Yassie Araiのメッセージ

ときどきの自分のエッセイを載せます

朝日記190606 わが敬愛する先輩八尾 徹さんのこと。

2019-06-06 17:33:32 | 自分史

朝日記190606 わが敬愛する先輩八尾 徹さんのこと。

 

facebookの交信でしばらく音信が途絶えていたのですが、彼のページから、この5月にご逝去されたことを知りました。

きょうは、八尾徹氏への弔意を書きます。

今日の絵は、わが敬愛する故八尾 徹氏へ贈る花です。

また、音楽絵画447 友人故八尾 徹氏に捧ぐ、6月の花と葉たち

を添付いたします。ご覧ください。

 

徒然こと 八尾 さんへの弔意

この欄でいま八尾徹さんのご逝去を知りました。 東大工学部応用科学の秀才でおられ、 三菱化成にて計算機応用技術開発のチーフをなされていたころに 会議に同席する機会があり、その時に発表した小生の技術哲学を大変ほめてくださったことを記憶しています。 同業ですが会社が違うので学会や業界でのおつきあいですが長くご一緒しお教えを受けました。通産の蛋白工学研究所]では初代の解析部長を担われ高分子の物性測定と機構解明として材料システム工学の濫觴を担われたのでした。世界的にも最も早い時機でした。八尾さんは会社の生命科学研究所にも深い関与をされそこから現在の日本の生命科学の逸材を輩出されました。たしか昭和55年(1980)ころ、日本の企業が将来の生き残りを賭した研究戦略を模索したころでした。建築ハウス55などの記憶がありますが、三菱化成さんは生命科学にその戦略焦点を定め、その後一貫して日本そして世界をリードされたベースを造られたと思います。八尾さんは会社の技師長でおられました。 通産省の外郭団体に(社)新化学発展協会というのがあり小生が計算化学プロジェクトの調査研究のまとめ役で暗中模索していたころ八尾さんが時にそっとヒントをくださいました。名古屋大学発、土井正男さんOCTAプロジェクト「高分子材料設計プラットフォーム」につながったことを今も感謝しています。八尾さんは、三菱化学のころから理化学研究所の和田所長顧問として世界を駆け巡っておられたと思います。小生が昭和電工を定年退職して武蔵工大(現東京都市大学)の国際交流産学連携企画に携わったころ、たしかMITのVest学長の講演会に八尾さんがお見えになり、「荒井さん知っていますか、遺伝子の解明がアメリカのヴェンチャーで解読成功されたことを」、 そのあとで、横浜の理研を見学させていただき、昼の食堂でこれだけの若き研究者がいることをあなたに見せたかったといわれました。解読のマシンが日立製であったこと、その他解読のためのソフトウエアが日本であったことなど、特許戦略の不明、それ以上に折角日本が世界の先頭に立っていたのにその後の日本の通俗権威識者たちの見解が遺伝子解明は21世紀に懸る、日本の産業の研究射程としては遠いといった意見が幅きかせて、いっきにスローダウンした直後のことであったと思います。八尾さんは、淡々と研究所を案内されそれを淡々とご説明されておられました。和田所長の八尾さんへの信頼は大変なものであったと思います。和田さんの生命科学最前線の講演会で講演の最後にこれらの情報知識は八尾徹顧問の世界的ネットワークからのものであることを感謝を添えられ謝しておられたことを記憶します。八尾さんは、その後も同研究所の顧問として野依所長を支えられました。半年に一度くらいか、八尾さんの読書メモや生命科学研究情報をリストで配信していただきました。小生が、引退して、科学哲学に脚を踏み込んでいますが、その初めのころ、東工大の橋爪大三郎先生の旧約講座聴講のころですが、先生にあなたは好い友達に恵まれていますねと、八尾さんとの接触を語られました。昨年、久しくお住まいの舞浜、明治学院戸塚キャンパスを歩きました。桜のころでした。図書館での談話室でお互いの近況を語り合ったことを思い出します。その折に、Viktor Weiszaekerのゲシュタルト・クライスの運動と知覚の認知サイクルのことにふれ、さらに乗り物からの情景認知で、流体力学での座標系ラグランジュ系とオイラー系について話がおよび、人間はこれをうまく使い分けていること、さらに人間に易しい科学のあり方について話が及ぶとわが意を得たりと大変喜ばれたことを記憶します。そういえば八尾さんは『等身大の科学』を一貫して標ぼうされておられました。 内村鑑三さんの無協会派のキリスト教者であられました。「神(超越)は考えるものではなく、信じるものである」とよく諭されましたが、カントの哲学をも愛しておられたと思います。大きな次元において本当に偉い方がここにあったと確信します。また、八尾さんを知る人は等しくそのように評価され、生前のご友誼を感謝されるものであろうし、まさにこの小生が深い感謝の念を持つものであります。「巨星墜つ」であります。ご冥福をお祈り申し上げます。

 

音楽絵画No 447-6月の花と葉たち

https://www.youtube.com/watch?v=HSaxh7dA2Nk&feature=youtu.be

 

 

 

わが敬愛する故八尾 徹氏へ贈る花


コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
«  朝日記190602 音楽紙芝居全... | トップ |  朝日記190606 あたらしい作... »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
中尾俊夫さんから (あらいやすまさ)
2019-06-10 17:16:53

荒井様、お知らせありがとうございました。八尾様からいただいたアドバイスやコメントは今でも忘れることはありません。当時の小生は八尾様を高い山を仰ぎ見るような思いで見ていました。その、師と仰ぐ思いも変わることはありません。RIP
(中尾俊夫氏)
返信する

コメントを投稿

自分史」カテゴリの最新記事