生理活性物質に関する記述である. 正しいものの組合せはどれか.
a 炭素数20の脂肪酸 (エイコサペンタエン酸とアラキドン酸) は, 中鎖脂肪酸から合成される.
b エイコサノイドとは, レプチン, レジスチンなどのことである.
c 炭素数20の脂肪酸 (エイコサペンタエン酸とアラキドン酸) から, エイコサノイドが合成される.
d n-6 系と n-3 系の必須脂肪酸は, 生理活性の異なるエイコサノイドを作る.
(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd

14 脂質の栄養に関する記述である. 正しいものの組合せはどれか.
a 酸化されやすい多価不飽和脂肪酸の摂取は体内の過酸化脂質を増加させ, 健康障害をもたらす可能性がある.
b 食事由来の短鎖, 中鎖脂肪酸は, 吸収後, リンパ管を経て血中に合流する.
c 脂質の摂取量が増加すると, ビタミンB1の消費量は増加する.
d グリセロール 3-リン酸の供給不足は, 血中遊離脂肪酸濃度上昇をきたす.
(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd

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次回は 「6 脂質の栄養」 の解答と解説です。

基礎栄養学 26-23

2011年10月28日 | 日記
「5 糖質の栄養」 の解答と解説です。

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5 糖質の栄養 解答と解説 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

1=(1)
(1) 正 食後, 膵臓では, 上昇した血糖値を下降させるためにインスリン分泌が促進される.
(2) 誤 血糖値は食後30~60分間で最高値に達し, 2時間後にはほぼ元のレベルに戻る.
(3) 誤 食後のインスリン分泌の上昇により, 筋肉組織や脂肪組織へのグルコースの取り込みが増加する.
(4) 誤 インスリン分泌が高まった時 (食直後) には, 脂肪酸がエネルギー源となることはない.
(5) 誤 食後は, 肝臓や筋肉ではグリコーゲンの合成や脂肪酸合成が亢進する.

2=(4)
(1) 誤 食後, 肝臓では糖新生が抑制される.
(2) 誤 糖質を多く含む食事を摂取すると, 肝臓でのケトン体の産生が抑制される.
(3) 誤 血糖値が低下すると, グルカゴン分泌が亢進する.
(4) 正 脳や赤血球などにエネルギーを供給するため, 空腹時でも血糖値はほぼ一定に維持されている.
(5) 誤 血糖値が低い空腹時には, 血中遊離脂肪酸濃度は高くなる.

3=(4)
(1) 誤 脳はグルコースを唯一のエネルギー源として利用し, 飢餓時にはケトン体もエネルギー源として利用する.
(2) 誤 脳は, 脂肪酸をエネルギー源として利用しない.
(3) 誤 糖質を多く含む食事を摂取した後でも, 脳ではエネルギー源としてのグルコースの利用は変化しない.
(4) 正 赤血球は, グルコースを唯一のエネルギー源として利用する.
(5) 誤 赤血球は, 解糖系でグルコースを乳酸まで代謝する.

4=(3)
(1) 誤 赤血球はミトコンドリアをもたないので, 取り込んだグルコースは水と二酸化炭素までは代謝されない.
(2) 誤 骨格筋は, グルコースや脂肪酸, ケトン体からもエネルギーを得ることができる.
(3) 正 筋肉グリコーゲンは血糖から合成され, グルコース以外の糖からは直接合成されない.
(4) 誤 脂肪細胞は, グルコースから脂肪酸を合成できる.
(5) 誤 貯蔵グリコーゲン濃度は肝臓で高いが, 総量としては, 筋肉組織で多い.

5=(2)
(1) 誤 糖質を過剰摂取し続けても, グリコーゲンの蓄積量は脂肪の蓄積量より多くなることはない.
(2) 正 肝および筋肉の貯蔵グリコーゲンは, 運動時には消費されて低値となる.
(3) 誤 飢餓時には, 糖新生が肝臓と腎臓で亢進する.
(4) 誤 脳の重量は体重の 2% であるが, エネルギー消費量は体全体の 18% である.
(5) 誤 精神活動が活発になっても, 脳のエネルギー消費量の明らかな増加はない.

6=(3)
(1) 誤 血清インスリン濃度は, 糖質負荷後30~60分で最大値に達する.
(2) 誤 インスリンは, 骨格筋や脂肪組織でグルコース輸送体 (GLUT4) に作用し, グルコースの細胞膜透過を亢進させる.
(3) 正 インスリンは, 筋肉や肝臓のグリコーゲン合成を促進する.
(4) 誤 インスリンは, 筋肉でのたんぱく質の合成を促進する.
(5) 誤 インスリンは, 脂肪組織のトリアシルグリセロールの合成を促進する.

7=(1)
(1) 正 血清インスリン濃度は, 糖質負荷から2時間後には負荷前の値に戻る.
(2) 誤 インスリンを投与しても, 脳内へのグルコースの取り込みは増加しない.
(3) 誤 肥満になるとインスリン感受性が低下し, 細胞へのグルコースの取り込みが抑制される.
(4) 誤 血糖指数は, グルコース, スクロース, デンプンなど消化吸収されやすい糖質でも異なる.
(5) 誤 多糖類 (糖質) を摂取した場合の血糖値の上昇は, グルコース摂取による上昇よりも少ない.

8=(5)
(1) 誤 肝臓のグリコーゲン合成は, 門脈中のグルコース濃度の上昇によって促進される.
(2) 誤 肝臓のグリコーゲン分解は, グルカゴンとアドレナリンによって促進される.
(3) 誤 肝臓のグリコーゲン量は, 湿重量の約 5% 程度である.
(4) 誤 グルカゴンやアドレナリンは, 肝臓グリコーゲン分解を促進して血糖値を高める.
(5) 正 血糖値が低下すると, 肝臓のグリコーゲンからグルコースが生成し, 血糖の維持に利用される.

9=(5)
(1) 誤 肝臓のグリコーゲンは, 最終的にグルコース-6-ホスファターゼによってグルコースとなる.
(2) 誤 激しい運動時に筋肉内に生成した乳酸は肝臓に送られ, ピルビン酸を経て糖新生によってグルコースとなる.
(3) 誤 筋肉のグリコーゲン量は, 湿重量の約 0.5% である.
(4) 誤 筋肉のグリコーゲンの分解は, アドレナリンによって促進される.
(5) 正 筋肉に貯蔵されたグリコーゲンはグルコース (血糖) にはならず, 筋肉のエネルギー源として利用される.

10=(1)
(1) 正 糖質の摂取量が多いと, 筋肉ではグリコーゲンの合成が亢進し, グリコーゲン含量が増加する.
(2) 誤 糖質を多く含む食事を摂取した後, 筋肉では血液中へのアミノ酸の放出が減少する.
(3) 誤 糖質を多く含む食事を摂取した後, 脂肪組織ではトリアシルグリセロールの合成が亢進する.
(4) 誤 空腹時や飢餓時などでは, 副腎皮質ホルモンによる筋肉たんぱく質の異化が亢進する.
(5) 誤 飢餓時などでは, 筋肉たんぱく質の分解によるアラニンが肝臓に送られ, 糖新生によってグルコースとなる.

11=(3)
(1) 誤 糖質や脂質からのエネルギー供給が少ないと, 同時に摂取したたんぱく質はエネルギー源として利用されやすい.
(2) 誤 空腹時や飢餓時に肝グリコーゲンが枯渇しても, 脂肪 (脂肪酸) から糖新生が起こることはない.
(3) 正 糖質の摂取量が多くなると, ビタミンB1の必要量が増す.
(4) 誤 過剰に摂取したグルコースは, グリコーゲンやトリアシルグリセロールとして貯蔵される.
(5) 誤 糖質は, DNAやRNAの構成成分となるほか, 一部のアミノ酸や脂肪にも変換される.

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次回は 「6 脂質の栄養」 の問題です。

基礎栄養学 26-22

2011年10月27日 | 日記
「5 糖質の栄養」 の問題です。

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5 糖質の栄養 問題 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

1 食後・食間期の糖質代謝に関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) 食後, 膵臓では, 上昇した血糖値を下降させるためにインスリン分泌が促進される.
(2) 血糖値は食後10~20分間で最高値に達し, 1時間後にはほぼ元のレベルに戻る.
(3) 食後のインスリン分泌の上昇により, 脳や肝臓へのグルコースの取り込みが増加する.
(4) インスリン分泌が高まった時には, 脂肪酸がエネルギー源となる.
(5) 食後は, 肝臓や筋肉ではグリコーゲンの合成や脂肪酸の分解が亢進する.

2 食後・食間期の糖質代謝に関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) 食後, 骨格筋では糖新生が抑制される.
(2) 糖質を多く含む食事を摂取すると, 肝臓でのケトン体の産生が亢進する.
(3) 血糖値が低下すると, インスリン分泌が亢進する.
(4) 空腹時でも, 血糖値はほぼ一定に維持されている.
(5) 血糖値が低い空腹時には, 血中遊離脂肪酸濃度も低くなる.

3 糖質代謝の臓器差に関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) 脳はグルコースを唯一のエネルギー源として利用し, 飢餓時には脂肪酸もエネルギー源として利用する.
(2) 脳は, ケトン体をエネルギー源として利用しない.
(3) 糖質を多く含む食事を摂取した後, 脳ではグルコースの利用が増大する.
(4) 赤血球は, グルコースを唯一のエネルギー源として利用する.
(5) 赤血球は, 解糖系でグルコースをアセチルCoAまで代謝する.

4 糖質代謝の臓器差に関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) 赤血球に取り込まれたグルコースは, 代謝されて水と二酸化炭素になる.
(2) 骨格筋は, グルコースや脂肪酸からエネルギーを得ることができるが, ケトン体からはエネルギーを得ることができない.
(3) 筋肉グリコーゲンは血糖から合成され, グルコース以外の糖からは直接合成されない.
(4) 脂肪細胞は, グルコースから脂肪酸を合成できない.
(5) 貯蔵グリコーゲン濃度は筋肉組織で高いが, 総量としては, 肝臓で多い.

5 糖質代謝の臓器差に関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) 糖質を過剰摂取し続けると, グリコーゲンの蓄積量が脂肪の蓄積量より多くなる.
(2) 肝および筋肉の貯蔵グリコーゲンは, 運動時には消費されて低値となる.
(3) 飢餓時には, 糖新生が骨格筋で亢進する.
(4) 脳の重量は体重の 2% であるが, エネルギー消費量は体全体の 40% である.
(5) 精神活動が活発になると, 脳のエネルギー消費量が著しく増加する.

6 血糖とその調節に関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) 血清インスリン濃度は, 糖質負荷後2時間で最大値に達する.
(2) インスリンは, 骨格筋や脂肪組織でグルコース輸送体 (GLUT2) に作用し, グルコースの細胞膜透過を亢進させる.
(3) インスリンは, 筋肉や肝臓のグリコーゲン合成を促進する.
(4) インスリンは, 筋肉でのたんぱく質の分解を促進する.
(5) インスリンは, 脂肪組織の脂肪酸の合成を促進する.

7 血糖とその調節に関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) 血清インスリン濃度は, 糖質負荷から2時間後には負荷前の値に戻る.
(2) インスリン投与により, 脳内へのグルコースの取り込みが増加する.
(3) 肥満になるとインスリン抵抗性が低下し, 細胞へのグルコースの取り込みが促進される.
(4) 血糖指数は, グルコース, スクロース, デンプンなど消化吸収されやすい糖質では同じである.
(5) 多糖類 (糖質) を摂取した場合の血糖値の上昇は, グルコース摂取による上昇よりも大きい.

8 血糖とその調節に関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) 肝臓のグリコーゲン分解は, 門脈中のグルコース濃度の上昇によって促進される.
(2) 肝臓のグリコーゲン合成は, グルカゴンとアドレナリンによって促進される.
(3) 肝臓のグリコーゲン量は, 湿重量の約 0.5% 程度である.
(4) グルカゴンやアドレナリンは, 骨格筋グリコーゲン分解を促進して血糖値を高める.
(5) 血糖値が低下すると, 肝臓のグリコーゲンからグルコースが生成し, 血糖の維持に利用される.

9 血糖とその調節に関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) 骨格筋のグリコーゲンは, 最終的にグルコース-6-ホスファターゼによってグルコースとなる.
(2) 激しい運動時に肝臓内に生成した乳酸は筋肉に送られ, ピルビン酸を経て糖新生によってグルコースとなる.
(3) 筋肉のグリコーゲン量は, 湿重量の約 5% である.
(4) 筋肉のグリコーゲンの分解は, グルカゴンによって促進される.
(5) 筋肉に貯蔵されたグリコーゲンは, 筋肉のエネルギー源として利用される.

10 血糖とその調節に関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) 糖質の摂取量が多いと, 筋肉ではグリコーゲンの合成が亢進し, グリコーゲン含量が増加する.
(2) 糖質を多く含む食事を摂取した後, 筋肉では血液中へのアミノ酸の放出が増加する.
(3) 糖質を多く含む食事を摂取した後, 脂肪組織ではトリアシルグリセロールの分解が亢進する.
(4) 空腹時や飢餓時などでは, 甲状腺ホルモンによる筋肉たんぱく質の異化が亢進する.
(5) 飢餓時などでは, 筋肉たんぱく質の分解による分岐鎖アミノ酸が肝臓に送られ, 糖新生によってグルコースとなる.

11 糖質の栄養に関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) 糖質や脂質からのエネルギー供給が少ないと, 同時に摂取したたんぱく質は体たんぱく質の合成に利用されやすい.
(2) 空腹時や飢餓時に肝グリコーゲンが枯渇すると, 脂肪 (脂肪酸) から糖新生が起こる.
(3) 糖質の摂取量が多くなると, ビタミンB1の必要量が増す.
(4) 過剰に摂取したグルコースは, 酸化分解されて二酸化炭素と水になる.
(5) 糖質は, DNAやRNAの構成成分となるが, アミノ酸や脂肪には変換されない.

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次回は 「5 糖質の栄養」 の解答と解説です。