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朝日記211105 continued 2

2021-11-05 23:16:27 | 社会システム科学

ここは(朝日記211105 continued 2)

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3.本論文のまとめ として

Meinongian哲学の現代性と期待

keywords:

((subject + object)、Objective、State of the Affairs、Nonexistent object、Episteme 、Disposition、本論文の総合要約と意味するもの、その他)

 

 マイノングは、丁度日本の明治開国のころオーストリアに生まれ、生涯、グラーツの大学で哲学と心理学を研究した学者です。彼は、モノの存在について、「ものがある」ということと「ものがあること」のふたつを考えました。とくに後者は、ひとが経験して考えて判断するという認識の問題であり、彼は「対象」という概念を人間思考のなかに位置付けることになります。これによって、たとえば「シャーロック・ホームズはイングランドに生まれた」という命題に意味をあたえることになりました。言うまでもなくコナンドイルの創作ですが、人物は非存在であるが対象としては存在し、それを人々は認めているというものです。つまり「彼は存在していること」として彼を対象として、これに対して、読者はこの文章全体を考える意味あり(つまり価値がある)ということに同意します。価値を追求することで読者という主体・主観がつながった(State of the Affairs)“その状態”をオブジェクティブとして命題として位置付けることになります。いまはやりのキャラクター化として存在する対象であります。 リアルの世界で その物(者)が存在しない;非存在性のモノ(者)を対象として考えあるいは楽しむということの存在位置を与えることになります。ここまでくれば、すでに文芸はそうではないかという、ごく当たり前の話になり、それで終わりとなりますが、この対象の理論には、現代文明社会が遭遇している困難な問題を整理して考え、解決の道筋を科学的に進めるための貴重なヒントを内包しています。たとえば、先回のアメリカの大統領選で、不正選挙であったかどうかが問われ、バイデン氏の政権になったいまも、共和党にトランプ支持者は、その主張を下ろしていません。裁判での法手続きで法的に解決した形にしています。日本ならそれで、まあ丸く納めて、巻土重来としてみたいところですが、事実はどうであるか頬被りした状態は、結局、その社会全体の障害として残る。それを科学的に、解明しておくという努力は、基本的には民主と共和両党の支持者も望んでいるところと考えます。それがないと、毎回ブラックボックスのまま、国の統一体制が崩壊していくことが危惧されることになります。このような問題に、マイノングの非存在性の対象の概念が一縷の光を与えると見ます。

つまり。「不正選挙は無かった」という非存在対象問題を扱うということで、科学的な分析判断の場が共有されることになります。 マイノングは、そのためのひとつ、ものを(Disposition)広く晒すという手段を解決のヒントとして挙げています。これは、軍隊でいえば、一旦緩急あるときのための(平時での備え)軍事訓練という意味もあり、対象のよき目的価値であるオブジェクティブからの答えの質を向上する不断の努力をするシステムを(implement)用意に怠りないという意味になります。工業界のエンジニアリング系ではシステム制御工学としてすでに馴染みの思考方式ですが、これを社会系への適用性という意味ともなります。  

今回、項目“Meinong”(マイノング)および“Nonexistent object”(非存在性対象)を読み、和訳作業しましたので本稿に掲載し紹介し、その意味することの考察をしました。

繰り返しになりますが、(object)「対象」とは、(mind, mental)「こころ」という心理的な(content)内容を意味表現した「体」あるいは「こと」として定義されます。つまり, 「こころ」の部分が、いわゆるsubject「主体・主観」とよび、その意味として、いま「体」といった指示先がobjecta「客体・客観」つまり(object)「対象」ということになります。

 

本文5.4.4 Meinongの近代論理と意味論のインパクトおよび 5.4.5. 高次元の対象さらに 5.6 事実と真での説明は、上の問題対象Objectiveが (subject + object)の構成の構成からなる(State of Affairs)事態としての作動概念の説明がある。また、 5.4.5. 高次元の対象に 上のobjective問題対象をobject下位として上位支配するsubject高位との関係といった概念に記述されるが、理解イメージへの説明としては不十分である。もっともこの辺りが、もっとも近未来的に、取り上げられるべき重点研究領域であるとも言っておきたい。端的には、大量のデータの背景のもとに、ひと(高位subject、つまりゲームプレイヤー)からの関心や好みで多様な(episteme)キャラクター化領域がアニメ映画のように仮装現実として無尽に登場し、現実の世界が多様にinplex内包された、included内蔵された#Objcetive世界“が展開されるように考えられる。そのなかでの本文7.のValue subjectivism価値主観主義とValue objectivism価値客観主義とのせめぎあいが意味するものは重大である。

Meinongがなげかけるこころの志向から表現されるNonexistent objectは、無機化した情報世界で、理屈っぽくて、よく間違えて、そして感情的で、落ち込む人間のための城塞的なobjective課題を提供してくれるかもしれない。また逆かもしれないが、デジタル時空間をダイナミックに行き交うデータから援軍守護のobjectiveを如何に捉えていくか、積極的な対象存在としてのDispositionの存在意味を獲得するか興味ある課題領域である。  

筆者としては、さらに体力があれかしですが、このあと、項目「非存在対象」に「ミッシェルフーコー」を取り上げる計画でもあります。「寅さんは国民の先生」のようなことwp論じたいとおもいます。 ご意見を交流できれば幸甚です。

 

謝辞 ;スタンフォード大学の哲学百科[26]は、定期的レビューがあり、内容に定評がある。これまでもそうであったが、本研究シリーズをとおしてつねに中核的テキストとして利用できた恩恵は大きく、著者Johann Marek氏[27]に謝意を表する。総合知学会にて、継続的に研究発表の機会と励ましをいただき、本研究は11篇といくつかの研究ノートを発表できたことに神出瑞穂会長はじめ親愛なるメンバー各位に深甚なる感謝を捧げるものである。特に、小松昭英前会長には、これまで過程において個別にご配慮とご指導をいただき感謝をもうしあげたい。また、十年をこえる本研究の後半は体力の変化をみるなかで、妻敏子の日々の支えを感謝するものである。令和3年10月20日

 

 

[1] from the original article of Stanford Encyclopedia of Philosopy,First published Mon Dec 8, 2008; substantive revision Tue Feb 26, 2019 :

 

[2] from the original article of Stanford Encyclopedia of Philosopy,First published Tue Aug 22, 2006; substantive revision Tue Mar 19, 2019

 

[3] a priori ontological account

[4] existent objects

[5] non-existent objects

[6] descriptive psychology

[7] phenomenological philosophy

[8] intentionality (directedness of mind)

[9] British empiricists

[10] value-feelings (emotions)

[11] psychologism

[12] an objectivistic account of a theory of value

[13] distinction between the “psychological” (mental) content and the object of a mental act

[15] 価値に関する経済に限定しない基本的な姿勢は、大陸特融でもあるとみている。筆者の記憶であるが、Karl Polyaniの論説にもそれをみることができる。

[16] 事態を対象として位置付ける(荒井)

[17] たき火に火のなかにそっと差し入れるサツマイモ焼きの方が近いかもしれない。焼けるのを見守る気を配りであろうか。

[18] excavation

[19] Power of sovereign power like a king

[20] Power of discipline as designed

[21] Bio-power as population power

[22] invisible

[23]

[24] 朝日記171218 Amazon書評投稿「J.ガウアンロック著公開討議と社会的知性」と今日の絵   https://blog.goo.ne.jp/gooararai/e/e257c6a3ebf77219f0b694caf0be14a0

[25] J.ガウアンロック著(小泉 仰監訳) 公開討議と社会的知性 ミルとデューイ(御茶ノ水書房)John Gouinlock; Excellence in Public Discourse ~John Stuart Smith,Jaon Dewey,and Scial Intelligence. 1986

[26] スタンフォード哲学百科 Alexius Meinong

First published Mon Dec 8, 2008; substantive revision Tue Feb 26, 2019

[27] johann.marek@uni-graz.zc

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