- 真保裕一
「奪取」・・・20年総合第25位、97年第12位
「ホワイトアウト」・・・96年度第1位
- 貴志祐介
「黒い家」・・・98年度第2位
「天使の囀り」・・・99年第5位
- 福井晴敏
「亡国のイージス」・・・20年総合35位、00年度第3位
「終戦のローレライ」・・・04年度第2位
- 花村萬月
「ブルース」・・・93年度第4位
「笑う山崎」・・・95年度第5位
- 横山秀夫
「動機」・・・01年度第2位
「クライマーズハイ」・・・04年度第7位
真保裕一さんは、日本雪山版「ダイハード」と呼ばれる「ホワイト・・」の印象が強烈ですが「震源」「連鎖」など地味な「小役人シリーズ」で実力を認められた職人肌の作家です。「奪取」は偽札作りの話で評価が高いですが、個人的には、派手な「ホワイト・・」の方が好きだなー
貴志祐介さんの「黒い家」を読んだときの怖さは忘れられません おりしも、「和歌山毒入りカレー事件」が起きた頃で、非常に印象が強いです。「天使の・・・」も、バイオサスペンスの傑作!なんてうまいヒトだと思った記憶があります。
福井晴敏さんにも、あまりの面白さとスケールの大きさに驚かされた若手の一人です。現在モノでは「亡国・・・」の流れを引いた「川の深さは」 (01年度第10位)が良かったですね~
花村萬月さんは、ちょっと怖いヒト? お話も圧倒的に暴力的で、今まで挙げてきた作家の方々とは全く作風が異なります。時々こういった激しいのが読みたくなるのはなぜなんでしょうね?他に「セラフィムの夜」も印象的でした。出てくる殺し屋のイメージが映画「二キータ」でジャンレノが演じた謎の殺し屋と同じだな、と思った記憶があります。
人情を絡めた組織内の人間ドラマを書かせたら天下一品なのが横山秀夫さんです。最近、はまってます。切れのある短編集「動機」、日航ジャンボ機墜落事件を背景に新聞社の群像を描いた「クライマーズ・・・」。いずれも傑作ですが、他にタ名短編集「第3の時効」(04年度第4位)、県警察本部内の権力闘争を描いた長編「震度0」(06年度第3位)など目白押し!「半落ち」はまだ読んでませんが・・・
その他、印象的な作品は・・・
リアリティ溢れる医学パニック小説、 篠田節子の「夏の災厄」(96年度第12位)。京極夏彦の「笑う伊右衛門」(98年度第7位)は異色の純愛小説で泣けました。
殊能将之「ハサミ男」(00年度第9位)は久々にアッと驚く本格派!とても映画化できないと思うんですけどね~。他にも、なぜか時代(伝奇)小説である隆慶一郎作「影武者 徳川家康」(20年総合21位、89年度第9位)もありました。何で「このミス」なんでしょうね???
こうして振り返ると世の中面白い本がたくさんあるんですね!自由に安く好きな本が読めるこの国に生まれたことをホント幸せに思います。音楽も同じですけどね。