【ワシントン=山田哲朗】生命科学系の米企業ジェロン(本社カリフォルニア州)は11日、さまざまな細胞や組織に変化できる胚(はい)性幹細胞(ES細胞)を使った世界初の臨床試験をジョージア州アトランタの病院で始めたと発表した。
脊髄(せきずい)損傷を受けて2週間以内の患者に対し、神経の再生を手助けするため、ES細胞から作った「オリゴデンドロサイト」と呼ばれる神経系細胞の前駆細胞を注入した。
まずは治療法の安全性を確認するのが目的で、2年がかりで8~10人に試験を実施する。実際に運動機能を回復させる治療が実現するまでには、数年かかるとみられる。
ES細胞は倫理的な問題から米国ではキリスト教保守派の反発が強く、ブッシュ前大統領は連邦予算による研究助成を制限していたが、同社は民間などから集めた資金で研究を継続していた。
同社はオバマ大統領就任直後の昨年1月、米食品医薬品局(FDA)から試験の承認を得たが、安全性を確認する追加の作業に時間がかかり、臨床試験の実施が遅れていた。
同社は「ES細胞を使った治療を進める上で画期的な一歩」としている。
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脊髄(せきずい)損傷を受けて2週間以内の患者に対し、神経の再生を手助けするため、ES細胞から作った「オリゴデンドロサイト」と呼ばれる神経系細胞の前駆細胞を注入した。
まずは治療法の安全性を確認するのが目的で、2年がかりで8~10人に試験を実施する。実際に運動機能を回復させる治療が実現するまでには、数年かかるとみられる。
ES細胞は倫理的な問題から米国ではキリスト教保守派の反発が強く、ブッシュ前大統領は連邦予算による研究助成を制限していたが、同社は民間などから集めた資金で研究を継続していた。
同社はオバマ大統領就任直後の昨年1月、米食品医薬品局(FDA)から試験の承認を得たが、安全性を確認する追加の作業に時間がかかり、臨床試験の実施が遅れていた。
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