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山と史跡めぐり

だき山・氷瀑探し

2013-01-20 18:49:00 | アイスクライミング
 宮崎もやっとアイスクライミングのシーズンになりました。今シーズンもだき山の未踏のルンゼを探索して回ろうとおもっています。

 先週デルタルンゼを登った方から、よく氷結していると聞いていました。強烈な冷え込みはないものの、寒も緩んでなかったので、さらに発達していると期待していました。が、庵で得た情報では、鹿川界隈の氷瀑は先週よりも状態が悪いとのこと。今回の目標はデルタルンゼの右岸に落ち込んでいる直瀑でしたが、昨年の氷結があまりよくない時でもデルタルンゼはばっちり凍っていたのでまず大丈夫だろうと思い登りにいきました。

 比較的暖かい朝でしたが、気温はマイナス5度。キャンプ場から1時間ほどでデルタルンゼの取り付きへ。デルタルンゼのF1はかなり薄くて、水がジャージャー流れていました。巻いてあがることも考えましたが、F1がこれでは上の氷瀑も登れないだろうと判断し転進することにしました。

 だき山の主にお伺いをたてたところ、左となりのルンゼがよかろうとのこと。以前偵察時に目星を付けていたところです。小滝を2つ登ったところで上部をうかがうと、ありました大滝が。傾斜もスケールも十分満足いくもので、転進して正解でした。グレードはⅣ級マイナスくらいですが、50mいっぱいあったのでふくらはぎがパンパンになってしまいました。簡単な氷瀑をもう1ピッチあがったところでロープを解き、上部を偵察しましたがめぼしい氷瀑はありませんでした。歩きと懸垂2回で取り付きへもどりました。

 これといった氷瀑が一つしかないのが残念でしたが、登ってみると自然の造形の妙に「!!!」と唸ること請け合いです。おそらく初トレースと思いますが、「だき山勝野ルンゼ・ε(略称・イプシロンルンゼ)」と命名しました。

      イプシロンルンゼ・F1(フリーソロであがれます)

          イプシロンルンゼ・F3(50m、Ⅳ-)

氷結状況

2013-01-06 21:07:00 | アイスクライミング

 遠目で申し訳ないのですが、鹿川近辺の氷結状況です。

 神楽ルンゼ(F1)は、順調に発達のようです。あと2週もすれば登攀可能になるかもしれません。

 岩戸隠しの滝も発達中で、2、3週もすれば登れるようになると思われます。

 ダキ山の勝野ルンゼ群は来週あたりから登攀可能かもしれません。

 フェニックスの氷瀑は、大滝が薄いながらもつながっており、2週もすれば十分登れると思われます。下部の氷瀑はまだまだといった感じでした。

                神楽ルンゼ F1

        岩戸隠しの滝(まだまだですが、順調に発達中)

   フェニックスの氷瀑(大滝はそこそこ発達しているもよう・・)


ダキ山の足跡

2012-02-13 20:41:00 | アイスクライミング
 昨年末から計6回、ダキ山の北面に残した軌跡です。

 左から、勝野ルンゼδ(デルタルンゼ)、α(アルファルンゼ)、β(ベータルンゼ)、尾根を挟んで仏石ルンゼ、岩戸隠しの滝となっています。来シーズンは、多くの方に登りにきてもらいたいものです。

 来シーズンの課題は、気の重い順に、仏石大滝→岩戸隠しの滝→デルタルンゼ右岸支沢の大滝→ベータルンゼF2上の氷瀑→アルファルンゼF1でしょうか。これらはいずれも100m内外の大氷瀑なので、それなりに発達してくれないと怖くてとりつけません。冷え込みの比較的強かった今シーズンですが、それでも神楽ルンゼのF1は登攀可能な状態にはなっていません。来シーズンはどうなることやら・・・。



ダキ山北面・仏石ルンゼ

2012-02-13 11:21:00 | アイスクライミング
 冷え込みが続いてくれたので、またまたダキ山北面へ氷瀑探しに行ってきました。

 嫁が一緒だったので、土曜は比叡で軽く岩登り。気温は10度なかったのですが、陽があたると春みたいにぽかぽかでした。久しぶりにFYKルートを登ろうとしたのですが、出だしの核心で体がまったくあがらず・・。気持ちが一気になえてしまい、麓屋コーナーから3KNスラブスーパーへ変更。人工壁も外岩もしばらく登っていなかったにしても、あまりの体たらくに愕然としました。

 日曜は、超大物があると予想していたダキ山々頂直下のルンゼへ入ってみました。アプローチは先日の「岩戸隠しの滝」のボルダーから分かれて、左の沢へ入っていきます。F1はかなり薄い氷でスクリューは5センチも入らず、精神衛生上あまりよくありませんでした。50mいっぱい伸ばしたところでビレイ。その先はゴルジュ帯になっており、水没せずに突破することはちょっと不可能でした。釜が氷結してくれれば、問題なく歩けたのですが。右岸を高巻いてみたもののゴルジュの上に押し上げられるだけで、沢筋へ戻ることは不可能でした。アイスクライミングはF1だけであえなく終了でしたが、ゴルジュの先にある大氷瀑の存在を確認することができたのは大収穫でした。

 地元ではこのあたりを「仏石」と呼んでいるそうです。今回のルンゼを「仏石ルンゼ」、そしておそらくダキ山一番であろう大滝を「仏石大滝」と名付けました。昨年、神楽ルンゼのF1「神降ろしの滝」を見たときにはこれが九州一の大氷瀑と思ったものでしたが、先日の「岩戸隠しの滝」はその上をいき、今回の「仏石大滝」はさらにその上をいく大氷瀑でした。地形から察するにこれ以上のものはもうないと思いますが、ダキ山北面はまさしく氷瀑のワンダーランドです。

 5週続けてダキ山の北面へ入りましたが、毎週毎週新鮮な感動があり充実した探索行でした。これも天候やパートナーに恵まれたおかげです。主だったルンゼの全容がほぼ解明されたと思いますが、新たな課題もいくつかでてきました。来シーズンもまた鹿川界隈でアックスを振るいたいものです。



        圧倒的なゴルジュの奥にかかる仏石大滝。

ダキ山北面・勝野ルンゼβ(ベータルンゼ)

2012-02-05 14:46:00 | アイスクライミング
 厳しい冷え込みのおかげで、鹿川周辺の氷結も少しは回復してくれたようです。残された課題をこなすべく、今週末もダキ山北面へ入ってきました。

 もしかしたら今シーズン最後のアイスになるかもしれないので、本命と目していたベータルンゼを登ることにしました。すっかり歩きなれてしまったアプローチですが、途中アルファルンゼのF1を見てみると、先々週落ちてしまっていた氷もうっすらとですが再氷結していました。鹿川キャンプ場から1時間ほどでベータルンゼF1の取りつきに到着、このアプローチの短さは大きな魅力です。

 クリスマスの偵察時にはジャージャーと水がながれていたのですが、予想通りしっかりと氷結してくれていました。F1(下段)は見た目傾斜は緩そうですが、氷が固くてやや難しく感じました。50mいっぱいのばして右岸の灌木でビレイ。Ⅳ級くらいでしょうか。F1(上段)、F2とやや傾斜がおちますが、いずれも40、50mとこれまたすばらしい氷瀑が続きます。F2の上も延々とナメ氷が続いていますが、いかんせん傾斜がありません。ロープを解いてソロであがっていきますが、残念ながら氷瀑と呼べそうなものはありませんでした。標高1250mちょっとで遡行をうちきり、懸垂を交えて下降しました。

 おおいに期待していたわりにはF2で氷瀑が終わってしまいちょっと拍子抜けでしたが、延々と続く氷床をフリーソロで淡々と登っていくのは新鮮でした。F2上の支沢に大いに期待できそうな氷瀑の可能性を見出せ、これまた来シーズンの再訪が楽しみになりました。

      アルファルンゼ手前、右に入るとベータルンゼ
                  F1下段
  F2上の支沢、降水量の多い年だったら大氷瀑になる可能性大