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バーボングラス片手のロックな毎日

多分大コケするだろう ニッポンノワール

2019-10-20 21:41:30 | MUSIC/TV/MOVIE

多分大コケするだろう。

今クールは期待外れとかコレジャナイ感が強いドラマが目白押しだが、この【ニッポンノワール 刑事Yの反乱】、間違いなく大コケするだろう。

前評判が良かったし、なんか興味そそられたので第一回目を見た。

なんじゃこりゃ。

スピード感重視で次から次へと謎が出てきて誰が敵で誰が味方か・・・。謳い文句の「アンストッパブル・ミステリー」。日本語に訳したら「なんか色々やりすぎてわけわかんない」になるのかね。

過去の事件が絡んだ警察組織の悪とか隠蔽とか偽装とか。もう使い古されたこの方法を平気でまだ使う厚顔さはともかく、脚本がザルすぎる。色々詰め込んでしまいたいのはわかるが、まったく意味ワカンねぇよって。突っ込みどころが第1話目にして満載。

オープニングはいかにも意味深で、このドラマはいろんな謎が次々と出てくるミステリーですよって感じだが、この手のドラマが成功したのは「10年前」だろうさ。

 

山小屋で目を覚ました賀来賢人の。横には広末涼子の死体。手には拳銃。記憶がまったくない。そのくせいきなり現場の証拠を消そうとするんだけど、足でズリズリしたってダメだろうよ。科捜研のまりこさん(沢口靖子)が臨場したら一発で「何々を使えばわかるわ」って調べられるだろう。この男は山小屋の周辺の足跡とかも消したのかね。

で、ちゃっかりまた現場に臨場するんだけど、広末涼子が配属された頃からの記憶が無い。賀来賢人はしっかり医者の診断書までとってるがいつ病院行ったんだ。捜査会議で転属してきた細田善彦にいきなり突っかかられてるが、何のことか視聴者には全くわからん。「俺の手柄を横取りして捜査一課に入りやがって」と過去の確執があること言って診断書をビリビリ破るシーンで「もう少し丁寧に描こうよ」って思う間もなく、その言い争いを発端に捜査会議が大荒れ。全員入り乱れてのバトル。

ここで今まで飄々としてた杉本哲太が実は喧嘩っぱやく腕自慢ということがわかる描写は良いとして、バトルロワイヤル状態の中ででしれっと化粧して座ってる立花絵里。前回のブログでも書いたが、下手くそな演技もそうだがこんな使い古された手(「私はクールですよ」演出)を未だに使う脚本家や演出家がいることにびっくり。

 

天井に拳銃をぶっ放して騒ぎを収めた公安部・井浦新の登場も、お前どこから入ってきてんって突っ込みより、そんなところ(椅子の上)で待ってたんかいって。なんか格好良く登場させようって下手な演出しないでも井浦新はかっこいいんだからさ。「お前を育ててやった(刑事のイロハを教えた)のは俺だ」と賀来賢人に恩着せがましく言うこの伏線は後で回収されるんだろうな。

しつこく何度も「警視庁のガン」とか「日本一の悪徳刑事」と周りの奴に言わせることで、賀来賢人がいかに問題刑事だと演出したいのだろうけど、わざわざそんな説明台詞いるか?

さらに本人もクールに装い、いかにも「ワイルドだろ」感を出そうとしてるのだがこれもどうだろ。さらに何かにつけて「面白くなってきたじゃねーか」というけど、これっていろんなドラマですでに使われてる台詞だよね。天海祐希も毎回取り調べの前に言うぞ。

広末涼子のガキを預かるように言われ嫌がる、無視する。このパターンも従来幾度となくいろんなドラマで描かれた。さらに面倒くさがって邪険にしてるんだけど、優しい言葉かけたり、ツンデレのように「言うこと聞く(約束守るん)ならおいてやる」ってパターンも登場。

 

ひどいのは子供を連れて現場(山小屋)に行くシーン。立ち入り禁止の黄色いロープの脇には警察官がいて、二人を制止するが、その中で同僚の工藤阿須加二襲われる時にはどこに行ったか姿見えないし。さらには賀来賢人は広末涼子が赴任してきた時からの記憶がないとか言ってるのに工藤阿須加に「お前の手口はお見通しなんだよ」って。禁煙してたことも忘れてたのにね。

しかもこの工藤阿須加、理事官の篠井英介になんかを吹き込まれた途端豹変。タバコの吸殻は井浦新に渡すわ、「ハッピーピーポー」ってラリった感じ満載で襲撃するわ、もう何が何だか。お前は広末に惚れてたのか?視聴者はこれくらい読み取れと?で、結構このバトルシーンは悪くなかったのだが、賀来賢人の暴走を止めるため子供に銃を撃たせちゃいかんよ。いや、道徳の話ではなくて、肩を脱臼するって話。いくら22口径でも銃を撃ったことのない子供には無理だって。弾を撃ったら反動が結構あるのに銃口はしっかり地面と平行して構えてるし。もう監督とか演出家が「こういう絵が欲しい」ってのが丸わかり。

 

そのくせこの子が礼儀正しく育てられたのを演出するためか、アジトの一階にある笹野さん(元警視庁の敏腕刑事=これも説明台詞で)の喫茶店で冷凍ピラフを食べるとき「いただきますって言わないんですか?」と賀来賢人にいう。こんなことを言うガキモキライダガ、このときガキが言う台詞が「作ってくれた人に感謝の意味を込めて頂きますって言うんだと母から教わった」。これって俺のオカンと同じ勘違い。正確には「(食物に対し)あなたの命を頂きます」だ。「いただきます」については諸説はあるが、堂々とトンデモマナー、ナンチャッテルールを堂々とドラマで描くな。

襲撃後の夜、自宅でカップラーメンを食する際に賀来賢人も「いただきます」と言っているが、それより、あの現場からお前、工藤阿須加をどうやって運んできたんだ?って方が気になった気になって。

 

もうあれこれいろいろありすぎて、いい感じで怪しげな雰囲気の北村一輝のことが霞んでしまった。

あ、このドラマ、菅田将暉主演で大好評だった【3年A組ー今から皆さんは人質です】の半年後の設定ということで、半グレ集団ベルムズのリーダーも出てる。なぜか賀来賢人の使いパシリをさせられてて「一度悪の道に入ったもんはそうそう簡単に更生できねぇんだよ」的な台詞を言われたりしてる。これって放送倫理上いいのかね?さらに言えば、あれだけやってたやつがたったの半年で出所できるのか?即位礼正殿の儀の特赦とかか?

 

なんかこの「出演者は豪華、前評判はいい、第一話見てガッカリ」でパターン、つい最近もあったなぁってデジャブ感じた。あ、【ストロベリーナイト サーガ】だ。

なんかどいつもこいつも胡散臭さを出すためか、騒がしい。「情報量の多さ」が売り文句だが、これって裏を返せば「たったの10-11話くらいで伏線を全部回収できるわけない」&「丁寧に描けるわけがないから薄っぺらくなる」だ。

間違ってもこのドラマが【3年A組ー今から皆さんは人質です】のように、回を増すごとに謎が解き明かされ、それぞれの登場人物が丁寧に浮き彫りにされていくってことは期待しない方がいいと思う。あのドラマだって結局は伏線回収しきれなかったところいっぱいあったもん。続きはWEBでって。それはオダギリジョーのみ許されるやり方だ、知らない人は昔のLIFEカードのCMを知ってる人に聞いてください。

 

第二話が本日放送される。多分見ないだろう。