マンダラは人間性のるつぼ
絶望する他は呪術に頼るしか術のなかった人々の幸福願望が凝縮されている。
呪術は、超自然的存在や神秘力の助を借りて、種々の現象を起こさせるもので、
宗教と呪術は大なり小なり密接な関係があり、呪術のまったくない宗教は存在しない。
科学が発達する以前に、人間が欲望達成のために取りえた形が呪術であって、科学は
それを追って進歩してきた。例えば、病気を治したい、雨がほしい。金持ちになりたい、
敵をやっつけたい、恋しい人と一緒になりたい・・・というような人間らしい気持ちなど、
願望の積極的な対策が呪術にはある。
しかし、原始仏教は物欲を始めとする執着心からの離脱を説き、執着心のまったくない
涅槃の境地を求めた。そして大乗仏教は「空」思想を発展させ、精進する菩薩道の貴さを
説いた。原始仏教も大乗仏教も、人間の欲望は汚いものとして捨てよと教えてきたのである。
ところが、タントラを摂取したタントラ仏教、すなわち密教は、呪術祭祀による現世利益を宣伝しだしたのである。
日本にも伝えられた密教修法は、息災、増益、降伏、鉤召(こうちょう)、敬愛、延命・・と目的により修せられる呪法がある。
日々飢えている人々に断食のへの誘いはナンセンスで、いつか満足に食べられる希望を与えることが大切なのである。
密教は、人間である故にもつさまざまな欲望を、人間性として認めだしたのであって、これは大きな方向転換である。
とくに、従来の仏教が禁欲的であったのに対して、積極的にセックスを肯定し、教理の要にしている点はユニークである。
中略・・密教は中心物として大日如来を置き、その功徳によって諸仏・諸神が成立するというマンダラを持っており、
その思想は中央集権政策と合致するものである。密教がこうした現世利益をうちだしていることから堕落仏教との謗りを受ける面がある。
実はその先があるのであって、仏の功徳という偶像崇拝も、現世利益も導入部に過ぎない。
その奥には大きな大きな人間性賛美の哲学がある。
今日は茶々には難しいお話だったけど、
ご主人さまが研究している幸せについての貴重な奥儀(煩悩の宿る身を処し、宇宙の摂理をもって幸せを追求)であることは理解できる。
でも難しいね。
この本は、そのあたりが優しく解説されており、胎蔵マンダラ、金剛界曼荼羅などの諸神・諸仏についても図解してあるので読んでみてね。
TRICK トリック:仲間由紀恵演じる超常現象など信じない女奇術師と阿部寛の物理学者のコンビが、
谷間の村を舞台に繰り広げられる不可思議な事件をまるッと解決する、人気テレビ・シリーズの劇場版コメディ・ミステリーもみてね。
ご主人さまはもっとすごい超常現象を起こすことができるんだよ!
幸せ快楽教の教祖様かも・・あなたも今日から信者です!